「すごい、すごい、すっごーい!こんなにどこで見つけたの、うーちゃん。ねえ」
星見ちゃんはいつも僕のことを「うーちゃん」って呼ぶ。僕のヒロシって名前がうちゅうって書くのを知ってるからだ。
でも「うーちゃん」呼ぶのは星見ちゃんだけ。他の人はみんな「ひろしくん」って言う。杏子先生だってそうだ。星見ちゃんのお父さんが教えたらしい。
僕と星見ちゃんのお父さんは幼稚園からずっと仲良しで、今でも会社行かない時はしょっちゅう一緒に遊んでる。何してるのかは知らないけど。いつも「星見ちゃん家行って来る」って出かける。いつだったか急に星見ちゃんが来て
「ひろしくんって宇宙人だったんだ。今度からうちゅう君って呼ぶよ。」って言うんだ。僕が「やめてよ、みんなまねするから~」って言うと、
「じゃあ、宇宙のうーちゃんね、決ーめたっと。いいよね、うーちゃん」だって。それからうーちゃんになっちゃった。
星見ちゃんだから許しちゃう。他の子はだめ、絶対ダメ。だってヤだもん、そんな呼び方恋人同士みたいで。
「昨日ね、子供の国の花壇で取ったんだ。水飲み場の後ろの方、まだワープ中なのもいっぱいあるから今度取りに行こうね。」
「うん、いくいく。」