まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

無心

2006-03-31 06:31:32 | 音楽は心の泉
3月30日(木)。

今週も濃い一週間となっています。
3年目の奨学金申請書類の作成、研究方向の策定、データベースの構築、完成度の高い都市化度決定基準の作成など、博士課程の続行が決まったと同時に一度に押し寄せてきた感じです。

そんな中、今日はほとんどの作業が一気に片付いた日でした。中でもとりわけ、ほぼ完全かつシンプルな、都市化度決定基準が出来たのは感動でした。これは、社会学の範疇なので、もちろん獣医学というよりも、社会学にとって価値のある発見です。獣医のくせにこんなことやってて、将来の就職先があるのか不安になりますが、より多くの人のために出来ることをやろうと考えてたどり着いたところなのだから、目の前のことに集中するしかありません。

さて、家に帰ってきてメールを開くと、協力隊時代の友人からメールが届いていて、マラウィの山田耕平さんという隊員が、エイズと恋愛を題材にした歌を作り、自らも歌った作品が大ヒットしているという内容が書いてありました。
早速メールにあったウェブ↓を覗いて見ると、プロモーションビデオを見ることが出来ました。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/africa/?1143506507

これには感動しました。彼は名前も僕に非常に近いので親近感を覚えましたが、歌を作ったきっかけもまっとうで好感がもてます。マラウィに赴任した彼は、自分と同年代や年下の若者にも感染率が高いエイズの現状を、身近な現実として衝撃を受けます。しかもその若者たちの間で、エイズに対する知識が不足していることを知り、マラウィで最も人気のある娯楽であるラジオにヒントを得て、ラジオでエイズの知識を普及できるようにと、今回のプロジェクトを思い立ったそうです。まあ、是非サイトを訪れてみてください。

彼の行動が素晴らしく、多くの人に受け入れられているのは、彼の動機と行動が無心で感動を呼ぶからでしょう。天晴れです。つい嬉しくてスコッチを飲んでしまいました。

2回目のサマータイム

2006-03-27 17:40:37 | 異文化
3月26日(日)。

今日は朝から、食事を作ったり、掃除機をかけたり、資源ごみを出しに行ったり、家の仕事をたくさんしました。
「いつも自分のことばっかり考えてる!」と妻に叱られたので、この週末は積極的に家事にいそしんだのです。掃除機をかけていると、そこら中に息子が散らかしたものが転がっているし、絨毯は抵抗が強くて、まあ汗をかくほどの一仕事なんですね。
「奥の部屋もやるんだよね?」
と妻に聞くと、当たり前でしょ、との答え。不意にもう一度後ろを振り返ると、妻の嬉しそうに笑っている顔が目に入りました。やっとる、やっとる、怒って正解だった、と喜んでるんだろうな、と思いながらも掃除にいそしみました。

昼食後はすぐに博物館へ。今度は子供を、特設の昆虫展へ連れて行きました。息子は大はしゃぎ。

帰るともう疲れてましたが、ここから自分の時間、と立ち上がって空手の稽古へ。道場に着くと、余裕を持って来た筈なのに、みんなすでに稽古中です。おかしいな、と思いながら道場に入ると、先生に、一時間遅い、と叱られました。
?????おかしいな、しっかり時計を見てきたのに??
と目を白黒させていると、今日からサマータイムとのこと。また今年もやられた!

去年のブログを確認してみると、3月27日の日曜日からサマータイムになってます。多分、4月1日の直前の日曜日に時間を変えるんでしょう。もう大丈夫、とは思うけど、また来年も何かやらかすのかも知れません。

今日はオフの日

2006-03-24 08:53:47 | ほっと一息。
3月23日(木)。

平日なんですけど、今日はオフの日。
午後2時にタイフード・レストランを予約して、PhDの学生達18人で集まりました。みんな作業は昼で切り上げ。
食事は、タイフードというよりは、アジアン・フード。なぜかさつま揚げあり。これが一番美味しかったかな。ま、料理はこっちではそれほど期待できないのです。

みんな、毎日顔を会わせていても、同室の学生以外ほとんど挨拶だけ。忙しいからね。普段とは違って、みんな喋るわ喋るわ。2件目は広めのパブで。ビールを飲んで、食べ物もたらふく食べて、お腹一杯。眠くなったので僕は5時半に帰ったけど、みんな何時までいたんだろう?踊りにも行ったかも知れない。

みんなで集まる機会は、今年初めて。大学が街中にあれば、もうちょっと頻繁に行けるんだけどな。

帰ってから夜7時前に寝て、8時過ぎに起き、今また寝るとこです。たまにはこんなオフの日も必要でしょう。

合格!

2006-03-21 22:43:00 | 学業
3月21日(火)。

やりました!日本の野球も世界一ということですごいことになってますが、こちらエディンバラでもやりました!ついさっき、無事合格しました!

