Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

KIROV BALLET (Thurs, Apr 3, 2008)

2008-04-03 | バレエ
ABTの秋シーズンの公演(例えばあれとかこれ)で、
はじめて足を踏み入れたニューヨーク・シティ・センターのあまりのせせこましさに、
まるで見世物小屋のようだわ、、と思った記憶も新しいのですが、
(特に二階席からの眺めは、オケピットの上にかぶさらんかのような錯覚すら覚える。)
天下のキーロフ・バレエ(サンクト・ペテルブルクにあるマリインスキー劇場のバレエ団)が
NY公演の場所としてその見世物小屋を選んだと知って私は超びっくりしました。

NYよ、世界で最もすぐれたバレエ・ダンサーたちをこんなところに呼んだりして、
はずかしくないのか!!??
私は恥ずかしい。

しかも、コンテンポラリーものオンリーだったそのABTの秋シーズンとは違って、
今回のキーロフ・バレエの公演は、ガラ形式とはいえ、一応全幕ものの各幕を舞台に持ってくるわけで、
ABTだって、春シーズンの全幕公演は、メトのオペラハウスで上演するというのに、
今回、セットやコール・ドの人たちが本当に全部舞台に乗りきるのか、
私が上演するわけでもないのに心配になった次第です。
メトはオペラのシーズン中なので使用不可としても、もうちょっとマシな場所がありそうなもんです。
去年の夏、リンカーン・センター・フェスティバルで京劇を上演したローズ・シアターなんかどうなんでしょう?

今日は、連れとその見世物小屋へ。
しかし、開演前、軽く食べ物をつまみながらおしゃべりをしていると、
彼がこのような聞き捨てならぬ言葉を発したのであります。
”ボク、オペラとバレエならどちらかというとバレエの方が好きかも、、。”
ちょっと!このオペラヘッドの前でそんな暴言吐いて、生きてこの見世物小屋から出られると思う??

いえいえ、オペラ、バレエ、いずれも甲乙のつけがたい素晴らしい芸術フォーマットです。

そんな見世物小屋なので、音楽は録音したものかと思いきや、”マリインスキー劇場オーケストラ”が担当。
マリインスキー劇場(=キーロフ・オペラ&バレエ)は、呼称やシステムが非常にまぎらわしいのですが、
キーロフ・オケと同義かと思われ、先日のカーネギー・ホール・コンサートのメンバーと比べてみると、
コンサートの時のメンバーと重複しているのは、各セクションせいぜい一名で、
また首席を担当した人は今日のメンバーには入っておらず、編成自体もコンサートの時より小さめ。
ということで、一応同じオケのようではあるけれども、バレエ仕様のメンバーになっているようで、
このあたり、どのようなシステムになっているのか非常に興味があります。
よく考えれば、メトではしばらくゲルギエフが指揮の『賭博者』を上演中、
今日は別の演目の日なので、このバレエ公演、ゲルギエフが指揮してくれないかなー、なんて
思ったのですが、さすがにそれはなく、シンケヴィッチという指揮者でした。

しかし、同じNYに滞在しているはずの総監督ゲルギエフ、
あのギョロ目がじっと監視しているかのような空気がこの見世物小屋には流れているのでした。
つくづく、濃いキャラクターだと思います。
今、ジョン・アードインが書いた、"Valery Gergiev and the Kirov - A Story of Survival"という、
いかにしてマリインスキー劇場が今の隆盛を見るようになったかということを述べた
興味深い書物を読んでいるのですが、とにかくゲルギエフの精力的なこと!
まあ、それもあの濃いキャラクターあってこそのことなのでしょう。

今回のキーロフ・バレエのNY公演は、全部で6つのプログラムをひっさげており、
カバーされた作品はなんと19!
このプログラム全てを鑑賞すると、バレエ史の教科書を一通り読むような感じに近いのではないでしょうか。
今日の公演は、オール・プティパ・プログラム。
プティパは、19世紀の後半このマリインスキー劇場で活躍したバレエ史上最も重要な振付家の一人で、
現在、バレエの古典名作といわれているもののほとんどを手がけた人です。

