ホームルームが始まる前だったと思う。窓際にクモが一匹降りてきた。
誰かが窓のカーテンを引いた時、ツーッとぶら下がったのだ。
小型のクモだったが例によって女子の誰かが「キャーっ」と声を上げた。
みんなが一斉に振り向き窓際の数人が椅子を倒したり机にぶつかったりしながら逃げた。
近くにいた辰雄はクモを見つめる数人をかき分け前に出ると両手でクモを生け捕りにした。
「そこの窓開けて!」
辰雄が言うと窓際の女子が急いで手を伸ばしたがサッシにカギが閉められていて開かなかった。照れ笑いしながら開け直す窓に辰雄は閉じ込めていたクモを解放し、戻ってこないうちにすぐに閉めた。
みんなの視線が集まる中、右手で○のサインを作った。
「オッケーでっす。クモは悪い虫じゃないからね」
そう言って席に戻った。
留美子は辰雄の肩をポンポンと2回叩いてねぎらった。
誰かが窓のカーテンを引いた時、ツーッとぶら下がったのだ。
小型のクモだったが例によって女子の誰かが「キャーっ」と声を上げた。
みんなが一斉に振り向き窓際の数人が椅子を倒したり机にぶつかったりしながら逃げた。
近くにいた辰雄はクモを見つめる数人をかき分け前に出ると両手でクモを生け捕りにした。
「そこの窓開けて!」
辰雄が言うと窓際の女子が急いで手を伸ばしたがサッシにカギが閉められていて開かなかった。照れ笑いしながら開け直す窓に辰雄は閉じ込めていたクモを解放し、戻ってこないうちにすぐに閉めた。
みんなの視線が集まる中、右手で○のサインを作った。
「オッケーでっす。クモは悪い虫じゃないからね」
そう言って席に戻った。
留美子は辰雄の肩をポンポンと2回叩いてねぎらった。