まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

現地に根付いて生きている日本人たち

2006-06-29 01:57:02 | いろんな人がいるよ。
6月28日(水)。

昨日は、現地に根付いて生きている日本人たちに会うことが出来ました。

ようやく空手道場を見つけたので、稽古に行くと、そこは円形の教会。停電だったのに発電機が使えず、初回の稽古は、なんと20分ほどで日没コールドで中止となりました。いやー、ウガンダっていう感じですね。

その後は、初めてお会いした極真空手のI先生のお宅へご家族への挨拶に伺った後、カバラガラという盛り場へI先生と向かい、ウガンダにもう10年も住んでいらっしゃる日本人のHさんと現地で合流して飲みました。

Hさんは、1996年から5年間NGOの活動をされて、その後はウガンダ人と同じ扱いである現地スタッフとして大使館に採用されました。奥さんもウガンダ人で、まさに現地に根付いて生きています。
I先生も、本業はNGOで、初めてもう3年になるそうです。

話は大体空手や格闘技のことで盛り上がり、あまりウガンダでの生活についてなど話さなかったけど、とにかく二人とも気さく。大変だろうけど、食事も美味しいし、人々も面白いし、楽しんでやっているようです。

Hさんが帰りにバイクタクシーの交渉をしてくれたのですが、そこら中の人達皆に知られているようです。バイクのドライバーを呼びつける様子も、何かしら先生が生徒を愛情を持って呼ぶ、という雰囲気でした。値段は、驚きの安さ。言葉も現地人そのものです。そう言えば、僕もネパールではそうでした。懐かしい気分になりましたね。いろんな人がいるものです。

それぞれいいところがある。

2006-06-24 00:56:19 | 異文化
6月23日(金)。

今日、ようやくウガンダのマケレレ大学より、インターネットを使える環境になりました。昨日までは、断続的な停電で、学部内のアクセスポイントが使えなくなっていました(書いている途中にまた停電になり、土曜日になって書いてます)。

さて、今回ウガンダへ来て一番感じていたこと。それは、全ての国は違った性格を持っていて、それぞれいいところがあるのだろうなということ。

こちらに来る直前、家族と友人たちで、エディンバラのトルコ料理屋へ行ったのですが、そこは、内装、店主、料理と3つ揃って良い店でした。
しかも音楽がまた良くて、アジアと中東の雰囲気がミックスしたような曲に聴き惚れ、
「やっぱりアフリカより、繊細な文化圏がいいなあ・・・。」
としみじみ感じました。

イギリスに来てから、以外にも自分の中で中心となってきたのは、日本人としてのアイデンティティー探しでした。イギリスと比較してよい、悪い、という見方に始まり、空手を始め、最近は、特に仏教について調べ始めました。仏教についても、少しずつ分かってきています。

やはり今回ウガンダに来る直前、空手部のTシャツを着て大学の研究室の廊下を歩いていると、センター長である教授に呼び止められ、日本の文化の話になりました。
僕が自国の武道である空手を学んでいることに触発された彼は、次に突然俳句について質問してきました。イギリスのエリートというのは、本当によく世界の歴史、文化を知っているものです。特に、自国に長い歴史と文化を持つイギリスは、同様に歴史と文化を誇る日本に興味があるようです。

お互いあまり時間がない状況だったので、二言三言交わして別れましたが、俳句や短歌をあまり知らない僕は、正直助かったと思いました。俳句、短歌を詠むのはあまり経験がありませんが、読んで味わうのはもともと好きなほうです。また俳句、短歌へと興味を伸ばしてみたくなりました。日本には、多くの文化、芸術などがあるし、国土も美しく、本当にいい国ですね。

さて、そしてウガンダ。ああ、またハードな日々が始まるなあ、と飛行機から空港に降り立った後、ドライバーと再会。お互いの顔を左右に入れ変えながら、両腕でしっかりと抱き合って背中を叩き合う、ウガンダの再会の挨拶をすると、「帰ってきたなあ」と感じました。すっかり自分が住む国の一つになっていました。

うるさいという印象だった音楽も、明るくて爽やかなものに感じます。前回も仕事した、国立ムラゴ病院の診療記録部を訪れると、みんな驚いて、「お帰りー!」と口々に挨拶してくれました。みんなの冗談で、あんなに笑ったのも久しぶりでした。優しくて、明るくて、とてもいい国です。食事も、安くて美味しい。

最近停電が本当に多いけれど、ラジオやステレオの音がなくなって、ろうそくの明かりで過ごす静かな時間が、僕は大好きなのです。ネパールの山の中での2年間を思い出します。灯油のストーヴで食事を作り、ろうそくの明かりで本を読む。しばらくして眠くなると、早い時間でもろうそくを消して、蚊帳の中にもぐりこみ、ベッドで寝てしまう。とてもいいものです。

この世界に、魅力のない国なんてない、と思えます。たしかに戦火の中にいたり、言論の自由がなかったり、独裁者のために飢餓に苦しんでいたり、大変な国は少なくない。どうにか良い状況にならないものか、と歯がゆい思いをする毎日です。

しかし、今回のウガンダへの想いから、国というのは、人もそうだけれど、優劣を比較するという見方は捨てて、違った良さを見つけるべきだと、あらためて思いました。

行って来ます!

