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まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

国際食品衛生リスク評価研修終了!

2012-09-16 02:22:10 | Weblog
2012年9月13日(さかのぼってます)

無事、9月3日から12日にかけて、2週間の国際研修が終了しました。
一人で30モジュール教えるのには、非常に体力を消耗しましたが、とにかく成し遂げました!!

最終日には、参加者がリスクモデルを構築していきました。習得のスピードにはもちろん差がありますが、自分たちである程度出来るようになるのを目の当たりにして、驚きと達成感を味わいました。

初めてにしては、上手く行ったと思います。日本の私立大学でも出来るのだということを証明しました。何より、参加者が国籍を超えて教えあい、支えあう関係が作れていたことに感動しました。

いつか夢見た風景が、普通に目の前にありました。

みな、仲良くなりましたが、13日に無事日本を発ちました。どうも有難う。研修を受けた子達は、引き続き各国にて指導を続けます。。。ちゃんと頑張れよ。。。

原点に戻って

2012-04-15 05:25:14 | Weblog
2012年4月15日(日)

月曜日に札幌から石巻、火曜日は石巻で軽いフィールドと会議の後に、仙台から成田、ドバイ、ナイロビと旅を続け、ILRI(国際家畜研究所)での会議に参加して来ました。
今は帰りのドバイからです。

いろんな方面の仕事で頑張っていてもちょっと行き詰まり気味だったこともありましたが、久しぶりのケニヤでの会議だったので、なんだか自分を見直す良い機会になりました。

日本では、途上国支援のパートナーがまだ出来ていなくて、お金もなかなか取れないので今のところ正直辛いですが、ケニヤに戻ってみると、ほとんどの仲間が世界の貧困削減や人と家畜の死亡率の低下を志して来ており、自分もマジョリティーの一員なのですごくほっとします。

これまで携わってきたドイツ政府BMZによる支援のSafe food fair foodというプロジェクトが大成功の裡に終わり、3分の1の確率と言われていた同じくBMZの研究費を勝ち取り、新プロジェクト「Safe food fair food2」が始まりました。

私は酪農学園大学にいながらも、ILRIではJoint Appointmentという肩書を持つことが出来、このSFFF2と、ベトナムのILRIプロジェクトに深く携わることになりました。自分で研究費を取れないと一人前ではありませんが、「あなたの経験とスキルが必要だから一緒にやろうよ」とか、「元ボランティアだよね」とか声を掛けてもらえることは、本当に嬉しいです。

自分の疫学の原点は、やはりネパールでの経験にあります。これからも、今は仲間が少なくとも原点を忘れずにやって行こうとつくづく思いました。

ユキカキーも段取り一つ

2012-01-07 21:46:51 | Weblog
2012年1月6日

写真は朝の自宅からの写真。綺麗でしょう。早朝から雪かきに手間取り、午後の仕事中に疲れてウトウトしてしまった。。

雪かきは毎日の作業となるので、疲れるやり方をしていてはダメなんですね。一番疲れないやり方を、朝体を動かす前に出来るだけ練って、やれるところまでやる。なんだか、牧場時代を思い出すなあ。相変わらず疲れるけど、日々学んでます。腹は早速引っ込んだ。

石巻ー 続く僕達の活動

2011-06-30 15:16:14 | Weblog
6月30日(木)。

石巻から戻って、10日以上経ちました。

帰って来たその日は、苫小牧から札幌まで、瓦礫や、置き去りの壊れた車両がないことに違和感を感じました。

ふと、屋根の上に乗っかったままのバスや車を探していました。

建物が傾いていなくて、一階が壊れていないことを、不思議にさえ感じました。

そして、安全なところに自分はいて、昨日までいた被災地には、ごめんなさい、今も自分が知っている方々が残されている。

「カウンターカルチャーショック」

 僕達が、今とは違い、携帯電話も電気もなく過ごしたネパールから帰って来て感じた違和感と、石巻から帰って感じた違和感とは、とても似ているものでした。ネパールの時も、今も変わらないことは、「現地には生活している方々がいる」ということ。
 そして、ネパールで経験したから出来ること、それは「現地には生活している方々がいる」ことを知って活動できること。
 僕達は急いで準備しています。そして、僕達の仲間は今日も石巻の地で、ヘドロかきや、自宅避難者の捜索、ニーズへの対応を行っています。待っていてください。夏に向けての衛生対策で貢献できるよう、準備しています。

