ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

大前研一が斬る「ライブドア VS フジテレビ」

2005年03月05日 | Weblog
大前研一氏がコラムの中で、ライブドアのニッポン放送のTOBとそれが浮き彫りにした問題について書いていた。この問題、まぁ、現状、思いのほかライブドアが株を取得したこともあり、また大量の転換社債型新株予約権付社債の発行といった反則技が飛び出したり、あるいは大前さんが指摘したようにインサイダー取引の可能性があったりと、どう転ぶか分からない状況が続いている。

ニッポン放送株を取得したライブドアが投じた一石

この手の仕組については詳しくないので、実際に大前さんのコラムを読んでもらうこととして、その記事の中で総務省の<実体を考慮していない>電波法改正について批判していたのでこれについて。

「現在、外資が直接的に放送局の株式を20%以上取得して議決権を持ってはならないという法があります。それを間接的、つまり間に一社挟んでの株式取得であってもNGにする」というもので、これを適応すると、「今回の件になぞらえるとリーマン・ブラザーズ証券がすべて転換すると20%を超えて堀江社長を上回り、ライブドアの最大株主になります。そのライブドアが放送局を買うことは「間接支配」になるのでNGとなる」ということが狙いらしい。しかしこれだと、外国人の持ち株比率が50%を超えるオリックスや40%前後のSONYも放送局をもてなくなる。

確かに日本人が創業して、日本を中心に活動しているからといって、その企業の持ち主が日本人であるとは限らない。資本主義が発達すれば、当然そこにはより利益を目指して、あるいは神の見えざる手による社会最適化のために、国境や人種や文化というものを超えて、資本が流通することになる。

個人的には、放送や通信といったサービスを提供する事業者は、少なくとも国家と言う概念が存在する限り、外資規制のようなものは必要だと思っている。世界は残念なことに純粋に資本の論理で動いているわけではなく、少なくとも非合理的な戦争のような行為が存在しており、そうした事態を想定した時に、外国のプロパガンダや諜報活動から独立したメディアや通信網が必要だと思うからだ。

しかしそのことは全ての放送事業者や通信事業者に求められるというものではない。放送局については、NHKのように民放とは違うスタンスの地上波が1局あればいいと思うし(現状のNHKがその役割を果たすとは思えないのだが)、通信については行政機関・国防機関の独立的なネットワークを維持するために必要な通信事業者があればいいと思う。

そういう意味では総務省の意図することにある面では賛成しているのだが、大前さんの言うとおり、実体の合わない制度を作ったところで意味はない。実際、こうした組織は決して資本の論理では上手くいかない。少なくとも企業であれば拡大再生産・利益追求を求めるだろうが、こうした組織はある意味「保険」であって、拡大再生産をベースとしたのでは合わないのだ。

となると、こうした組織は行政組織に組み込むか、コマーシャリズムから独立した運営体制を組む必要があるのではないか。

単純な外資規制などで解決できる問題ではないのだろう。

ちなみに今、大前研一さんのニュース解説が無料で見れるらしい。
ほんと、この人の情報量と分析力ってすげーなーと思うと思うので、1度見てみてはいかがですか?

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