Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

KIROV BALLET (Sun, Apr 6, 2008)

2008-04-06 | バレエ
4/3のプティパ・プログラムには大満足だった私ですが、家に持ち帰った
プレイビルにはさまった紙片をよくよく読んでみるに、驚愕の事実が発覚。
私は、悲しみにくれています。いや、それどころか、憤死してしまうかもしれません。

そもそも、このキーロフ・バレエを見たかった理由は、通常NYで見れないものを見れるから。
すなわち、
1)世界一とも言われるコール・ドを堪能する
2)ABTでは踊らないダンサーのバレエを堪能する
というのが二つの大きな目的です。

2でも一際楽しみにしていたのは、ロパートキナとコールプの二人。
特にイーゴリ・コールプに関しては、私のバレエの師匠のアイドルであり、
来日しては素晴らしい舞台の数々を披露しているという噂を聞くにつけ、期待は高まるばかり。
もともと、4/6の『シェエラザード』の金の奴隷はそのコールプが踊る予定になっていて、
遂にその勇姿を拝めると心をときめかせていたというのに、紙片には無情な一文が。

SCHEHERAZADE On April 6 at 3pm, The Golden Slave will be danced by Igor Zelensky.

ちょっと!!!! それ、どうゆうことーーーーーっ??!!!
ゼレンスキーって誰よ?コールプはどうしたっ!?

4日に金の奴隷を踊るはずだったコルスンツェーフがコールプに変わり、
繰り上がりで、6日に踊るはずだったコールプが、このゼレンスキーという人に変更。
コルスンツェーフ、あんたの仕業だな。
しかし、バレエのファンの人って、よくこんな交代劇にも暴動が起きませんね。
オペラヘッズなら、多分、NYシティセンターが軽く倒壊するくらい暴れまくると思います。

しかし、さらによく考えてみれば、4日は『薔薇の精』にもコールプが出演するんじゃ、、。
(これがまた彼の怪しいキャラクターにマッチしているようで、ぜひ見たかった作品なのだ。)
4日に見る人は、超ラッキーじゃないですか!!
しかし、その4日の金曜日はメトの『賭博師』、5日の土曜は同じくメトの『ラ・ボエーム』。
ああ、コールプ様が遠のいていく、、。

今日のプログラムはフォーキン・プログラム。
私のバレエ・あんちょこブックによれば、フォーキンは、”プティパの作品で分離していたマイムと
キャラクター・ダンスとクラシック舞踊を融合させて「語り」の舞踊を復活させた”とあります。
ま、百聞は一見にしかず、で、とりあえず、見るざます。
今日も、先日オペラよりもバレエの方が好きらしいと発覚した(←根に持ってる)連れと一緒。

 『ショピニアーナ』

ショパンのピアノ組曲をオーケストラ用にアレンジした演奏にのせて
踊られるこの『ショピニアーナ』は、目に優しい作品。


(4/4の公演から、アントン・コルサコフとエカテリーナ・オスモルキナ)

ダンサー達が身につけているこの特徴的なひざ下丈の長さの優雅な衣装は、
”ショペンキ chopenki ”と俗に言われるそう。
(冒頭の写真で、コール・ドの方が身につけている白い衣装がそのショペンキ。)
ショペンキ。響きがおもしろくて、連れと何度も連呼してしまいました。
もちろん、ソロのダンサーは皆さん、きちんと端正に踊っておられるのですが、
むしろ、私はそのソロのダンサーが踊っている間に、ずっと舞台の両端に控えつつ、
次々とポーズやフォーメーションを変えていくコール・ドの踊りに惹かれました。
4/3の公演の”影の王国”よりも、一層揃っているように思えるくらいで、
今日のこのショピニアーナのコール・ドは本当に美しい。
なんだか、高級な手描きの陶器のカップやお皿の縁に、丁寧に描かれた図柄を思わせます。
このように端々まで神経が行き渡った公演とか作品というものは本当に気持ちがよい。
ただし、絵画の中の妖精のように、ちょっと首をかしげるような風にして爪先立ち、
手を口元に持っていくポーズは意外とバランスが難しいのか、なかなか皆さん、
ぴしーっと決まらないようで、苦労していらっしゃいました。


