ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

スカパー×NTT、トリプルプレイは普及するか

2005年12月27日 | コンテンツビジネス
以前から話が出ていたNTTとスカパーの連携が具体化した。すっかり死語と化した感があった「トリプルプレイ」だけど、どうやらそれは当たり前になりつつ土台は整ってきたからなのか。とはいえ、今回のスカパーとNTTの提携はまだまだ過渡期なのだろう。

 スカパーとNTT東西、光ファイバー放送の新会社設立--トリプルプレイ実現に向け

以前、「トリプルプレイ」を考える上で機能的に6っの層に分けて考えてみた方がいい、と書いたことがある。つまり「電話」「TV」「インターネット」といったサービス部分だけでなく、「インフラ」「プラットフォーム」「放送」「VOD」「ISP」「IP電話」という具合に2レイヤー+4サービスで分けて考えた方がいいということだ。このことの基本的な発想というのは、そもそもトリプルプレイというのが「複数」のサービスを提供するのに共通のインフラを使った方が効率的だという発想からきているからだ。ただし「TV」というサービスの捉え方については、大多数の人が同時に同じ番組を見るという「放送型」と「蓄積型(VOD)」と特性の違うサービスを分けて考えている。

 どこまで通信と放送の融合は進んでいるか ―通信・放送融合の行方

その上で今回の提携について考えてみると、まず「インフラ」は間違いなくNTTの「光」ファイバーを使いつつも、電話はNTTの「IP電話」を、放送は無料の地上波ではなく「スカパー」を、インターネットについてはどこが担うのか不明だ。そういうこともあって「プラットフォーム」についてはこれはどこか一社がやるというわけでもなさそうだし(つまりISPを含め各社がバラバラで契約をするのか)、あるいは「マンション」の管理組合が一括してその機能を提供するのかもしれない。

そもそもスカパー自体がPPDチャンネルなどを通じて、擬似「VOD」的なサービスを行っていることもあり、4thMEDIAのようなVODサービスは提供されないだろう。まぁ、そもそも4thMEDIAにしろ、CATVにしろいずれもVODサービスが失敗しているというのは興味深いところ。

ただやはり最強の「暇つぶし」コンテンツでもある「地上波」が入らないというのは何とも寂しいところ。CATVのように「トリプルプレイ」を自然に提供できるようになるにはまだまだ時間がかかるのか。そう考えると、地デジIP再送信というタイミングがやはり本格的な「トリプルプレイ」時代の幕開けのタイミングになるのかもしれない。

ただ個人的には、「TV」といわれるメディアと「PC」といわれるメディアの境界線が消えるタイミングというのが気にかかる。TVでインターネットを見たいというニーズはあまり高くならないだろうが、VODサービスなどはIP通信の方が特性としてはあっているし、最近のPC側のAV機能の高まりを考えると、家族で見るならTVで、個人で楽しむならPCでという形態は十分にありえると思う。また「放送」のような同時性にこだわらない、「曖昧な時間感覚」を重視するというのなら、VOD型の番組の視聴や動画検索といったものももっと一般的になってもいい。

まぁ、多少形態は違うものの、HDRやロケーションフリーTVが果たしているのもそういった「欲望」実現のはずだ。

テレビ局とネットが融合するにはまだまだ時間がかかるかもしれないが、メディアやデバイスを通じた「使い方」という点で放送と通信の融合は比較的近いのかもしれない。


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