通じるかもしれない石巻の被災者の方へ

写真:自宅避難者捜索中の風景


口蹄疫ー臨床獣医師との参加型調査の3日間

2011-05-26 08:57:22 | Weblog
5月26日(木)

今週月曜から昨日まで3日間、昨年宮崎で発生した口蹄疫を経験した臨床獣医師、家畜診療所長の方々と参加型調査と呼ばれるワークショップを実施して来ました。初日のワークショップには、宮崎大学獣医学科の3人の先生にも参加していただきました。

この目的は、現場で長く口蹄疫の対策に携わり、今後も地域の復興、発展を支えていく臨床獣医師の目から見た、口蹄疫の発生、将来の侵入リスクを調査すること、そして、農家さんと獣医さんの精神被害について調べること、それから今後口蹄疫の対策として、どのようなことをやっておかなければならないか、ということについて調べ、全国の畜産関係者に発信することです。

実は地元の臨床獣医師たちは、口蹄疫の終息後、昨年8月にワークショップを実施していたのですが、その際出されたたくさんの意見は、かなりの割合で行政への批判、怒りを含んでおり、前向きな改善を促すことの出来る内容ではありませんでした。それくらい、現場の人たちにとって、またもちろん行政にとっても辛いことであったのです。

今年一月にも実施したのですが、その時は、同じ内容を口にするのでも、怒りよりも、建設的な表現が使われるようになりました。

そして今回、「思い出さないように記憶に蓋をしている」部分をさらに掘り返さなければならなかったのですが、非常に詳細な調査をすることが出来ました。かなり大量の情報ですので、内容別に分けて、出版社等の協力を得て発信しなければならない状況です。やはり実際経験した方々からの意見、忠告は非常に重要であり、是非全国の農家さん、獣医さん達には、日頃の防疫活動に役立てて頂きたいし、行政や研究者の方々にも、今一度考えていただきたい内容がたくさんありました。

初日は、口蹄疫の感染拡大要因と様式、将来の侵入リスクについて、二日目は農家さんと獣医師の精神被害について、三日目は将来の発生への備えについての調査を行いました。

精神被害についてのワークショップが、最も参加者には辛いものとなりました。記憶の蓋を開ける、というのは本当に辛い作業です。調査途中で感情が高ぶり一時中座しなければならない方もいらっしゃり、本発生がもたらした精神的被害の大きさを改めて痛感しました。こちらも、そうなることは予め予想しており、辛い想いをさせるのは分かっていながら敢えて実施しましたので、本当に参加者には申し訳ない気持ちとともに、最後まで参加してくださり、大変感謝しております。自分でも、傾聴し、言葉を掛けなければならない時は、調査者であり進行を止めてはならないので、感情を押し殺すのに必死でした。

これから、膨大な調査内容をまとめて行かなければなりません。世間は震災でそれどころではなくなっているかも知れませんが、だからこそしっかり口蹄疫のことも記録に残し、現場の気持ち、忠告、意見を全国に発信しなければならないという責務をひしひしと感じております。

さて、今日はNOSAIの先生方と、打ち上げ飲み会です!お疲れ様です。

卒業おめでとう

2011-03-24 21:48:18 | Weblog
2011年3月24日(木)。

震災、津波、そして放射能の被害と、信じられないことが現実になりました。

おろおろしながら、自分の背負っている仕事と責任から、恐らく現地では長期的に活動することは出来ないので、何が出来るか考えました。答えは、今いる自分の場所を最大限に機能させて、日本を動かし続けることでした。