(4/12のマチネより、ヴァスネツォワとコルスンツェーフ)

作品としては、たいへん美しくはあるのですが、
みんな一緒(多少胸のデザインは違ったりするのだが)の衣装=ショぺンキがいけないのか、
優雅な振付に何かが仕込まれているのか、ずっと観ていると催眠効果のようなものがあります。
『ラ・バヤデール』の”影の王国”には人をトリップさせるものがある、といいますが、
このショピニアーナも、なにげなくトリップ系ではないでしょうか?
見かけは優しげでいて、人をトリップさせるとは、恐ろしい演目です。

インターミッションに入っての連れの言葉、
”踊りは綺麗だし、アパタイザーの演目としては最高だったと思うけど、曲がなあ、、。
いや、ショパンのピアノでの原曲の方はすごくエモーショナルな曲なのに、
オケ版になった途端、なんで原曲に比べてこんなに味気のない曲になってしまうんだろう?”に、
どこのどいつだ!そんな編曲をしたのは!!と、プレイビルをあけると、そこには、
オーケストラ用編曲 by グラズノフ&ケラー とあるではないですか!
グラズノフ、またあんたか!!!
『ライモンダ』といい、この『ショピニアーナ』といい、
どうやら、このグラズノフという男はこっそりバレエ界の足をひっぱろうとしていたに違いない、
そういう結論に我々は達しましたです。


 『薔薇の精』

そんなグラズノフの謀略に比べると、こちらは安心。
フォン・ウェーバーの『舞踏への勧誘』をベルリオーズが編曲。
パリ・オペラ座でオペラ『魔弾の射手』が上演されるにあたり、
バレエシーンが挿入されることになり、そのために行われた編曲だそうです。
この作品では、薔薇の精を踊る男性ダンサーが着る薔薇の花びらがちりばめられた、
赤い着ぐるみ系の衣装がポイント。
だいたい、この衣装が似合うか、似合わないかで、すでに、
50メートル走で、3メートルほどスタートの位置がずれているほどの違いがある。
だから、この役は存在そのものが怪しげな(失礼!)コールプのような
ダンサーで観たかったのである。しかし、今日はサラファーノフなのである。
このサラファーノフは、you tubeで、凄い踊りを披露しているのを見せて頂いた事があったので、
楽しみだったのだけど、私のバレエの師匠が、”でこっぱち”というので、
そう言われて顔写真を見てみると、確かにそうなので、あの衣装(しかも、
赤ちゃんがかぶるようなキャップまでかぶるのである、、もちろん薔薇の花びらつきの、、)を
付けたら、どんなことになってしまうのか、、と幕が開くまで気が気でなかったのだが、
実際に舞台に登場してみれば、意外と似合っていて安心した。
しかし、彼は細いです!というよりも、キーロフのダンサーは、
(多分アントン・コルサコフの太ももを除いて)みんな細いので、”筋張って見える”と
形容したほうが妥当なのかもしれません。ただ、この役で、
筋張って見える体と童顔(サラファーノフ、かわいらしい顔をしていらっしゃるのです)は、
ちょっと損かなあ、という気がなきにしもあらず。
you tubeで観たときに比べて、少し踊りのキレを欠いているようにも思えましたが、
それよりも以前に、その容貌と表現の仕方が、あまりに色気がなくて、
なんだか、子供の薔薇の精、という感じでした。
この作品の面白さは、せいぜい十代前半くらいの純真そうな少女が、
性に目覚めつつあるのだけど、いきなり男性とふれあうのは怖いので、
この薔薇の精という中性的な存在を夢に見る、という、
”あら、こんなかわいらしい女の子がこんなこと妄想しちゃって!”と思わせる部分にあるのに、
こんな子供の精がひらひら舞っていた日には、作品の意味が伝わりにくくなってしまう。
やっぱり、コールプで観たかった、、。
なので、写真はコールプで。そうそう、この怪しげな雰囲気が欲しいのです、絶対。



