Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

寝込んでいいですか、、? 間際のキャスト・チェンジ連続攻撃!!

2009-03-27 | お知らせ・その他
実演鑑賞とその感想を書くのに追われ、メトのサイトをチェックするのをしばらく怠っているうちに、
とんでもないことが発生していました。

① リング・サイクルのキャスト変更

いよいよ明日(土曜日)からスタートするリング・サイクル。
シーズン前の発表では以下のようなキャスティングでした。

 サイクル1 (3/28、4/11、4/18、4/25 すべて土曜のマチネ)
『ラインの黄金』  
ジェームズ・モリス(ヴォータン)、リチャード・ポール・フィンク(アルベリヒ)、
キム・ベグレー(ローゲ)、フランツ・ヨーゼフ・セリグ(ファーゾルト)、
ジョン・トムリンソン(ファフナー)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、ジル・グローヴ(エールダ)ウェンディ・ブリン・ハーマー(フライア)
『ワルキューレ』
ヨハン・ボータ(ジークムント)、ワルトラウト・マイヤー(ジークリンデ)、
ジョン・トムリンソン(フンディング)、ジェームズ・モリス(ヴォータン)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、クリスティーン・ブリューワー(ブリュンヒルデ)
『ジークフリート』
クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
ジェームズ・モリス(さすらい人)、ジル・グローヴ(エールダ)、
クリスティーン・ブリューワー(ブリュンヒルデ)
『神々の黄昏』
クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、クリスティーン・ブリューワー(ブリュンヒルデ)、
アイアイン・ペーターソン(グンター)、ジョン・トムリンソン(ハーゲン)、
マーガレット・ジェイン・ウレイ(グートルーネ)、イヴォンヌ・ネフ(ヴァルトラウテ)

 サイクル2 (4/27月、4/28火、4/30木、5/2土 すべて夜の公演)
『ラインの黄金』  
アルベルト・ドーメン(ヴォータン)、リチャード・ポール・フィンク(アルベリヒ)、
キム・ベグレー(ローゲ)、ルネ・パペ(ファーゾルト)、
ジョン・トムリンソン(ファフナー)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、ジル・グローヴ(エールダ)ウェンディ・ブリン・ハーマー(フライア)
『ワルキューレ』
プラシド・ドミンゴ(ジークムント)、アドリエンヌ・ピエチョンカ(ジークリンデ)、
ルネ・パペ(フンディング)、アルベルト・ドーメン(ヴォータン)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)
『ジークフリート』
クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
アルベルト・ドーメン(さすらい人)、ジル・グローヴ(エールダ)、
リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)
『神々の黄昏』
クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)、
アイアイン・ペーターソン(グンター)、ジョン・トムリンソン(ハーゲン)、
マーガレット・ジェイン・ウレイ(グートルーネ)、イヴォンヌ・ネフ(ヴァルトラウテ)

 サイクル3 (5/4月、5/5火、5/7木、5/9土 すべて夜の公演)
『ラインの黄金』  
ジェームズ・モリス(ヴォータン)、リチャード・ポール・フィンク(アルベリヒ)、
キム・ベグレー(ローゲ)、ルネ・パペ(ファーゾルト)、
ジョン・トムリンソン(ファフナー)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、ジル・グローヴ(エールダ)ウェンディ・ブリン・ハーマー(フライア)
『ワルキューレ』
プラシド・ドミンゴ(ジークムント)、アドリエンヌ・ピエチョンカ(ジークリンデ)、
ルネ・パペ(フンディング)、ジェームズ・モリス(ヴォータン)、
イヴォンヌ・ネフ(フリッカ)、リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)
『ジークフリート』
ジョン・フレドリック・ウェスト(ジークフリート)、ゲルハルト・シーゲル(ミーメ)、
ジェームズ・モリス(さすらい人)、ジル・グローヴ(エールダ)、
リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)
『神々の黄昏』
ジョン・フレドリック・ウェスト(ジークフリート)、リサ・ガスティーン(ブリュンヒルデ)
アイアイン・ペーターソン(グンター)、ジョン・トムリンソン(ハーゲン)、
マーガレット・ジェイン・ウレイ(グートルーネ)、イヴォンヌ・ネフ(ヴァルトラウテ)

