ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

ニコニコ動画に違法コンテンツは不要か?

2008年04月08日 | コンテンツビジネス
津田大介氏がニコニコ動画についての記事の中で、「なぜこの段階で、キラーコンテンツでもある著作権侵害コンテンツを切ろうとしているのでしょうか?」と問われ、「ドワンゴがどこまで本気で著作権侵害コンテンツの対策を行なおうと思っているのかは、まだ分からない」としつつも、「ニコニコ動画の成長過程において、著作権侵害コンテンツやMADムービーのある種「副産物」として、ユーザー発のオリジナル作品が増えてきたことが影響している」のだろうと答えている。

違法コンテンツなしの「ニコニコ動画」に客は来るのか?

事実、TVなどの違法コンテンツの投稿が集客力を生み出したことは間違いはないが、ニコニコ動画の本質的な面白さは「見逃したテレビ番組が見られる」ところよりも、「何かをネタにしてみんなとダベる」とか、「お互いにものを創作し合う」というところにあったことも間違いはない。ドワンゴとしては、違法コンテンツではなく、ユーザー同士の創発の場として「ニコニコ動画」を位置づけることで、サービスの合法化と独自のスタンスを築こうとしたのだろう。

しかしこの戦略は成功するのだろうか。

ここ最近のニュースなどを見ていると、編成型無料動画のGyaOが話題に昇ることは少なくなり、圧倒的に話題となるのは「ニコニコ動画」だ。

日本オリジナルのサービスであることや、「ひろゆき」という存在、あるいはユーザー獲得の勢いなど話題に事欠かないことは間違いがない。しかしちょっと冷静にネットレイティングの数値などを見てみると、「ニコニコ動画」の凄さとともに意外なところも発見する。

GyaOとYouTubeとニコニコ動画を比べた場合、ニコニコ動画のUU数の伸びは急激ではあるものの、実は月間400万UU程度で頭打ちとなっているGyaOを超えてはいない。しかも当初の伸びはすさまじかったものの1月から2月についてはこちらもそれほど伸び率に勢いを感じなくなってきているのだ。ニコニコ動画もある意味、踊り場に来ているのかもしれない。

考えてみれば当たり前のことだ。一般ユーザーの中にいる「職人」の発表の場とニコ動を捉えた場合、そのような職人的ユーザーは必ずしも多くない。Blogが誰でも使うことができる「文字」を利用しているからこそあそこまで普及したが、少なくともニコ動はある種のスキルが必要となる。まして出来上がった作品もピンきりだ。だとしたら、必ずしもBlogやmixiのような広がりは期待できないだろう。

それに対して、ニコ動の凄さというのは1人あたりの利用時間だ。かってYouTubeやGyaOは平均利用時間が1時間前後であった。最近ではGyaOは1時間を切るようになり、YouTubeが維持しているのに比べてもメディア力の低下が感じられる。

これに対してニコ動は、さすがに1時期の3時間ということはなくなったが、それてせも2時間台後半とかなり高い数値を上げている。つまりニコ動はYouTubeやGyaOに比べて、コアな層をつかんでいる。はまる人にははまるサービスなのだ。

少なくとも現在のニコ動、約400万の会員規模感ではまだまだ商売としては厳しいだろう。そう考えたとき、ニコ動の課題としては「創発の場」として投稿してくれる人を募集することはもちろん、彼らを飽きさせないために、どれだけ多くのギャラリーを囲い込みコメントなど励ましの言葉を獲得するかが大事になるのだろう。







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