 『ライモンダ』より第三幕

下のキャスティング表の通り、今回、私のバレエ・メンターかつ友人のブログでも名前をよく耳にし、
観るのを楽しみにしていたイリーナ・ゴールプの出演が、
理由は不明ですが、少なくとも4/6の公演までは全てキャンセルになってしまい、
そのために若干キャスティングがシャッフルされました。

ライモンダを踊ったのはテリョーシキナ、ジャン・ド・ブリエンヌはコルスンツェーフ。
この幕は二人の結婚式の場面ということで、客人によってチャルダーシュやマズルカが踊られ、
民族舞踊的な要素が濃い。
男性の内股ハの字から、ぱしっとかかとを上げて立つ動きが印象的で、
書いている今もあのポーズが頭から離れません。
こんな動きがさまになるのはやっぱりロシアのダンサーしかいないなあ、と思ってしまいます。
これ、日本人とかがやったら絶対似合わないし、鳥肌が立つと思うもの。
(日本人男性バレエダンサーの方、暴言をすみません。バレエに関しては、知らないことをいいことに、
いいたい放題!でも、オペラだって違った理由でどうせいいたい放題なんだから、これでよいのです。)
いや、それを言ったら、ラテン出身のダンサーだって、鳥肌は立たないと思うけど、何だか似合わなさそう。
なのに、ロシアの男性がこれをやるとかわいいんだなあ。

テリョーシキナは、まわりの方の反応を見るに、人気のダンサーのようなのですが、
確かに技術は周りのダンサーからも群を抜いてしっかりしているように感じました。
たとえば、男性に持ち上げられたまま、両足の膝をまげ、
若干上下にずらして、空中で座っているかのように見せるポーズがあるのですが、
(最後のポーズもこれだったと思います。)
他の女性ダンサーたちは、下に位置している足が、筋力が不足しているのか、
軒並みつま先が下がりがちだったのに対し、彼女だけは、両方のふくらはぎがぴたーっと
ほとんど平行に横に維持されているのがすごい!と思いました。
不足している、といったって、みんなものすごい筋力でしょうから、
逆にこのポーズがいかに大変か、ということなのでしょうが、
それを綺麗に決めたテリョーシキナの足の筋肉って一体、、?と人体解剖したくなります。

ただ、彼女は、後の演目で踊る二人のメインの女性ダンサーに比べると、
やや花がない、というか、オフィスで黙々ときちんと仕事をこなす地味な女性をイメージしました。
でも、悪いことではないのかもしれませんね。
カンパニーには色んなタイプのダンサーがいていいのであって、
彼女なんかは、仕事を任せておくと安心できる貴重なタイプなのは間違いなさそうです。

コルスンツェーフ、どこかで見た顔だと思ったら、去年DVD化されたキーロフの『白鳥の湖』で、
ロパートキナを相手にジークフリート王子を踊っていた人でした。
これは、コルスンツェーフのみならず、男性のダンサー全般に言えたことなのですが、
とにかくこの見世物小屋は舞台も小さいうえに、今回の公演のために、フルではないのでしょうが、
ちょっとした舞台セットも置いてくれているため、とにかく、踊る場所がない。
跳躍や舞台上を動くのに、思い切り動けなくて窮屈そうにしているような印象を持ちました。
もちろん、空間の感覚がある方たちなので、セットや人にぶつかったりということはないのですが、
大きい舞台なら、もっと思い切った技を見せてくれたのではないかと思うと、それが残念。
ちょっと思い切ったことをしたなら、そのままオケピットにまっさかさまに落ちてしまいそうな
こんなへぽい小屋は、彼らにはかわいそすぎます。
しかし、そんな中でも、空中にいる間に足を軽く打ちつけるような動作では、このコルスンツェーフ、
その足が数秒ロックしたような錯覚を覚えるような、滞空時間を披露してくれたのでした。

この演目は、結婚式という設定もあってか、どの役の人も衣装が美しく
(というか、マリインスキー劇場の衣装は本当にセンスがよくて、美しい!)
踊りも楽しくはあるのですが、私としては今ひとつ乗り切れなかった。

