ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

SONYの本気度は?映像版iTMSがいよいよ誕生か。

2005年04月07日 | コンテンツビジネス
映像版iTMSがいよいよ誕生か?!ソニーの取組みの詳細が分からないのだけれど、「海賊版DVDを撲滅するのが狙い」というからには、DRM付WMVファイルをダウンロードしてPCで見てください、というわけではないだろう。PCでダウンロード→DVDなどのメディアにCOPY→テレビで視聴一連の流れを考えた時、結構課題は多いはずだ。果たしてそんなに単純にいくのだろうか。

映画 ネット販売へ 米ソニー (産経新聞) - goo ニュース

不安材料から。

1)現状のセルDVDでもそうだけれど、著作権の関係でDVDにはリージョンコードが埋め込まれているし、各国母国語への翻訳作業も発生する。流通範囲をどう設定するのか。

2)SONYはこれまで独自のDRM技術にこだわってきているが、汎用的なDVD付HDDレコーダーやDVDプレイヤーに対応したサービスとなるのか

3)携帯電話やPSPを視野に入れた時、エンコードフォーマットはDVDで使われるMPEG2では整合性が取れない。汎用的なデバイスでの利用が可能なのか

4)ハリウッドというのは著作権保護に対して非常に厳しいが、今回採用されている方式は、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント以外も許容されうるセキュリティレベルなのか

5)セルDVDの多くは二層式DVDであり記録容量は4.7GB×2=9.4GBである。これに対して現状、PCなどで採用されているのは一層式のDVD-RWが中心である。映像品質は担保されうるのか

こないだから、PCを視聴デバイスとして捉えるのではなく、流通手段として捉えた「映像配信サービス」像について書いてきたが、今、挙げた問題というのはまさにそれでの課題でもある。これに対してSONYはどういう回答を与えるのだろう。特にセキュリティについては、現状、PC上でのCOPYではセキュリティ的に不十分であるとして、PCでのCPRMの利用を制限していたりする。そういった中ではたしてどのような解決策を見せてくれるのであろうか。

これで実はメモリースティクで…、あるいはUMDで…なんて落ちにならなければいいが…

ソニー、PSPへのコンテンツダウンロードサービス実施へ
米映画会社、PSP向けにUMD版コンテンツを提供へ

そういえば、こないだ「PSPで映像なんかみない」的なことを書いたのだけど、前言撤回、友人とPSPの話をしていて、あぁ、もしかしたらと思ったことがあったので、忘れないうちに書いておこうと思う。

PSPで映像を見るための利用シーンとしては、電車の中や待ち合わせといった「公衆の場」を想定していた。
そのため利用しない理由として、1つは「映像をみるに相応しいデバイスではない」と考えていた。これはそのとおりだろう。映画を想定してもらえばいいが、大きい画面の方が楽しめるに決まっている。

と、もう1つが、公衆の面前で「映像を見ることが恥ずかしい」だろうということ。それはまだそんなことをしている人はいないから、という意味もあるが、読書にしろ音楽にしろ、公衆の場で「プライベート」の空間を擬似的に作り出す装置が「本」や「ウォークマン」「携帯」だったりするわけで、何を見ているのかが公衆の目に晒される「PSPというデバイスで映像を見る」というのは、心理的な抵抗が多いだろうと考えたからだ。

1つ目の理由が主要因の人にとっては、やはりPSPでの映像視聴というのは興味がないだろう。

しかし2つ目の理由が主要因の場合で、かつその人が「周囲の目を気にしない」タイプだったらどうか。ありていに言えば「オタク層」であれば意外と見るのかも知れない。しかもPSPの主用途はやはり「ゲーム」だろう。しかも携帯電話では物足りなくてPSPを買うのだから、ヘビーユーザーの率が高い。となると意外と「エヴァンゲリオン」のようなアニメであればいけるかもしれない。

その友人が試しにPSPと3G携帯用に映像をエンコードしてみせてくれたのだけれど、普通に見る分には、映像の品質は全く問題なし。後は搭載できる(メモリーなどの)容量の問題だと言っていた。

これからの時代、昔のビデオデッキやウォークマンのように誰もが利用する「デバイス」に対してあらゆる「コンテンツ」を提供するというモデルではなく、この層はこの「デバイス」を利用しているからこういうジャンルの「コンテンツ」に絞って提供する、という発想が必要なのかもしれない。PSPには「ハリウッド映画」は必要ないが「アニメ」ならいける、というような――。


コンテンツ流通のためのツールを求めて

「映像」を見るためのデバイスとは?




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