ほとんどの時間を居眠りをこいて過ごすこの少女の役は、しかし、
その夢の中で薔薇の精とたわむれる短い時間と、最後に目を覚まして、
薔薇の精が落としていった薔薇を一輪手にとって、
”あれは夢だったのか、現実だったのか、、”とたたずむ、
このシーンだけで勝負せねばならないので、侮れません。
それに、椅子で寝ている時の様子。これも大事です、とっても。
上のコールプの写真のお相手の方は誰だかわかりませんし、
なんだかちょっと”とう”が立ってますが、
今日の公演で少女を踊ったGoncharは、ちょっとした仕草も少女らしく、
また最後の薔薇を持って立つシーンにそこはかとない叙情性を感じさせて○。
さらには寝ているときの様子がなんともいえず自然で、しかし微妙な緊張感があるのです。
たまたまABTがこの演目を上演したときの写真を見ましたが、少女役を演じるレイエスの、
椅子で寝ているポーズがあまりに弛緩しすぎていてだらしなく、
なんとこのGoncharと違うことか!と驚いた次第です。
こういうさりげないポーズにこそ、キーロフの底力があらわれているような気がしました。

サラファーノフは一人で踊る個所はまあまあなのですが、このGoncharと踊る場面では、
少しもたもたしてしまったのみならず、振りそのものも、
ややおろそかになっていたことを付け加えておきます。



 『瀕死の白鳥』

コールプに見放されはしましたが、彼女は見放さなかった!
ロパートキナ、この方も今回絶対絶対見ておきたかったダンサー。
今、世界最高の白鳥と言われている彼女なので、
昨秋、キーロフのアメリカでの全幕公演ツアーで、
彼女が『白鳥の湖』をボストンなどで踊るらしい、と聞いた時、
まじめにボストン行きを考えた私ですが、すでに隙間さえないほどのいっぱいいっぱいに
オペラのスケジュールが入っていたため、残念ながらあきらめることに。
今回は、白鳥と言っても、『瀕死の白鳥』という短い作品ですが、
これも彼女のシグネチャー・ロール。まばたきは一度もしないくらいの勢いで今日は観るのです。



バレエに関しては、一つ一つの作品の内容についてあまり知らないものが多いのはもちろん、
とにかく観た回数が少ないので(というかこれまで鑑賞回数ゼロの作品がほとんど)、
タイトルからある程度内容の予想はつくものでさえ、自分の体の中に染みこんでいないので、
作品が始まってから、”はて?これは何の話だっけ?”なんてことがよくあります。
この『瀕死の白鳥』も、タイトルにきちんと”瀕死の~”なんて言葉が入っているのにも関わらず、
なぜだかわからないのですが、作品が始まるとそんなことはすっとんでしまいました。
でも、それはそれでよかったかもしれません。
おかげで彼女の動きが何を表現しようとしているかを先入観なく感じられたので、、。

まず、最初にどうしてこんなにこの白鳥は苦しそうなのだろう?と思いました。
そして、羽もぼろぼろになった白鳥が目に浮かびました。
しかし、彼女の表現している苦しみは、悶絶するような苦しみではなくて、
静かな苦しみで、どこかあきらめに似たものも混じっているような。
ロパートキナが細かく刻むステップは、物理的な目で見るとしっかりしてるのに、
心の目でみるとまるでよろよろとおぼつかない足取りのようにも見え、、。
どうして、このきちんと踏んでいるステップが、こんな風に見えるのか不思議。
でも、一番見ていて悲しくなるのは、今一度、白鳥が空に飛び立とうと、
全身の力をつかって羽ばたこうと試みるところ。
でも、その次の瞬間には、”ああ、やっぱり駄目だ”という、最初と同じあきらめが支配して、
やがてそのあきらめに身を任せるようにして、体を折り畳み、死を受け入れていく、、。
この短い時間でどうしてこんなに濃密な描写が出来るのか。
私は、彼女の演じるこの白鳥、もっと美しい感じなのかな、と予想していたのですが、
あんなに真っ白な衣装を身に着けているのに、最初から、彼女の表現に、
泥で羽毛が汚れた白鳥が目に浮かび、見ているのが辛くてたまりませんでした。
動物の、そして人の死を、綺麗事の次のレベルで表現している人。
ロパートキナは、やっぱりすごい人でした。