その大きな理由の一つは音楽。あまりにつまらなくないですか、この音楽!?
なんだか踊る拍子をつけるためだけについてる音楽みたい、、。
幕の後、連れは”味のついていないオートミール”、
私は”誰かが噛んで捨てた後のガムを拾って食べた感じ”と、
さんざん悪態をついた後で、”誰が作曲したのか?”とプレイビルを開けると、
作曲 by グラズノフの文字が。
連れは、”グラズノフ?他では結構良い曲も書いているのに何でこんな、、”と驚いていました。
ちなみに私は初めて名前を聞いたので、”ふーん”ってなもんです。失礼な女。


 『パキータ』よりグラン・パ

と、そんな『ライモンダ』の味のない音楽に比べると、
以前はチャイコフスキーのバレエ音楽と比してなんと無味乾燥な!と思っていた
ミンクスのこの『パキータ』の音楽が良く聞こえてくるから不思議。
このシーンは私、気に入りました。見所満載だし、古典といわれるにふさわしい、
しっとりとした美しさが漂ってます。


(この写真は初日の公演の『パキータ』で、ヴィシニョーワとファジェーエフ)

この方も良く名前を聞く、アリーナ・ソーモワとアントン・コールサコフ。
コールサコフは、、、バレエでこんなにぽちゃっとした体型の男性ダンサー、初めて見ました。
髪の後ろを短く一つに束ねていて、子豚ちゃんみたい、、。
三つ編をした女の子の子豚(ミス・ピギーのイメージか?)ってキャラクターなんかでありますが、
その男の子版のよう。

しかし、言っておきますが、これは悪口でないのです。
単に”豚”ではなく、”子豚ちゃん”と親しみをこめて言っていることからもおわかりのように、
非常にかわいらしい人なのです。
身体能力があるので、今はなんとかぎりぎりの線でもってますが、
私の基準から言うと、もうこれ以上太ったら、どんなに身体能力があっても、
動きに重さを感じさせてしまうぎりぎりのところまで来ているので、
いくらかわいいとは言っても、これ以上は太らないことを望みます。
もしかすると足なんかの太さではこれ位のダンサーは結構いるのかもしれないですが、
このアン豚くん、いえ、失礼、アントン君の場合は、つく肉の性質が、
筋肉というよりも、脂肪っぽいルックスをしているような気がします。
実際には筋肉なのかもしれませんが、脂肪のように見えやすい。
(たとえばABTのコルネホなんかもごっつい足をしてますが、彼の場合は、
見た目も全てが筋肉という感じがします。)

ソーモワ。
この人は人気もあるけど、嫌いな人も多いようで、大いに評価が分かれているような印象を
今日の観客からだけでも持ちました。
私の斜め前に座っていた超バレトマン(オペラで言うオペラヘッドにあたる)と思しき男性は、
彼女が踊るたびに、oh no!! そうじゃないんだってば!!というように首を振っていました。

彼女はキーロフに次期スターとしての扱いをされているせいもあってか、
たたずまいにカリスマティックな部分があるのはいいのですが、
私には、彼女の踊り、大変根本的な問題があるように感じました。
まず、顎を上に向ける癖。ポーズを決めているときにもややそれは感じますが、
特に回転しているときに、それは耐えられないほどに気になります。
それから、首が少しエジプトの踊りのように肩の中心から軸がずれるのも気になりました。
私たちは今回、ほとんど彼女が踊っている場所の真正面に座っていたのですが、
最後に何回転もまわっているうちに、だんだん首が横にずれてきて、
それが結果として体の中心の軸をもぶれさせることになり、舞台の上手上手に
立ち位置が流れていってしまいました。
こういう微妙な癖を一旦とって、もう一度くせのない踊りに直していくには、
白紙の状態のダンサーよりもさらに時間がかかる作業と思われ、
この方に未来のキーロフを託すのはどうなんだろう?と、とーしろの私ですら思わされました。