この微妙、かつ絶妙なキャストの違い、おわかりいただけますでしょうか?
一つのサイクルしか観に行けないプロレタリアートな私にとって、
どのサイクルを観に行くかは、多分、今シーズンの鑑賞スケジュールを調整するにあたって、
最も頭を悩ませた難題の一つで、結局、
① クリスティーン・ブリューワーをすごく生で聴いてみたかったこと
② モリスのヴォータンを聴き納めておきたいこと
③ 4つのどの日も、仕事のせいで遅刻したり、観に行けない、なんていう悲惨な事態は避けたい
という三つの理由から、結局、土曜日のマチネの公演を寄せ集めたサイクル1を選ぶことにしました。

昨年、今年と続いた『トリスタンとイゾルデ』の交代劇のような恐ろしいことにならなければいいけれども、、
と思っていた矢先の、3月初旬。
背中を痛めて降板することになったブリュンヒルデ役のリサ・ガスティーンに変わり、
リンダ・ワトソンがキャストに加わることとなり、
もともと同役を歌う予定だったブリューワーと、日程により役を分け合うことになりました。
私はもともとブリューワーが出演するサイクルなので、自分には関係ないわあ、なんて余裕をかましていたら、
とんでもない事態が発生してしまいました!!
昨日のメトからの発表によると、なんとブリューワーが膝の怪我のため降板。
が~~~~~ん、、、
ブリューワーに代わってブリュンヒルデ役を歌うのは、『ワルキューレ』と『ジークフリート』が
イレーヌ・テオリン、『神々の黄昏』がカタリーナ・ダライマンという、
サイクルを通しての役の一貫性という意味でも、
また、今シーズンの『トリスタンとイゾルデ』のダライマンの歌はそこそこ器用だけれど、
心の底から興奮させられるようなものではなかったので、その意味でも、
あまりにもショッキングなキャスト・チェンジで、
明日には序夜ならぬ序昼の『ラインの黄金』が始まるというのに、寝込んでしまいそうです。
ブリューワー、痛めたのが喉でなく、膝なら歌えるじゃん!と、鬼のようなことを考えてしまう私です。
車椅子に乗ってでもいいから、彼女の歌で聴きたかった、、。

メトに来ない歌手については疎いというひどい私ですので、テオリンって誰?という感じなんですが、
彼女のマネージメントのサイトによると、2008年にはバイロイトでイゾルデ役を歌っており、
今年のワシントン・ナショナル・オペラの5月の『ジークフリート』でアメリカ・デビューを果たすことになっていたようですが、
この代役登板のせいで、一足先にメトがアメリカ・デビューの地になりそうです。
(もともとはワシントンのリング・サイクルの『ジークフリート』と
『神々の黄昏』に出演予定だったようですが、この不況により、
ワシントンのリング・サイクルは延期になってしまいました。『ジークフリート』は単独で上演するようです。)
また、2010年には東京で『ジークフリート』と『神々の黄昏』のブリュンヒルデ、
そして、イゾルデ役も歌う、となっており、
どこの劇場と歌うのかはそこには明記されていませんが、
リング二作品については、新国立劇場の公演のようです。

② 『愛の妙薬』のキャスト変更

今シーズン、『ルチア』の公演で、Bキャスト初日に公演の途中で歌が立ち止まってしまい、
続く二日目の公演を最後に、途中棄権を余儀なくされたヴィラゾン。
ネモリーノにキャスティングされている、3/31に初日を迎える『愛の妙薬』の公演が心配されていましたが、
その心配が現実のものとなってしまいました。
とりあえず、最初の二回の公演は、ヴィラゾンの降板がオフィシャルとなり、
代わりに歌うテノールは、マッシモ・ジョルダーノです。あの、『ラ・ボエーム』の、、、。
言葉もありません。
私は実はヴィラゾンに関しては、ルチアなんかより、この『愛の妙薬』の方を
ものすごく楽しみにしていて、二日目のチケットを持っているんですが、、。
なんだってジョルダーノのネモリーノなんか聴かなけりゃならん事態になってしまったのでしょう?
最終日はカレイヤがネモリーノを歌うのですが、ジョルダーノを聴くくらいなら、カレイヤで聴きたかった。
残念なことですが、ヴィラゾンは全公演キャンセルになってしまうのではないかという予感がしています。
ゲオルギューがアディーナ役なので、ヴィラゾン降板の穴の大きさを考えると、
いくつかの公演にアラーニャが突入してきても不思議ではないかもしれません。
ジョルダーノにアラーニャ、、、
カレイヤの公演日のチケットを押さえておいた方がいいかも、という気がしてきました。