2006-06-20 06:47:22 | 学業
6月19日(月)。

これから数時間寝て、朝4時出発で、またウガンダに行ってまいります!

前日まで慌しく、しかも未だにちゃんと計画が出来上がっておりませんが、それは現地でまたまた柔軟に対応していくということにします。

気分は、写真のてんちゃんのように、スーパーマンが空を飛ぶように、行って来ます。
また、現地からの便りをお楽しみに!

PS.背景のゴミ箱や踏み竹等は気にしないでね!

日本語表現力の向上

2006-06-16 18:02:07 | 家族
6月15日(木)。

夜、ちょっとショッキングだけど笑ってしまう出来事がありました。

息子を寝かす前に、ベッドの上で遊んでいた時のことです。よく、息子のお腹のところに顔を擦り付けると、くすぐったいとはしゃぐので、それをやろうとしました。

やめてよー、を笑いながら繰り返していたのですが、しまいに彼はこう言いました。

「ズボンに油が付いちゃうよ。きったねー。」

と笑いながら言いました。

え!

そこにいた妻と僕は一瞬言葉を失いました。
妻は笑い転げましたが、僕は笑いながらもショックから立ち直れません。
立ち上がると、まず顔を洗って(油を落として)、さらに仕返しにお腹にぐりぐりをしてやりました。

後で妻と、誰があんな言葉を教えたんだ、という問答になりましたが、多分、感じたことを自分の知っている言葉を組み合わせて表現しただけなのだと思います。

いやー、息子も、日本語が上手になったものです。素晴らしい表現力でした。

一週間の日記

2006-06-16 17:42:46 | Weblog
6月16日(金)。

最近日記帳をつけていないので、意外とブログは役に立ちます。先日も、ウガンダでの一作業にかかった日数を計算するのにブログを読み返しました。
なので、ちょっと今日は、先週から今週の記録を書き込んで見ます。
面白くなくてすいません。

~6月9日(金)
前回調査のまとめ、次回のウガンダ家庭調査で聞き取りが必要な項目を挙げ、質問を作成。ミーティングがなくなる。空手。

6月10日(土)
アレックス・なおこ夫妻の新居へ。とても暑い日。共同の庭で、知り合いのネパール人、ラジェスにばったり出くわす。同じ建物内に住んでいた。スコットランドでは、街中でも、フラットの裏にはほぼ必ず芝生の庭があり、そこでお茶していたのです。

6月11日(日)
貧富度判定の方法について、文献を読む。

6月12日(月)
図書館にて貧富度判定の方法を学ぶ。昼は友人宅にてサッカー観戦。少し落ち込む。

6月13日(火)
ミーティング。ナイロビの国際家畜研究所から来た有名な先生と出会う。しかもミーティングに同席され、発表内容について、非常に興味を示していただく。次回の研究内容がほぼ全く変更になる。家庭調査→さらに病院での診断記録調査、牛乳屋でのインタビューに変更になる。しかしこれも、前回の調査で興味深い結果を出せたため、これをさらに深め、ケース・コントロール・スタディという疫学の研究を行うため。この部分でも論文が書ける。
指導教官は、いい内容で、とても喜んでくれた。

6月14日(水)
妻の語学学校クラスの終了パーティーのため、自宅で仕事。息子を送り迎え。次回、さらに病院の診断記録調査を行うため、前回調査結果より、いくつかの疾病について、発生状況を、月別、性別、年齢グループのカテゴリーに分ける。
空手。

6月15日(木)
妻の語学学校全体の、年間終了パーティーのため、自宅で仕事。息子を送り迎え。
昨日の仕事の続きと、牛乳屋、食肉処理場、肉屋での質問票の作成。

とまあ、こんな感じの一週間でした。

今日は霧。

2006-06-10 10:00:53 | エディンバラの見どころ
6月9日(金)。

またまた写真を撮ってなくてごめんなさい。
今日はカメラ持ってたんだけど、霧でした。それでも撮れば良かったんだけど、忙しすぎた。もう、とにかくウガンダまで間がない。でも、週末はオフしたいです。ワールド・カップも始まっているのに!とにかく休む。休めるかな?