で、そんな彼女の踊りの後で、テリョーシキナの踊りを見ると、
やっぱり地味なんだけど上手なんだな、と実感します。


(初日の公演からヴィシニョーワ)

しかし。この『パキータ』で湧いたのは、ソーモワでもテリョーシキナでもなく、この人。
エカテリーナ・コンダウローワ (でいいんだろうか?英語の綴りではEkaterina Kondaurova)。



目も覚めるような青いチュチュであらわれ、その長身と美しいルックスを生かした踊りに
観客はみなほれぼれ。
私がインターミッションで購入した有料のプログラムはなんと2006年の米国公演の際の売れ残りで、
招聘元のアルダーニ・アーティスツ、やりやがったな!と思わされましたが、
しかし、彼女、そのプログラムには顔写真も載っていないノー・マークぶりなので、
最近一気に実力をつけた人なんでしょうか?

テクニックの堅固さでは、テリョーシキナに譲るのかもしれませんが、
このコンダウローワは、動きにスケールの大きさを感じさせるのがいい。
しかも、本当に背が高くて、下手をするとその長い手足がばたばたして見苦しくなるリスクもあるのですが、
アーティスティックなセンスもしっかりしているのか、微塵もそんな印象はなく、
とにかく見惚れてしまいました。
帰り道、どのダンサーが良かったか?という議論を連れとしましたが、彼の断然一押しは彼女でした。


 『ラ・バヤデール』より影の王国

で、私もコンダウローワに一票!としたいところですが、しかしヴィシニョーワの踊るのを見てしまうと、、。
私、まだ日数浅いバレエ鑑賞歴ですが、ヴィシニョーワの踊りが好きなんだと思います。
歌手でもそうですが、自分の心にヒットする人というのはすぐにわかる、
何十人という他のアーティストと比べなくっても、直感というのがあります。
で、彼女は多分そういう自分の心に訴えるタイプの人なんだな、と今日確信を持ちました。

まず、私が彼女の踊りで好きなのは、ものすごい真剣勝負というか、
見る側にも緊張をせまるような必死感があるところ。
もっと情感豊かな踊りになれば、、と感じる人もいるのかもしれませんが、
私はむしろ、その彼女の情感べたべたではなくって、まずテクニックありき!というような、
ストイックな姿勢が好きなのかもしれません。
考えてみれば、オペラでも、ストイック系のデヴィーアなんかの方が、
感情で押してくる歌を聴かせる歌手よりも好きなので、
(マリア・カラスは、私が崇拝している歌手ですが、
そのストイックさの中にドラマティックさも持ち込めた唯一無二の人なので、
あまりの特殊さゆえ、あえてデヴィーアを例にとりました。)
その技術を突き詰めた中に芸術あり、というアプローチが心に訴えてくるのかもしれません。

とにかく、ヴィシニョーワの舞台での動きはあまりに美しくて、
その純粋な動きだけでここまで心をとらえられる人はあまりいないのではないかと思います。
特に前半のソロ・パートは、あまりに動きが美しくて、人間ではないものを見ているような気すらしました。

その後に続くソロル役のイワンチェンコと絡む振付で、緊張の糸がほんの少し緩んだ気もしましたが、
まあ、それは、かみそりに顔を当てているようなソロの場面の緊張感と比べれば、の話です。

イワンチェンコは、私が勝手にイメージしていたソロルよりは、やや動きが鈍重な感じもしましたが、
見た目は素敵。

話が前後しますが、この場面、セットと衣装のシンプルさがものすごく活きています。
セットは黒いバックドロップのみ。
二枚の板を組み合わせた形になっていて、中心からダンサーたちが登場できるよう、
少し前後して舞台上に板が組まれています。
その板と板(壁と壁)の間から、一人、また一人、、と、精霊が出てくる個所は圧巻。
正直言うと、『ライモンダ』では複数のダンサーのアンサンブルが今ひとつで、
この調子だと、この影の王国のシーンはそんなに期待できないのかしら?と一瞬不安になったのですが、
いやいや、それは杞憂というものでした。
もちろん踊っているのは人間なので、何もかもコンピューターで合成するような同時さではないのですが、
少しタイミングがずれたとしても、何かダンサー同士がシンクロしている感じがあって、
むしろそういったコンピューターで合成しても生まれ得ないような、統一感があるのでした。
上手くいえないのですが、統一感というのは物理的な同時さとか動きの相似だけから
生まれるのではなくって、それ以上のファクターがあるんだな、と思わされた場面でした。

