まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

昇級

2006-02-27 18:42:47 | 健康は大切よ。
2月26日(日)。

ご無沙汰してしまってごめんなさい。

23日(木)には、ようやく始めて、空手の昇級審査を受けることが出来ました。
昨年11月の審査は、ウガンダに行っていて受けられなかったため。

結果は見事合格!赤帯になりました。

審査の前に、日本人の先生による指導があるのですが、これが凄かった!
年齢が62歳というその先生は、40代後半くらいにしか見えません。そして、他のどの黒帯の先生方よりもスピード、瞬発力が勝っているのです。力が抜けていて、一つ一つの技が、何か爆発が起きているような迫力。習っているほうも、ちょっとした指導で、どんどん変わっていきました。

何より良かったのは、その後の飲み会。以前の道場から大学空手部に統合されて一ヵ月半。だんだんみんな顔見知りになってきて、声を掛けてくれるようになりました。空手を始めた理由の一つに、ネイティブの友人を多く作り、英語を上達させることもあったので、飲み会は僕にとって、非常に重要な行事なのです。

特に飲んでいるときのラフな会話は、速過ぎて分からないことがよくありますが、こちらも気軽に話しに参加できるし、とてもいいトレーニングになります。
途中から指導者の先生グループに呼ばれ、中に加わりました。もう11時頃だったのでそろそろ帰ろうと思っていたのですが、何を飲むか聞かれました。断りかけたところ、
「You must drink!」
と言われたので、オッスと言って、銘柄を先生に伝えました。こちらでは、3,4人で飲む場合、一人ずつ順番に、全員分のビールを買い、まずは一回りするまで、パイントというジョッキで、皆同じペースで飲みます。一杯飲んだということは、そこには4人いたので、4杯飲むということです。

飲みましたよ。体育会系です。オッスです。帰ったら夜中の1時前でした。

そして26日(日)。練習後、お世話になった先生の一人がアイルランドのダブリンに仕事で行ってしまうので、壮行会がありました。2時間くらいみんなと話せて、さらに会話の自信がつきました。

すっかり腹はへっこんだし、体力も付いて来たし、空手も上達するし、友人も出来たし、英語もさらに上達しそうだし、いいこと尽くめです。家にいる時間は減ったけど、妻も成人病の心配が減ったと納得してくれています。

そんなところで、オッス。今週も頑張ります。

初めてのおもちゃ

2006-02-21 08:42:04 | Weblog
2月19日(日)。

今までは、息子も赤ちゃんに毛が生えたようなものだったので、お下がりの人形で遊ばせたり、画用紙にせがまれる絵を描いてあげたり、一緒に粘土で遊んであげていましたが、とうとうおもちゃを指定して買ってほしいと頼むようになりました。

今はまっているのは、多分日本でもやっていると思うのだけど、ボブ・ザ・ビルダーという、大工さんのシリーズ。先日またまた入院していたときに、その物語の中のブルドーザー、スクープのおもちゃを買ってほしいと言っていたので、郊外のトイザラスまで、バスで買いに行ってきました。

息子は、寒くて外出したくないというので、お父さん一人で行ってきたのですが、プレゼントを買うというのはいいですね。大きい店内でやっとおもちゃを見つけたとき、喜ぶ顔が目に浮かんで、嬉しくなりました。

帰っておもちゃを渡すと、息子は自然に「ありがとう!」と言いました。それからは、ずっと遊んでいました。飽きずに一つのおもちゃで集中して遊べるようになったのです。テレビの中の、彼のヒーローが手元にある喜び。子供番組とおもちゃ製作、製造、販売に携わっている人たちは、こんな子供の表情を見たら、やりがいがあるだろうなー、と想像してしまいました。

最近、徐々に息子が子供部屋で寝るように準備をしているのですが、この日はおもちゃを抱えたまま、初めて一人で寝ることが出来ました。僕も自分自身、おもちゃに抱いていた感情を想い起こすことが出来ますが、いいものですね。彼だけの世界が形成されていくのを見守るのは。

