ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

本気かあせりか?!ソフトバンクの動画戦略

2005年12月20日 | コンテンツビジネス
PC系の動画配信といえば、有料ではUSEN系のShowtime、AII、NTT系のBROBAとgooBBあたりが先行し、無料でいくとUSEN系GyaO、Biglobeストリーミングあたりが頑張っているというイメージで、アクセス数は多くともイメージ的には出遅れ感があった「Yahoo!」だけれど、どうやら本腰をいれて取り組み始めたようだ。

 GyaOには生中継で対抗--ソフトバンクとヤフー、動画配信会社を共同で設立

まぁ、前提としては、Yahoo!の圧倒的なアクセス数、顧客をベースとしているとはいえ、この記事を読む限り、目新しいのは動画投稿機能くらい(まぁ、これも技術的には目新しいわけではないのだけれど)。どちらかというと、GyaOのような無料モデルもGoogleビデオのような動画検索や投稿モデルも、これまでやってきていた有料配信もとりあえず全部くっつけてみましたっていう、何とも大雑把な作り。まぁ、これでも参画するコンテンツホルダーがいるというところが、Yahoo!のメディア力というところなのだろう。

で、Yahoo!動画以外のコンテンツ約7万本も動画検索で提供できるということで、試しにTVバンクの動画検索を試してみたのだけれど、まぁ、うん、これはどうなのだろう。自社の動画検索をどうしようとそれはもちろん勝手なのだけれど、例えばここで「大前研一」と検索してみると幾つかの映像がピックアップされ、マウスオーバーすればその場で再生される。ここで問題点が幾つかある。

1)イメージ検索などでもいえることなのだが、結局他サイトの素材を検索結果として表示(引用)するのが検索結果ではあるのだけれど、これまでのテキスト情報や画像情報と、この動画では引用元のサイトのネットワーク負荷が全く違う。本来、検索結果であれば、引用元のサイトに導くためにそのサイトの一部を引用するというものなのに、ここれで引用元への導線は非常に小さく「ただ動画がみられる」という意味合いの方が強い。これではそもそも「検索」という意味合いとしての許可の範囲を越え、動画検索サイトが集客目的で利用しているのではないか。

2)また1)と絡むのだけれど、コンテンツホルダーの許可をもらった上で動画配信を行っているサイトの場合、その許諾範囲の多くは特定のドメインなどで規定される場合が多い。仮に「大前研一」の検索結果を例にすれば、おそらく http://bb.goo.ne.jp/ 上での配信の権利をコンテンツホルダーからgooBBが得た上で配信しているはずだ。それがこの場合、TVバンクのサイト内で(勝手に)配信されていることになるのではないか。ましてその配信サーバはTVバンク側にあるわけではなく(あったら違法COPYだ)、gooBBのサーバから(勝手に)引っ張ってきているのだ。権利的な側面からも果たしてどこまでが許されるべきなのか。

3)googleニュースなどでは、その検索サイト(googleニュース)では広告表示をしないことで許されているわけだけれど、もちろんこのTVバンクでも検索画面上で広告表示などすれば著作権違反にあたる可能性が高い。このあたりをどのうように対処するのか。

4)また仮に検索画面で広告の表示をしなかったとしても、Googleニュースとは異なり、有料配信や無料広告配信のサイトと連動するのであれば、これについても著作権違反にあたるのではないか。そうしたTVバンクの他サービス(有料配信、無料広告配信)との関係についても整理が必要だろう。

 googleニュースと「他人のふんどし」

当初、世界中のテレビ番組を~なんて大見栄を切ったわりには、何となくやっつけ感が漂うサービス設計だということを考えると、このあたりの整理もついているとはいえないのだろう。とにかくGyaOとgoogleを意識したとしか思えないものだ。もっともコンテンツなんてサービス設計以上にコンテンツの魅力が大事なのはもちろんだし、そこが拡充されれば結果オーライということもある。

いずれにしろ動画配信はまたあたらしいフェーズに入ったのかもしれない。




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