ソロの場面が始まる直前の、斜めに出した足がずらっとならんだその角度の美しいこと!
ロシアの人の肌の色って、全員白っぽいと思い込んでいたのですが、
意外と濃い人もいて、タイツ越しでも足の色の違いがわかるのですが、
その、足の色がこんなに色々違うのに、向いている角度がこんなにも同じ!
というのがまたシュールで、一層、角度の揃いっぷりが引き立ちました。

先ほど『パキータ』で大絶賛したコンダウローワは、このバヤデールにも、
ソロの踊りを披露していまして、こちらもなかなかの出来でしたが、
やはりヴィシニョーワの直後に踊ると、こんなに素晴らしいコンダウローワですら、
まだまだ先の道のりは長い!と思わされます。

今年のABTの春公演では、ヴィシニョーワが出演するものは一演目しか見ない予定だったのですが、
彼女はまさにこれからキャリアのプライムに入ろうとしているようなオーラを感じるので、
これは他の演目も見ておかねば!とチケットの買い足しを考えているところです。

ああ、こんな出演者で、この『ラ・バヤデール』の全幕を観てみたい、、、。

オケは、ゲルギエフが振るコンサート&オペラ仕様のオケに比べると、
少し迫力には欠けるかもしれませんが、サウンドのスタイルはやはりまぎれもないキーロフのもの。
演奏の技術も安定していて、どこぞのオケ(ええい、実名で!NYCBやABTオケだ!)とはえらい違い。

最後にヴィシニョーワによって舞台に引き上げられた指揮者シンケヴィッチが、
ヴィシニョーワの華麗なお辞儀に答えるように、ぐにゃーっとお辞儀をかましたのにはびっくり。
しかもそれが、冗談でしている風ではなく、本気な風なのに二度びっくり。
おっさんがバレリーナ仕様のお辞儀とは、おそるべし、キーロフ・バレエ!!
やっぱりバレエの本場は違う!

(冒頭の写真は、初日の公演より、ソーモワとサラファーノフによる『バヤデール』)


Kirov Ballet & Orchestra All Petipa Program

RAYMONDA / Act 3
Victoria Tereshkina (Raymonda)
Danila Korsuntsev (Jean de Brienne)
Vladimir Ponomarev (Rene de Brienne)
Mazurka: Ksenia Dubrovina, Konstantin Zverev
Hungarian Dance: Alisa Sokolova, Andrey Yakovlev
Variation: Nadezhda Gonchar replacing Irina Golub
Grand Pas: Yana Selina, Valeria Martynyuk, Maria Shirinkina, Svetlana Ivanova, Olga Androsova,
Yulia Bolshakova, Daria Vasnetsova, Ekaterina Kondaurova, Vasily Shcherbakov, Alexey Nedviga,
Anton Pimonov, Grigory Popov, Maxim Zyuzin, Denis Firsov, Andrey Ermakov, Sergei Popov

PAQUITA / Grand Pas
Alina Somova, Anton Korsakov
Ekaterina Kondaurova, Valeria Martynyuk replacing Irina Golub,
Ekaterina Osmolkina replacing Nadezhda Gonchar, Victoria Tereshkina

LA BAYADERE / The Kingdom of Shadows
Diana Vishneva (Nikiya)
Yevgeny Ivanchenko (Solor)
Shades: Olesia Novikova replacing Ekaterina Osmolkina, Nadezhda Gonchar, Ekaterina Kondaurova
Corps de Ballet

Kirov Ballet with the Orchestra of the Mariinsky Theatre
Conductor: Mikhail Sinkevich

Orch L Center
New York City Center

***キーロフ・バレエ Kirov Ballet***