山仲間

2006-02-19 06:41:27 | いろんな人がいるよ。
2月18日(土)。

友人のユリさんの紹介で、今日はあるご夫婦と知り合いました。
旦那さんのSさんはイギリス人、奥様のYさんは日本人。Sさんは13年も日本に住んでいたことがあるので、日本語がペラペラです。お二人は犬を2匹飼っているので、獣医の僕と会ってみたいと、ユリさんに話していたそうです。Sさんの年齢は50過ぎです。最近空手部の二十歳くらいの知り合いも増えてきたけど、年上の知り合いもいいですね。

天馬も、最近は近くの公園に短い時間出かけるくらいだったので、久しぶりの外出ではしゃいでいました。犬たちと会えたのも楽しかったみたい。僕達夫婦にとっても、家族3人では久しぶりの外出でした。

僕にとって今日の一番の収穫は、Sさんも山好きなので、今度一緒に行くことになったこと!Sさんは、300以上あるスコットランドの山のうち、98を登ったそうです。今度僕と行けば、2,3のピークを同時に縦走する計画なので、100を越えることになります。

イギリスに来てから今までは、近くまで行くための車もないし、家族もいるし、と高い山はあきらめていたのです。見せてもらった山のガイドブックに載っていた写真は、まさにスコットランドの山!楽しみだなあ。行って来たら写真を載せますねー。


出発点

2006-02-17 10:19:47 | 学業
2月16日(木)。

今週から2週間ほど、休暇でいなくなった先輩の机を、処々の理由で借りて仕事しています。

その机に向った日に気付いたのだけれど、机の上に、主任指導教官で助教授である、W先生の博士論文が置いてあります。その先輩は自分の論文の参考にしているのです。

古びたその本には、1991年と書いてあります。今から15年前、先生は一体何を研究していたのだろうか?机の上に、所狭しと自分の文献を広げてパソコンで書き物をしていた僕は、顔を上げるたびにその背表紙が目に入って気になっていました。

W先生は、アフリカ眠り病研究の第一人者で、ご主人は僕たちが研究している熱帯獣医学センターの所長です。彼もやはり眠り病研究に長年従事され、眠り病の正式名である、「トリパノソマイアシス」という本を執筆されています。

昨日久しぶりに一時快晴の気持ちよい天気になり、部屋に光が差し込んだとき、さらにW先生の博士論文がその光のせいか、何か語りかけてくるようで気になったので、思わず作業を中断して、本を手に取りました。

今では、眠り病に関する、分子レベルの細かい研究から、国を越えた広範囲の病気の分布に関する研究まで、非常に幅広く活躍されているW先生ですが、その論文は、眠り病を媒介するツェツェ蝿という昆虫の体の中に住んでいる、ある微生物に関する研究でした。その微生物は、眠り病を起こす寄生虫ではありません。眠り病研究のために必要な、ツェツェ蝿と寄生虫の飼育に影響を与える微生物です。

確かに、研究の切り口は明解だったので、元々いい筋があったのかも知れません。しかし、蝿でも寄生虫でもなく、その微生物を研究していた当の本人も15年前に、今のような幅の広い研究をするようになると想像していたでしょうか?希望はあったでしょうが、具体的にそんなことはなかったと思います。

僕はよく、自分には向いていないのではないか、能力不足ではないか、今の研究の方向性が将来の仕事にちゃんと結びつくのかなどと考えてしまいます。しかし、W先生の論文を読んで、今の僕が取り組んでいる仕事は、まだまだ出発点にしか過ぎないということに気が付きました。

しかし、もともとの出発点はどこだったかと考えると、
2005年、去年の今は大学とイギリスに慣れるのに必死で、
2004年の今は日本で大学院の出願に必要なTOEFL(英語)の試験で必死で、
2003年の今は大学院で学ぶための奨学金申請に必要な英検準1級の試験で必死で、
2002年の今も別の奨学金に必要なIELTS(英語)の試験で必死で(落ちた)、
2001年は異動もあり、仕事を頑張って過ぎていき、
1998年から2000年はネパールで走り回っていて、
その前は大らかに仕事を愛して楽しく過ごしていたので、

