ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

まさに死闘!アメフト 立命館×関学戦

2004年12月08日 | Weblog
すでに結果はわかっているとはいえ、やはりスポーツはその過程が面白いんだと思う。NFLに比べればはるかにプレーの質は劣るけど、その分、選手個人の気持ちが個々人の技量を凌駕する。互いに6勝1敗同士、しかし両校優勝は何の意味もも持たない。関西代表の座をかけた関西学生アメフト 立命館vs関学プレーオフの一戦は雨の中でまさに「死闘」とよぶに相応しい試合だった。

関東ではラクビーばかりが話題になるが、関西学生スポーツの華はなんといってもアメフトだ。1部リーグ8チームがリーグ戦を行い、優勝校が関西代表として学生No.1の座をかけて「甲子園ボウル」に出場する。とはいえ、学生アメフトについていえば完全に西高東低、関(関学)京(京大)立(立命館)の3強の覇者が実質、学生No.1だ。

だからこそこの一戦は負けられなかったのだ。

昨年は怪物QB高田率いる立命館が残り0秒で関学に勝ち越し、完全優勝を決めている。立命はそのまま甲子園ボウルを制覇し、ライスボウルでも社会人を圧倒した。

そして今年、10.31の直接対決では、残り3秒でフィールドゴール(FG)が決まれば同点という状況で、昨年勝ち越しを決めたキッカー岸野が登場、高く舞い上がった楕円のボールはしかしポスト手前で失速、関学が制することになった。本来、既に京大が他校を取りこぼしたこともありこれが事実上の決勝戦となるはずだった。ところがここが「3強」が存在する所以、その後の関学×京大戦で"まさかの"関学逆転負け!立命館はその後の京大戦をよりきり6勝1敗で並ぶことに。一度失ったチャンスを再度手に入れた立命館に対して、「優勝」でありながら笑顔なき関学。

そしてこのプレーオフ。まず関学がいきなりのビックプレー。オープンに流れつつある立命ディフェンスの裏を抜くように関学QB河野が中央を縦にRUNで突破、いきなりのタッチダウン(TD)!つづいて関学がもう一本TDを決めて第1Qで14対0。いつものように関学が奇襲で専制し、それを立命館が追う展開に。

ただしいつもと違うのが「雨」という状況。

QB池野のショートパス・ミドルパスを中心に試合を組み立てていく立命館オフェンスだが、この日は雨のためか、QB池野のパスが定まらない。関学特有の揺さぶりもあって前半は関学ペースで試合が進むが、徐々に立命ディフェンスも関学オフェンスに対してアジャスト、前半終了間際に学生No.1アスリートの呼び声高いWR木下へのTDパスが成功!14対7で折り返す。

後半はいきなり立命館がQB池野→WR木下へのロングパスが成功、木下が一気に駆け抜けTD!開始20秒で同点に追いつく。しかしここからは我慢の状態が続く。RUN中心、パス中心の違いはあれど、ともに強力な攻撃陣を誇る両校だがここはディフェンスが踏ん張り、得点のないまま試合がすすむ。

この間、特に関学のディフェンス陣の激しい出足とタックルに、立命オフェンス陣の負傷が続く。それでも出つづける選手達。例えば社会人チームのように明日の仕事のことや家庭のこと、怪我をしたらどうなるか、そんなことにとらわれることなく、この1戦に全てをかけて…

この1戦、何が凄いといって両校、特に関学の選手の気合が凄い。おそらく個人技では立命館の方が優位に立っているだろう。それを例えばタックルを受けた時に1ヤードでも前に倒れる、ディフェンスに向かって走っていく時は迷いなく突っ込んでいく。ディフェンスにしても一人ひとりが完璧に自分のやるべきことを徹底し、隙あらば立命オフェンスラインを超えてQBに向かっていく。当たり前といえば当たり前のことだが、これを闘志むき出しで1プレー1プレーやり遂げるのだ。

やはりスポーツは気持ちが支えているのだ、ということを見せつける名勝負といえるだろう。かってはこうした「闘魂」の代表は京大であり、関学はどちらかというと戦略・戦術に長けたチーム、アメフトというものをよく知っているチームというイメージだった。しかし10.31、そして"闘魂"京大に敗れ再びよみがえった闘志をこの試合では見せてくれている。そして立命館もそれに十分応えている。

試合は同点のまま4Qが終了し、敵陣25yrdからそれぞれ攻撃権のある限り攻撃し得点差がついた時点で試合が終了するというタイブレーク方式へ突入。まずはそれぞれの守備がふんばり両者得点なし。続いて2度目のタイブレーク、先行された立命館はQBにWRの木下を指名。木下の身体能力に全てをかける。この雨、経験値、いくら高校自体はQBを経験していたとはいえ、おそらく関学の選手もパスだけでなく木下のRUNプレーに対しても十分警戒していたはずだ。しかしNo.1アスリートが意地を見せる。ボールを持って駆け出した木下は一騎に加速し、関学ディフェンス陣を一気に抜き去りそのままエンドゾーンへ。再び同点。勝利の女神は優柔不断だ。

3度目のタイブレーク。先行の立命はFGを狙う。蹴るのは10.31で最も悔しい思いをしたであろうキャプテン 岸野。この時、岸野は「全く外す気がしなかった」という。蹴りだされたボールは一気にポストを越え、初めて立命が先行。そして関学の攻撃。リーグ戦のFGの成功率は100%をほこる小笠原だが今日は既に2本外していた。距離41yrd。これが晴れていればどうなったいただろうか。激しいプレッシャーの中、小笠原の蹴ったボールは雨の中、勢いを失い僅かに右に逸れる――その瞬間、3年連続立命館の甲子園ボウル出場が決まった。

う~ん、何とも激しい試合だった。去年の立命×関学戦、10.31の試合もそうだったが本当に凄い。甲子園ボウルでは2年連続法政大学との対戦となるが、正直、こんな試合は期待できないだろう。

日本ではまだまだアメフトはマイナーなスポーツだ。
実はアメフトのワールドカップで日本は2度の世界一に輝いているのだが、それさえも殆ど報じられることはない(まぁ、アメリカが不参加ではあるが)。

もしこの試合に興味を持つ人がいたら、読売テレビのHPでこの模様を映像配信しているので、一度見て魅力に触れてもらえればと思う。

よみうりテレビ:関西学生アメリカンフットボール

立命大が甲子園ボウル出場/アメフト - nikkansports.com




3 コメント

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Unknown (ショコラ)
2004-12-16 21:45:27
パンサーズBLOGをいろいろ訪ねてここへきちゃいました。感想:I think so.こんな試合生きてて良かったくらいの値打ちモンです。関西に住んでて良かったと思います。でも、西高東低の関西でもアメフトってマイナーなスポーツですよね。くやちー!
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熱い試合だったぁ。 (ZIN)
2004-12-20 19:07:38
こんなに、熱い試合は見たことがない。

TV中継でも言ってたが、この試合は歴史に残ると思う。

立命館生として彼らを誇りに思う。

正直、できれば見に行きたかった。

アメリカ人曰く、神様が造ったアメフトのScore。

見ていて何度ももうだめだと思ったが、その度に彼らは勇敢に戦った。

彼らには勇気をもらった。

関学、立命、熱い戦いをありがとう。

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Unknown (Unknown)
2010-12-11 19:27:02
ありがとう
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