 『シェエラザード』

『瀕死の白鳥』で、”うーん、素晴らしいものを観た!”とまったりする我々。
この『シェエラザード』で、ヴィシニョーワはどんな踊りを見せてくれるのか?
この記事のしょっぱなに、”ゼレンスキーって誰よ?”と大変失礼なことをのたまった私ですが、
そのキャスト変更発覚後、すぐにmyバレエの師匠に身元確認をお願いしたところ、
ゼレンスキーはゴリラのようであるということを聞かされる。
師匠からして失礼なのだから、弟子が失礼でも何の不思議もないのである。
しかし、それと同時に、彼はキーロフを支えてきた男性ダンサーであること、
やや、最近少し技にキレがなくなってきているらしい、ということも教えて頂く。なるほど。

さて、今日は指揮者が見えにくい席なのだけれど、
この『シェエラザード』を振りに出てきた指揮者の後頭部に見覚えが、、。
なんか、ゲルギエフちっくじゃないですか??
いやいや、4/3のレポでは、彼の目が会場中に光っているような、、なんて書きましたが、
まさか、ね、、。今はメトの『賭博師』の本番で忙しいし、バレエまでは指揮できないだろう、、。
だが、彼が指揮台に立ってしまった今、顔はおろか、後頭部のそれも先っちょしか見えない、、。
しかし。音が出てきて、ややっ!!!こ、これはまじでゲルギエフでは??
出だしがマシンガン(だだだだだ、、)のように各楽器バラバラに出てきていたり、
木管のアンサンブルの微妙な合わなさぶりに、若干迷わされますが、
でも音に独特の力強さがある。とてもゲルギエフっぽい、、。
まじですか?!
コンサート&オペラ仕様のメンバーとは違うとは言え、キーロフのオケであることには変わりなく、
それも、こんなNYシティセンターみたいな見世物小屋で聴けるなんて、
本当だったらすごい贅沢です!!
ちなみに、この『シェエラザード』、曲はリムスキー・コルサコフによるもの。

さて、ゼレンスキー。
私はものすごいゴリさんを想像していたので、舞台に登場してきた彼を見て驚く。
あれ?かっこいいじゃないですか。
特にこの人は体のつくりのバランスがいい。
引き締まってはいるけれど、決してぎすぎすしていなくて、見ていて心地よい体型。
特に、この黄金の奴隷役のような色男は絶対にぎすぎすしていたり、でぶっていてはいけない。
体型が第一印象になってしまうのである。その点、ゴリさん合格。
しょっぱなに出たジャンプも非常に大きく、観客から、おお!と歓声が。
しかし、段々、舞台の手前に彼が近づいてくるにしたがって、師匠の言葉に納得。
確かに、そばでみると、ゴリさんだ、、。
また、時間がたつにつれて、段々疲れが出るのか、最初のジャンプを頂点に、
あとはひたすら技のキレは下降線を描いていきます。
結局、最後には、”うーん、まあまあだったのかな”という印象になってしまいました。
あの最初のような技が持続すれば全然違う印象になるんでしょうが、、。