途上国のことを真剣に考え始めたのは8年前、想いを実現するために取り組み始めたのは4年前ということになります。

そう考えると、出発点のことは、何だかどうでもよくなってきました。マラソン選手が次の電柱まで、と身近な目標をクリアしながら走っていくように、僕はもう寝て、明日をとりあえず頑張ります。人生いつでも出発点、ということで。
皆さんも、どうか実りある金曜日をお過ごしください。

自意識過剰

2006-02-15 04:10:35 | イベント
2月14日(火)。

今日はバレンタイン・デー。
昼間、作業中に改めてそうだったと思い出しました。
コンピューターに向っていたら、同じ博士課程の学生で付き合っている友人カップルの男性が呼びに来て、二人が3時頃帰ったので。

日本では、義理チョコがあったけど、イギリスではないんですね!少なくともうちの研究室ではありませんでした。

あれがないと、なんだか寂しい。前の職場では、女性陣が小さいチョコを配ってくれて、ホワイト・デーには男性陣でお菓子を買って返しました。女性からすると、本命以外は面倒くさい行事かも知れないけど、それで男性陣が幸せになって、職場も幸せな雰囲気になるのはいいことだと思います。

家に帰って、妻からプレゼントされましたが、やはり嬉しいものです。その後ついさっき、ウキウキしてスーパーに買い物に行って来たのですが、そこで恥ずかしいことが。

野菜と一緒にワインもかごに入れて、レジに行ったのですが、そこで、レジの女性に声をかけられました。
「あなたは18歳以上ですか?」
と聞いてきたのですが、バレンタインデーなので、あなたは18歳ですか?と男性に聞くサービスなのかと勘違いし、
「え、そのサービスいいね。」
と微笑んでしまいました。
「決まりで、18歳以上か確認しないといけないんですよ。」
と言われて、ワインの存在に気が付きました。未成年に酒を販売しないということだったんですね。

「なんだ、18よりは、ずっとずっと上ですよ。」
と言ってお金を払ったのですが、恥ずかしかったー!

帰りに、花束を持った女性とすれ違いました。これからお祝いなんでしょう。何か街中にお祝いムードはないけれど、さりげなくっていい感じでした。

歯医者と患者のカンケイ

2006-02-14 06:02:56 | 異文化
2月13日(月)。

今日は、歯石などを落としに、歯医者に行ってきました。
先週、レントゲンも撮って、歯の異常のチェックだけしてもらい、今日はクリーニングのみ。

以前この歯医者にかかったのは、昨年の一月でした。日本でクリーニングをしてもらったのは、その2年前。タバコもかなり吸っていたし、よほど汚かったのでしょう、昨年は歯石を取られながら、禁煙しろ、禁煙しろ、と説教を受けたのでした。歯肉ポケットの検査では、歯と歯肉の隙間に、針金のついた器具をぐいぐい入れられて深さを検査され、血も出るし、非常に苦痛でした。

そして今日。昨年の説教とは打って変わって、「座って」「はい、ゴーグル」「ゆすいで」としか口にしませんでした。糸ようじを使っているからか、あまり問題なかったようで、キュインキュイン削られるのも、割と短時間で終わり、歯肉ポケットのチェックはありませんでした。

もっとこう、「あー、タバコ止めたんだね!ほら、汚れが少ないよ。他に何か気を付けたことは?」とかさあ、会話がないもんかね、と物足りなさを感じていましたが、そのドクターと会ったのは一年前。一年に2,000人くらいは診るだろうし、一々覚えてないよね。

