まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

気の重い電話。

2005-04-20 06:33:20 | 学業
4月19日(火)。

朝、ウガンダに同行する担当教官のエリックと話し合いました。
彼もウガンダの眠り病の研究で博士号をとっていたので、研究地がウガンダからケニアに変わったことにショックを受けていました。
エリックは、チャールズには悪くて電話できない、ウガンダで会ってから話そう、とメールに書いていたのですが、僕は結果が変わらないならば、出来るだけ早く彼に伝えた方がいいと考えていたので、その旨を話し合ったのです。

理由は、今話しておけば、我々が会うまでに彼の中で気持ちの整理が出来て、より実りある仕事になるし、仲間内では情報は出来るだけ共有すべきだと考えているからです。
エリックも承知し、僕はウガンダに電話をかけました。

「え!あー、そう。在りがちだなー。よく話が急に変わるんだよ。」
チャールズは、自分も似たような経験をしたらしく不満をもらしていましたが、最後にはショックだったけど前もって言ってくれたほうが良かった、ありがとう、と言ってくれました。

ここずっと気になっていたので、ようやく肩の荷が下りた感じです。
しかし、話が変わって迷惑はするけれど、僕には教授がそれ以上のものを持っているように感じるのです。戦国武将が機転を利かせて生き抜いていくように、彼らは我々グループ全体を率いて途上国が必要としている研究を展開しているのだなあ、と。

「まあ、楽しみに待ってるよ。」
と言うチャールズの携帯電話の向こうで、びーん、と50ccバイクのような音が通り過ぎていきました。ああ、あとすぐで、久しぶりにこの音のある世界に戻るんだなあと、埃まみれのネパールの情景を思い出していました。