今日は、予定のミーテイングがなくなってしまい、大打撃です。政府の鳥インフルエンザの緊急会議とぶつかってしまって、教授達が戻ってこなかった・・・。6月20日にはウガンダ入りするのに、計画が全然整っていないんですわ。一人いろいろ読んでは自分で詰めてるんですが、時間がない。のに作業が多すぎる。やっぱり、まだ素人の学生には、基礎知識が未だに足りないので、大変なんです。大体ベテランでも大変なのに。

もう一つ、ウガンダ北部とスーダンとの国境付近で、2種類のアフリカ眠り病が発生していて、緊急の研究チーム(といっても皆顔見知り)が僕とほぼ同時にウガンダ入りするので、車とドライバーの確保(予算と人の取り合い)の仕事も入ったので、慌しいのです。こういう慌しさは大好きなんですが。これまで、その2種類の眠り病の病原体は、地理的に住み分けされていたので、違った対策を取っていれば良かったのですが、これらの範囲が移動して、重なってしまうかも知れないのです。それは、いろいろ大変なことなんですわ。

しかし、空手はしっかり行きました。忙しければ忙しいほど、他に集中できるものが必要です。今日はなかなか内容も濃く、水曜から全身筋肉痛ですが、特に腹筋をさらに鍛えました。腹はすっかり引っ込んだけど、どうして腹回りの脂肪って、こんなに根強いのかね?触ると中身は筋肉が割れてるんだけどね。

練習が終わって帰ってくる時、辺りは暗くなっているのに、街灯の光が街中を覆っている霧に反射して、これはこれでまたエディンバラを、神秘的ないい雰囲気にしているのでした。


やっぱり青空は良かった。

2006-06-09 06:43:17 | 学業
6月8日(木)。

写真を撮らなかったのが残念。次回は必ずカメラを持っていこう。
コンピュータで、次回のフィールド用の質問を作り終えたので、放牧地の牛と馬たちを目の前に、赤ペンチェックをしました。

最高。

ふと目を紙から離すと、目の前は地平線まで広がる草原の丘。馬が気持ち良さそうにごろごろ転がって背中を地面にこすり付けています。ランチタイムだったので、今まで会ったことのないスタッフも集まってきて、草の上に座り、ランチを食べ始めました。僕は熱帯獣医学センターの事務員さんとベンチに座り、雑談しながら赤ペンチェック。20分ほどで出来上がってしまったので仕事場に戻りましたが、屋外はいいですね、ストレスがふわ~っと消えていきます。

さて、金曜日、明日は大事なミーティング。今、夜の10時半ですが、もうひとふん張りスライド作りをしてから寝ます。

友人との時間

2006-06-07 06:56:57 | ほっと一息。
6月5日(月)。

オランダ人の友達、シッツェの新しいフラットに、初めて遊びに行った。
夜で息子は寝てしまうので、僕一人で。

シッツェは、仕事の後だけど、てきぱきとパスタと炒めたピーマンとロケットのサラダを作ってくれ、僕が持っていったワインで食事を楽しんだ。

気の置けない友人となら、男二人も悪くない。子供に注意をする必要もないので、お互い、止まることなく話し続けた。仕事のことが多かったかな?最近の状況と、発見したこと、感じたこと。彼は、環境問題に興味があり、エディンバラ大学で修士課程を卒業した後、地方分散による効率よいエネルギー生産を普及する会社に勤めている。

アメリカ、カナダ、スリランカ、トルコ、としょっちゅう海外出張していて、彼も、特にスリランカでは、多くの人のためになるには、どうしたらいいんだろう、とピュアに考えて仕事をしていた、という。何か人々の暮らしのために貢献したい、というところが、お互い共通して持っているところなのです。

食事の後はリビングに移り、シッツェはギターを始めたばかりなので少しギターで遊んだり、ボサノバをかけてまた話をしたり。7時にお邪魔したけど、あっという間に10時になってしまった。本当にこんな夜は久しぶり。精神的にバランスを取って暮らしていくには、友人との時間はビタミンのようなものだ。

バナナを煮込め!

2006-06-07 06:28:41 | 異文化
6月4日(日)。

今日、ウガンダから、現地の指導教官であるチャールズが仕事のため来ました。彼は今回一ヶ月半ほどイギリスに滞在します。ウガンダで会って、イギリスでも会って、また僕がウガンダに行くと、彼も戻ってきます。ずっと一緒です。

約2年前から、ずっと付き合いが続いているチャールズを、朝空港に迎えに行き、スムーズにイギリスに慣れてもらうため、昼食は家でウガンダ料理を作りました。

ウガンダ料理といえば、なんといっても調理用バナナ。これがエディンバラでも手に入るのです。高いけど。
青いバナナを、包丁で皮を剥いて、お湯で煮込みます。芋のような味です。
これにウガリ(ウガンダではポショという)とご飯を乗せて、トマト味のチキンスープをかけます。なす炒めも添えました。

ちょっと食べちゃってから気付いて写真を撮ったので、美しくなくてごめんなさい。左がバナナ。ちなみに味は、大成功でした。台所が狭いので、調理は、アフリカに行ってなくても上手な妻が担当しました。男二人で、横からあーだこーだ説明しただけ。

チャールズも、これでいつでも郷土料理が食べられる、と大喜び。
良かった、良かった。