でも、僕は仕事をしても、もっと濃い人間関係が好きです。仕事でなくても、僕が確か大学生の頃、僕が出た幼稚園の先生が画家だったので、祖父が亡くなった際写真をもとに、祖父の絵を書いてもらうことになったのです。それで依頼に行ったときでしょうか、詳しいことは覚えていないのですが、同じく先生だった、画家の先生のお母様が僕のことを覚えていてくれたのです。教師の記憶力というものは大概すごいものですけど、幼い頃など、顔も随分違うだろうに覚えているなんてすごいと感動しました。

就職してからも、仕事が出来ることよりも、農家さんに覚えてもらうこと、親しくなれることに満足感、遣り甲斐を感じたものです。留学し、現場の診療、診断から大きい範囲をカバーする疫学という学問へと移ったとき、現場から遠くなるな、と寂しく思ったこともありましたが、始めてみると、大学や現地で出会った人たちが、論文を読んでいくとそこに載っていて、結局は人と人の繋がりであることに気が付きました。

前回のウガンダでイギリスへ帰国する一週間ほど前のことです。ウガンダには、バイクの後ろに乗せてもらうバイク・タクシー、ボダボダというものがあるのですが、いつものようにまたがり、ルガンダ語で行く先を告げ、カタコトで世間話をし、お金を払った時のことです。名前を聞かれたので、「マキタだ」と答えると、

「そうか、お前コウヘイという日本人を知ってるか?」

と聞かれました。そりゃ俺だよ、と答えるとドライバーは、お前かー!とえらく喜んで言いました。
最近カンパラ(ウガンダの首都)で、ルガンダ語を話す日本人がいるらしいと噂だったそうです。ウガンダで日本人は目立つからねー。しかも毎日せこく値切っていたからかも知れません。

発展途上国で仕事をすると、日本人なんか珍しいので、そういうのがまた面白いのです。いつも人との関係を楽しみに、これからも仕事をして行けたらいいなあ。

週末は家族と

2006-02-13 14:40:26 | 家族
2月12日(日)。

今回の週末は、息子が健康で過ごせたので、本当にいい週末でした。
救急車を呼んだり、入院したりというのが続くと、ずっとこんな毎日が続くのだろうか、と気が重くなってしまうものです。

今週末は、健康であったのも良かったけれど、新たな成長の発見が三つ、ありました。

一つは、外に出たくない、と言えるようになったこと。買い物の時は、平日は僕がいないので、妻が息子を連れて出なければならないし、週末は、大人二人がいた方が荷物をたくさん持てるので、息子を連れて行っていました。
何で外に行きたくないの?と聞くと、だって寒いんだもん、と答えました。今までは言わなかったので、風邪をひきそうなときも連れ出していたのかも知れません。喋れるというのは、有難いことです。

二つ目は、お父さんとおもちゃで人形遊びが出来るようになったこと。
今までの人形遊びは、中に手を入れると口が動かせる恐竜のぬいぐるみで、「ガオー!」と驚かす程度だったのですが、急にミニカーや木の汽車のおもちゃに人格を持たせ、お話をさせる遊びが出来るようになりました。ここまで来ると、お父さんも遊んでやれるようになります。今日はかなりやりましたよ。夜寝るとき、「まだお父さんと遊ぶー!」と言われたのは、嬉しかった。大体お父さんは怒る役だったからね。

三つ目は、粘土で「ウルトラマンの顔」を作れるようになったこと。今までは、粘土を長くのばして、「ヘビ」と言うくらいしか出来ませんでした。お前、毎日ヘビばっか作っとるのーと横目で見ていたのが、今日のウルトラマンには、正直ビビリました。目も鼻も口も、トサカもちゃんと付いてます。明日写真をアップしますねー。

しかし、こういう成長は、まるで革新的な発明を目にした時のような感動があります。平日は忙しいし、またアフリカに行ってしまったら会うことすら出来なくなるので、週末は今日のように過ごせると最高だと、心から思いました。