試験開始時には、冒頭に指導教官からお言葉が。
「只今から試験を始めますが、この結果によってあなたが修士課程の学生としてすぐ修了するべきか、それとも博士課程の学生として研究を続けるべきか決定します。それでは、発表を始めなさい。」

結局昨日3時まで準備と練習をしたので疲れてはいましたが、練習どおりに話すべきポイントを忘れることなく発表することが出来ました。
発表では一時間以上話していたそうですが、決してゆっくり話していたわけではありません。終わった時、英語の上達に皆驚いていたので。

発表が終わった瞬間、暗黙のうちに合格は決定し、これから先の研究の方向性の話し合いになりました。指導教官たちも興味津々のようでした。
今週の残りは、今日話し合いで決められた方向性を明文化し、次のフィールド・ワークの内容を決めること。

試験の終わりに、今までの研究内容に、指導教官と試験官からそれぞれ高い評価の言葉が述べられました。
一番年の近い指導教官のエリックは、試験終了後わざわざ部屋を訪れてくれ、
「I am proud of you! ((指導教官として)誇りに思うよ!)」
と肩を叩いて行きました。

というわけで、これで落ち着いてあと一年半はこちらでお世話になることになりました!

飛べるから好き。

2006-03-19 00:20:04 | 家族
3月18日(土)。

男の子は、やっぱりヒーローが好きなんですね。
うちの息子も、スパイダーマン、バットマン、古いですがスーパーマンにウルトラマンの大ファンです。
宮崎駿監督の、ナウシカ、トトロ、魔女の宅急便、ハウルの動く城なんかも大好きです。

先日、息子に聞いてみました。何でそんなにスーパーマンとかスパイダーマンとかが好きなの?と。

すると彼は答えました。「だって、お空を飛べるんだもん!」

ははあ!なあるほど!とても分かりやすい答えでした。確かに宮崎監督のほとんどの作品にも、飛ぶシーンが出てきます。僕も子供のころはよく空を飛ぶ夢を見ました。
しかし、ついこの前まで赤ちゃんだったのに、もう空を自由に飛ぶことに憧れる子供になったんですね。子供の成長は早いものです。

アクセス

2006-03-19 00:02:11 | 学業
3月17日(金)。

これまでのレポート、試験準備という作業とは一転して、昨年3ヶ月間かけてウガンダで集めたデータを取り扱うのに、アクセスというデータベース・ソフトを使うことにしました。アクセスは、以前の職場で働いているときに使ったことはあるけれども、自分でデザインするのは始めて。これまで、インターネットを使って自己学習してきました。

指導教官の一人であるマークは、獣医学科の動物保健・福祉部長で、何年も研究にアクセスを使ってきたので、学生に自分の知識を伝えることができることがとても嬉しいと言っていました。僕も自己学習で知識は得たものの、実際デザインするとなると、まだよく想像出来ない状態でした。マークは冗談を混ぜながら、簡単な例で説明していきます。自分で想像していたのと違うアプローチでしたが、納得できました。11時から12時まで一時間教えてくれたのですが、僕一人にこれだけの時間を割いてくれるのは初めてでした。

その後すぐにデータベースを作り始めましたが、これはすごく面白いです。楽しみながらやっていたら、一日で最初の基礎の部分を作り終えてしまいました。3月中に、このデータ・ベースを仕上げる予定です。違う作業に移れるというのは飽きなくていいですね。これが終わったら、次はすぐウガンダ。あの暖かい気候が待っているのだ!

只今の決まり手、肩透かし、肩透かしぃ~。

2006-03-18 23:28:53 | 学業
3月16日(木)。

前日には、一日でArc ViewというGIS(地位情報システム)ソフトウェアを始めて使い、訪れたウガンダの村の都市化度を区別した地図の作成までして、夜中までプレゼンテーションのスライドを準備していました。

そして、試験会場である、大学の小会議室で待つこと一時間。試験時間すら知らされていなかったのですが、9時から会場で発表の練習をしてました。そこに、一番年が近い指導教官のエリックが、申し訳なさそうに入ってきました。

「申し訳ないんだけど、試験は来週火曜日ということに・・・。」

只今の決まり手、肩透かし、肩透かしぃ~、指導教官の勝ち~。

実はこれを聞いて、発表の練習が全然足りていなかったので、正直ほっとしました。しかしながら、その後他の指導教官からメールが入り、翌日の午前中、Accessというソフトウェアを使った、僕のデータ・ベース作りを手伝って下さるとのこと。レポートと試験準備で、インターネットを使ってのソフトウェアの自己学習が終わってませんでした。なので、その後は息つくまもなく残っている自己学習に専念することになりました。

しかし、いくら指導教官が忙しいといっても、いい加減なもんですわ。せめて前日に言わんかい。

進級テスト

2006-03-14 19:00:42 | 学業
3月14日(火)。

先週金曜日に、無事年間レポートを提出。提出したその場で、進級テストの日程を告げられました。

テストは今週の木曜日、16日。内容は、今までの研究成果と今後の研究計画をプレゼンテーションするものです。試験官には、他大学からの外部試験官も含まれます。プレゼンテーションの後、試験官からの質問に上手に回答しなくてはなりません。