現地に入るボランティアの人たちのことを考えると、どうしても青年海外協力隊にいた自分とダブリます。当時ネパールでは、特に僕が住んでいたところでは、マオイストによる熾烈なテロのために、たくさん人が死んで、自分も日常的に起こる路上爆弾やヘリ爆破の巻き添えになる可能性も非常に高かったです。そのためJICA事務所の命令に従わざるを得ずカトマンズに撤退となったまま任期終了を迎えたわけですが、日本に帰国するなり帰国報告で申し上げたのは、一筆書くから、命はくれてやるから、現地での活動を続けさせて欲しかった、ということでした。それくらい本気でした。今回、東京消防庁の勇姿に感動し、そういったことを思い出しましたが、目に見えない放射能の恐怖は比べられないものだったと思います。事故に会われた方々に心よりお見舞い申し上げたいです。

このような書き出しになりましたが、18日、酪農学園大学では、卒業式が執り行われました。一年しかまだおらず、担当学生はまだ卒業していませんが、公衆衛生グループの学生(全員ヤロー(♂))が、僕の部屋に来てくれて、プレゼントをくれました。

忙しさのため、彼らが大学を去ってしまうまで包装を開けなかったのですが、数日前開けて、思わず感動のあまりしばらく動けませんでした。プレゼントは、僕の仕事に使えるものばかりで非常に実用的なものでした。どうして、これが役に立つと分かったのだろうか?何時の間に、何が足りていないか見ていたのだろうか?

日本は、本当に素晴らしい若者でいっぱいです。卒業おめでとう。僕は、子どもの頃、「不死鳥」と書かれたものをよく目にしました。その昔、太平洋戦争があった名残りです。むさ苦しい卒業生からのプレゼントを見て、その言葉を思い出しました。若人よ、何が起きても、私達は、ともに母国を不死鳥のように蘇らせよう。卒業おめでとう。

晩秋の札幌

2010-10-30 11:35:01 | Weblog
10月30日(土)。

「札幌じゃあ10月中に一度は雪が降るよ」と何人もの方々がご忠告してくれましたが、本当に、降るんですね。

さらに面白いことに、札幌では、「雪虫」と呼ばれる白っぽいアブラムシが毎年雪の降る一週間前に大量発生し、そこら中に浮いている(飛んでいる)状態が2日ほど続くのです。今年も本当に発生し、きっちり一週間後に雪が降りました。なんと不思議なことか。

今週降って、そのまま冬に突入かと思いきや、雪も解け、紅葉が綺麗な晩秋に戻りました。

ここしばらくは、ケニヤ、タンザニアでの出張に続き、研究費の申請で追われていたので、全くブログなど書ける状態ではありませんでした。木曜にはしっかり結婚10周年を祝いましたが、ようやくほっと出来たのは昨夜。しっかり昼寝もして、ようやく体力が回復してきました。

エディンバラの先生も、研究費の申請時には相手をしてくれなくなったのを覚えています。今回、身にしみてその大変さが分かりました。ウガンダで研究をさせてくれて、感謝、感謝です。
さて、通るといいなあ。せっかく頑張ったんだから。

30年来の夢叶う

2010-08-07 23:32:33 | Weblog
8月7日(土)。

日本から合流した妻と子供と、マサイマラ国立公園に行ってきました。
やっぱり、マサイマラは、ナイロビ国立公園とは大違い!です。

この3日間は、家族3人それぞれにとって、とても意義深いものでした。

私にとってマサイマラは、子供の頃から憧れていた地でした。協力隊の試験でも、希望任地を聞かれて、とにかくアフリカにしてくださいと頼みました。その時たまたまアフリカでの募集はなく、希望の仕事内容でネパールに決まったのでした。