エンジェル・カード

2006-02-12 07:43:47 | いろんな人がいるよ。
2月11日(土)。

皆さん、エンジェル・カードというものはご存知でしょうか?
僕も、つい2日前知りました。

今まで、タロット・カードもやったことがなかったのですが、ある友人が木曜の夜にうちに来て、エンジェル・カードなるものをやってくれました。
これには、何人かのエンジェル(大天使)のカードが含まれていて、ひく人は、自分が人生で悩んでいる、エンジェルに質問したいことを思い浮かべて、好きなカードをひくというものです。

僕はぶっちゃけ、今後発展途上国で仕事を続けると、妻子をその国に連れて行くべきなのか、彼らはこれ以上世界に引っ張り出されて幸せになるのだろうか、ということを考えながらひきました。

すると、出たのはガブリエルという天使の、'Creative writing'というカードでした。意味は、とにかく思っていることを書きなさい、そうすれば進むべき道が分かるでしょう、ということでした。

ふーん、と特に気にも留めず、次に妻がひくのを見ていると、妻がカードを切っているときに、一つのカードがはじかれて飛び出しました。そういうカードは、ジャンピング・カードといい、呼ばれてくるカードなのだそうです。カードに目をやると、'Child'というカードでした。意味は、あなたは子供を育てることによって、自分に眠っている、子供のときの感情も育てているのです、というものでした。

正直この時は、不思議に思いました。このカードは、子供を育てている人が引かなければあまり意味がないものだし、妻がどれくらい一日中子供のことを考えているか知っていたので。

その後また少し友人としばらく話をし、彼女が帰る時間になったので、カードをしまってあげようと思い、カードの束を手に取りました。
手に取ったことも何かの縁、他にどんなカードがあるか見てみたかったし、一番下にあるカードは何だろうと気になったので、束をひっくり返して見たのです。すると、そのカードには何と、

'Creative writing'

と書かれていました。最初にひいた、ガブリエルのカードだったのです。一瞬どきっとしましたが、冷静にケースの中にカードをしまいました。

自分はキリスト教徒ではないし、科学を学んでいます。エンジェル・カードに何種類のカードが含まれているか分かれば、自分が2回続けてそのカードを引く確率は容易に計算できるわけですが、この場合そんなこと知ったところでどうなる?
不思議なことに、自分はブログをやっていて、今もこうして書いているわけです。しかしながら、自分の考えているうちの、「重いこと」は、全て書いているわけではありません。

これからも全て書いてしまうようなことはないと思いますが、思っていることを書くというのは、自分のことを客観的にとらえることが出来て、確かにいいかも知れません。人から良い意見がもらえるかも知れないし。

エンジェル・カード。初めて知ったものをすぐ信じてしまうような初心(うぶ)さは僕にはもうないけれど、心に引っかかっていることを、人に見えない形でも書いてみる、というのはいいアイディアかも知れません。皆さんは、こんなカードや占いをやった経験がありますか?

チャチャーンチャーン

2006-02-11 09:35:37 | 学業
2月10日(金)。

さて、タイトルは、何の曲を表しているでしょうか?答えは↓

今週は、よく集中して頑張りました。ブログも書けなくてごめんなさい。
今週初めまでかかって読んだ内容を、頭の中で整理して組み立てて、書き始めました。今日、レポートに書こうと思っている3つの病気のうち、一つ目を書き終わりました。

これら3つの病気は、ウガンダで一番大きい病院の、3か月分の外来患者の診断記録から、目立って発生のある、または発生があると思われる人畜共通伝染病(動物からヒトにうつる病気)を選びました。

一つ目は、有鉤嚢虫(ゆうこうのうちゅう)症というサナダ虫についてでした。
食事中の人は、あとで読んだ方がいいかも知れません。

これは本来ヒトの腸の中で、3mくらいのサナダ虫になり、感染したヒトの大便に混じった卵をブタが食べると、卵は孵ってブタの筋肉の中などにカプセルを作って潜むのです。
ヒトが生煮えの豚肉を食べると、カプセルから出た虫はその人のお腹の中で成長し、またヒトの腸にサナダ虫として住み着くのです。