この試験の目的は、その学生が、PhDを続けるに足る人物か見極めることです。この試験の結果が悪ければ、修士課程に変更を勧められ、すぐに卒業となります。試験をパスすれば、PhDの研究を続けることが出来ます。

なので、またブログも書けませんがご了承ください。今日パワーポイントでスライドを作り、明日練習という予定です。

雪山。

2006-03-11 23:04:04 | イベント
3月9日(木)。

朝7時に起床。7時半に山仲間のスティーヴンが迎えに来て、すぐに出発。先週雪が降ったので一週間予定を遅らせました。この日も曇りで雨が降りそうだったけど、先週に比べて気温は随分高め。行くだけ行って判断しようということになりました。

車の中では、インドで行われているクリケットの試合、インド対イングランド戦を聴きながら走りました。クリケットのルールについても教えてもらいましたが、5日間かけて試合するということには驚きました。知ってました?

3時間ほどで、ダンディーの北、グレン・クローヴァ(Glen Clova)という谷に着きました。目の前にそびえ立つ山々は、上のほうが雲で覆われています。山頂は雲の上であることを期待して、すぐに出発しました。

歩き始めてすぐ、林の中に入ると、そこは雪道です。苔生した岩、小川に残る氷。林業のための植林地でしたが、山独特の静かで神秘的な空気を、久しぶりに味わいました。

林を抜けると、高い木は一本も生えていない雪山です。雲の中へと雪と氷で覆われた細い道を一歩一歩近づいていきます。雲に入る前にふと振り返ると、雪山が立ち並ぶ雄大な景色が広がりました。また視線を前に戻し、ゆっくり雲の中へと登って行きました。

雲の中に入るとすぐに傾斜はなくなりました。広い稜線です。この近くに二つピークがあり、両方を登る予定です。右に曲がってコンパスを頼りに東に進みます。しばらくすると、風と雪が強くなってきました。視界はまあまあ。10mはあるでしょう。しかし、印に打ってある木の棒とワイヤーの柵が途中でなくなり、そこからは全くコンパスのみが頼りになりました。よく雪山は恐ろしいと聞くけれど、身をもって体験しました。

経験豊かなスティーヴのお陰で一つ目のピークを制し、そこで軽い昼食。サンドウイッチを三口だけ食べ、すぐに出発しました。強くなってきた吹雪で、じっとしているのがしんどいのです。

来た方向を戻っていくと、割と簡単に印の柵にたどり着きました。張ってあるワイヤーをたどって来た道を引き返してから、今度は途中で右に曲がって北に向かいました。またワイヤーから離れてコンパスのみが頼りです。二つ目のピークは、山頂が平たいので探すのに苦労しました。しかし20分ほどで無事発見。ここまでは順調だったのです。

帰りの下りは、通ったことのないような急斜面になって来ました。なんとか車のあるところに無事戻りたいところ。なかなか道の跡に出ないので、スティーヴも焦って来たようです。途中で止まり相談して、稜線に戻れるよう同じ高さで南にトラバースして行ったのですが、スティーヴの速いこと。年は60歳くらいのはずですが、タフです。ストックを持って行くべきだったと後悔しました。走っているような早歩き。雪があるので滑るし埋まるし、体力も消耗します。ようやく稜線に出て、消えかかった足跡を発見したときには大喜びでした。

しばらくして無事雲を抜け、もと来た道を引き返している時、二人とも疲労で溜息ばかりでした。ガイドブックには4から6時間のコースとなっていましたが、僕たちは5時間で終了。迷ったのと悪天候を差し引くと、かなりのペースで行けたことになります。

帰りの車では、スティーヴには悪いけど、前の日寝ていないし、疲れてほとんど熟睡してました。エディンバラに入ったころ目覚めたのだけれど、大変だったことももう忘れて、次の山の話をしている二人。マゾですねえ。次回は天候に恵まれますように。

宴。

2006-03-11 21:50:31 | Weblog
3月8日(水)。

翌日には、日本の某大学の先生が帰られるので、夜は先生を夕食に招待しました。
料理は、ハギス、タラとサバの燻製、マッシュポテトに大カブをマッシュしたもの、温野菜という、どれもスコットランドでは定番の品。酒はグラスゴーのビールとFamous Grouseという、ライチョウの絵が描いてあるスコッチウイスキー。Famous Grouseは、安くて手ごろだけどまあまあ旨く、日本でも手に入りやすいはずなので、紹介にと、これにしました。

始めは協力隊時代の話を中心に盛り上がり、他の話も尽きることなく楽しい時間を過ごし、気が付くと朝の3時半になってました。先生と二人で飲んだFamous Grouseもほとんどなくなり、しのびながらも先生はB&B(宿)に帰って行ったのでした。

しかーし、4時頃電話が鳴り、受話器を取ると、先生からで、宿の鍵が閉まっていて入れないとのこと。

すぐに、借り物のエアーベッドを膨らまし、泊まって頂きました。それから僕は登山の準備を。なんだか本当に、協力隊時代の隊員連絡所みたいで楽しかったです。なんとか朝5時に就寝。