ヴィシニョーワ。
私見ですが、もしかすると、この役はあんまり彼女に向いていないのかもしれません。
テクニックの素晴らしさは彼女の場合、言わずもがななのですが、
このゾベイダ役、ものすごいエロティックな女性のはず、、なんですが、
なんだかそれを感じないのです。
色っぽさとかエロティックさとは、”隙”から出るものじゃないか、と個人的には思うのですが、
彼女のほとんど完璧主義ともいえるテクニックと気迫で完全武装した踊りに、
この隙&エロのコンセプトは、相性が合わないからでしょうか?
ものすごく技術としては完成度の高いものを見せてもらったとは思うのですが、
物語になんだか最後まで入りきれませんでした。
『ロミオとジュリエット』なんかの時は、涙が出るほど彼女の踊りに感情移入できたし、
3日の『ラ・バヤデール』でもそうだったので、彼女が感情表現にたけていない、というよりは、
単に役との相性の問題なのかな、という風に思います。

プログラム全体の出来としては、私は4/3のプティパ・プログラムの方が楽しめました。
一つには、このフォーキンの振付は、私には、少し躁的過ぎるように思えるというか、
あらゆる場所を色で塗りつぶさないと気がすまない、というのに近い、
ちょっと強迫観念に近いものを感じました。
今日のプログラムでは、唯一、『瀕死の~』がそれを感じさせず、
心理的にマージンを残してある振付で、私なんかはこれくらいの方が心地よくみれます。

特にこの最後の『シェエラザード』は、そこまで振付でがちがちに埋められると、
息苦しいー!という箇所があり、あまりに色々なものを一気に与えられる場合に起こる常で、
これ以上続いたら飽きる、という一歩手前でした。

最後にヴィシニョーワが見せた笑顔が、
ゾベイダ役の時とは全く違う可愛らしい表情だったのが印象的。
そして、そのヴィシニョーワに手を引かれ、現われたのは、ゲルギエフ!
やはり、『シェエラザード』を指揮していたのは彼でした。
コールプにはお目にかかれなかったけど、代わりに、ゲルギエフ、、。
だまされたような複雑な気分。
でも、こんな場所で、ゲルギエフ指揮のロシア・バレエものの生演奏を聞けるなんて
大変に幸運なことでした。オケは先に述べたような乱れはありましたが、
金管がパワフルで力が安定していて、バレエの公演のための演奏としては一級品。
つくづく、贅沢なものをこのキーロフの公演は提供してくれているな、と感謝の念でいっぱい。

しかし、オペラやクラシックのファンの間でなら湧いたであろうゲルギエフの登場にも、
わりと観客全員大人しいもの。
バレトマンはお上品だからなのか、あまりゲルギエフに興味がないのか、いずれかは不明。
そのあたりの空気を察してか、ゲルギエフが一歩下がって、
ひたすらヴィシニョーワを讃えていたのが、ちょっぴりかわいらしかったです。
って、だからといって、コールプを見れなかったのを帳消しにはしなくってよ!


Kirov Ballet & Orchestra All Fokine Program

CHOPINIANA
Daria Vasnetsova, Mazurka Op. 67, No. 3
Daria Vasnetsova replacing Yulia Bolshakova, Valse Op. 64, No. 2
Yulia Bolshakova, Prelude Op. 27, No. 7
Nadezhda Gonchar, Valse Op. 70, No. 1
Yevgeny Ivanchenko (Young Man)
Corps de Ballet

LE SPECTRE DE LA ROSE
Nadezha Gonchar replacing Irina Golub
Leonid Sarafanov

THE DYING SWAN
Uliana Lopatkina

SCHEHERAZADE
Diana Vishneva (Zobeide)
Igor Zelensky replacing Igor Kolb (The Golden Slave)
Vladimir Ponomarev (Shah Shahryar)
Andrey Yakovlev (Shah Zeman)
Igor Petrov (The Chief Eunuch)
Ksenia Dubrovina, Ryu Ji Yeon, Maria Lebedeva (Odalisk Girls)

Kirov Ballet with the Orchestra of the Mariinsky Theatre
Conductor: Mikhail Sinkevich, Valery Gergiev

Orch G Odd (Left)
New York City Center

***キーロフ・バレエ Kirov Ballet***