妻は、突然の病で息子との帰国を余儀なくされ、時間をかけ回復しての旅でした。皆が願っていたケニヤ再訪とマサイマラへの旅行。本人もとっても喜んでおりました。

息子も、幼稚園でマサイマラのことを歌っており、行きたい、動物を見たいと願っていたので、朝の早起きは大変でしたが、3日間毎日満面の笑顔で喜んでおりました。

おっともう行かなくちゃ。相変わらずブログを書く時間もままなりません。月曜から西アフリカに出張です。ではまたー。

久しぶりの東アフリカ2週間

2010-07-22 00:25:20 | Weblog
2010年7月21日(水)。

7月6日にナイロビに着いてから、これまで滞っていたプロジェクトを再稼動するのに、そして実は4月から自分自身の契約がちゃんと片付いていなかったので、1週間目は、雑事に追われました。

雑事に追われている間に2週間目に突入してしまい、7月12日(月)から16日(金)の一週間は、上司と共に、アジスアババ大学獣医学部博士課程の集中講座「リスク分析」をボランティアでこなしました。思い起こせば2006年に初めてフランスでリスク分析を習った時、新しい概念に非常に混乱し、自信をなくしたことがありました。その自分が今は教えている。教え方もまあまあ上手く行ったと思います。継続は力なり。

17日(土)は、エチオピアでのプロジェクトで学んだ学生に最後の個人講義と分析の改善に取り組みました。

夜11時にエチオピアを発って夜中にナイロビに戻り、18日(日)には、午前中は1年半お世話になったケニヤのキューナ教会に、午後は久しぶりにキューナ教会を運営する市橋牧師宅で日本人の聖書の学び会に参加しました。そこで、ルワンダでツチ族、フツ族の和解と平和の活動に従事していらっしゃる佐々木先生ご一家とお会いすることが出来ました。私は、日本での口蹄疫発生で、農家と行政側の溝が残らないように、なんとかルワンダの和解プロセスから学べないかとここ最近よく考えることがあったので、この偶然にとても驚きました。

ルワンダで佐々木先生は、ツチ族、フツ族両者が集い、お互いに辛かった気持ちを皆の前で吐露することでお互いに相手の辛さを理解し、憎しみを越えて許し合う交わりを持っています。また、両者共同で幸せのかご作り、野菜作りなどの作業を行っている他、大虐殺が起こった時、家を破壊した側は、お詫びにグループで相手の家を再建してあげる作業を行っています。詳しくお知りになりたい方は、以下のURLを訪れてみてください。

http://rwanda-wakai.net

7月19日(月)。エチオピアに行く前日の土曜日に、ショッピングセンターで知らない間に車の助手席を壊され、車内を詮索されたようです。エチオピアにいる時に平日は車を共同使用しているフランス人の友人に連絡を受けたので、今週は、泊まっている宿の管理者と確認の話し合いをし、今日は修理の見積りに行ってきました。全くいろんなことが起こります。昨日は寝ていたら近くで発砲事件がありました。

今日は一応、また一つ学生の分析が終わりました(やっていることが高度なので、修士レベルの学生だと一人で分析出来ないのです)。広域研究プロジェクトは面白いですが、教育のことを考えると、質は上がらないと思います。やはり、徒弟制度じゃないけど、学生は研究者の傍にいて、定期的に顔を合わせて指導を受ける距離にいないとだめだと私は思います。

今後は国内、国外を問わず、勤務先の酪農学園大学では、少なくとも一定期間は傍にいて指導する体制を構築し、それを崩さずやって行こうと考えています。

やっと終わった、間に合った。

2010-02-04 06:11:53 | Weblog
2月3日(水)。

ちょっと15分ほど4日に掛かったけど、ようやくまたごっついペーパーが書き上がりました。前回の論文提出から2ヵ月半。エンジンをフル回転にしてから6日間かかった。。。

ベルギーで特訓を受けてからは4ヵ月半。なかなか仕事をこなしながらだと時間がかかりましたが、これは満足度が高い!いや、完成度だろ?乞うご期待です。

こんな生活だからマサイマラ国立公園もモンバサも行けてないんだよね。
そのくせ日曜日からは、7カ国への旅が始まります。その前に終わったので、本当に良かった。これで寝れる。。。