ここまでは、まだ可愛い。ほお擦りはしたくないけど。
ヒトが、もともとヒトの大便と一緒に排泄された卵を、何かの拍子に食べてしまった場合、今度はブタの場合と同じように、虫はその人の筋肉などにカプセルを作って潜もうとするのですが、虫が脊髄や脳に侵入すると、癲癇(てんかん)、痙攣、精神病などを患い、運が悪いと亡くなるケースもあります。

アジア、南米、アフリカでは、この寄生虫が多く、癲癇(てんかん)患者のうち大体10%から、多い地域では40%以上が、この虫によるものだったと報告されています。

そんな大便から口に入るなんて!と思われるでしょうが、衛生状態の悪い国では、虫を飼っている人がレストランで働いていて、その人の手から食事にひっついてくることや、汚染された水、その水で洗った野菜や果物など、可能な状況はいくらでもあります。

南アフリカでは、女性が、誠実でない夫か彼氏への罰に、便に出てくる、卵が入ったサナダ虫の体の一部(片節)を、ビールに入れて飲ませることが少なくない、との報告があります。おそろしや。

昨年ウガンダで収集したデータのうち、たった3ヶ月間の、それも一つの病院の記録から、可能性のある患者さんは229人いました。この病気の説明や、ウガンダでの虫の分布状況(データは非常に少数)、研究をするとしたら、その方針など、そういうことを今週は書いていたわけです。

非常に集中するので、夜や朝はちょっときつくなります。
しかし、空手をやっていて良かった。稽古の中で、よく1分間出来るだけ速く、強くグラブにパンチする練習をします。その1分を、5回、6回とこなしていくと、だんだん腕が上がらなくなって来ます。そこで、相方や先輩は、ボクシングじゃないけど、

「カモン、カモン、ビッグ・ワン!ファスター!」

と、けしかけます。この、限界を超えて、本気の力を振り絞るのがいい。辛いけど、ガッツが出てくるのです。うおおおおお、という感じです。
このお陰で、今週はなかなか仕事にも集中力を維持することが出来ました。普段苦手な朝も、頭に何故かあのメロディーが流れてきて、がばっと起きれるのです。

そう、その曲とは、ロッキーのテーマ。ああ、こんなキャラじゃなかったのに・・・。
明日の朝もまた、土曜日なのに朝からテニスです。しかも偶然ロッキー大好きのメキシコ人、エリベルトと。なんかどんどん体育会系になっていくなあ。

幸せの伝染

2006-02-06 09:55:12 | イベント
2月5日(日)。

前の職場の先輩Sさんが結婚式をしました。その幸せそうな写真を、姐さんと呼ばせていただいているKさんからメールで送ってもらいました。

実は今年に入ってからも、息子は3週間に一度のペースで風邪をひき続けていて、喘息もあって一度ひくと結構ひどくなるのです。2月2日(木)にまたひいた風邪がひどくなりそうだったので、金曜日に医者へ連れて行ったところ、2回目の入院。
一日でなんとか出ることが出来、今日は具合も良くなったのですが、親は二人とも疲れ気味でした。

僕も、文献を早く読んでレポートを完成させ、次の方向性を指導教官ともっとつめなければならないし、夜にはインターネットでアクセスというソフトの使い方も学ばなければならない。また、レポートの後にある試験に合格しない限り、正式には博士課程を続ける資格が得られないのです。

自分に余裕がない状態だったので、ついイライラしていました。僕の言動に妻もイライラ。元気になってきた息子は、「広島に帰りたーい」と言います。そういう状況ではなかなかポジティブになれず、辛い辛いムードになっていたのです。

そこへK姐さんからのメール。不思議なものですね、人が本当に幸せそうにしている写真を見ると、こちらまで幸せになるものです。しかも長年一緒に働いた先輩の結婚式です。

今日はSさん、Kさんに救われました。お目出度いことはいいですね。幸せは伝染するもの。明日朝起きたら、家族にも伝染しますように。