まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

思わずため息。

2005-09-24 17:18:24 | 学業
9月23日(金)。

とうとう村落性格調査が始まった。
朝8時過ぎに出発。カンパラ市に近接した、キラ(Kira)という地域で4つの村を回る。

うち一つが都市周辺部村落、他3つは都市部村落だった。
ジンジャでは、牛乳会社のパック牛乳は販売されていなかったが、この地域の都市部集落では、夕方6時過ぎに出店でパック牛乳を売る商売がたくさんあることを知る。今度行ってみたい。

自治体職員の都合で、我々の昼食は3時半となった。一週間の疲労と空腹ということもあったが、ドライバーとの会話に、思わずため息が出た。

ドライバー:「うちの近くの小さなと畜場に言ってみたいって言ってたでしょ?」
私:「そうそう、今度連れてって。」
ドライバー:「でもね、一頭丸ごとは売ってくれないんだって。」
私:「ふーん、??」
ドライバー:「ホテルで買いたいんでしょ?」
私:「は、何?」
ドライバー:「あなたはホテルのオーナーだから、安い豚を探してるんでしょ?」

私:「お前一週間付き合って、俺が学生で、研究のためにと畜場を探してるのが分からなかったの!?」
ドライバー:「あー、そうなんだー。」

思わずため息。

と畜場の把握

2005-09-24 16:56:12 | 学業
9月22日(木)。

朝一で、8時に首都カンパラの郡獣医事務所を訪れる。
ここの獣医官は、10年前にJICAの研修で3ヶ月日本にいたことがあるので、話しやすい。4月に一度訪れていたこともある。

カンパラ市内のと畜場(食肉処理場)を案内してくれるようお願いすると、ガソリン代はこちら持ちということで承諾してくれた。

どこの国でも、食肉処理場というのは研究者、獣医師という職業に複雑な感情を持つもの。衛生管理を指摘されて場を閉鎖させられたり、病気の家畜を摘発されて損をさせられたりと、彼らにとって都合の悪いことばかりをする。

もちろん研究の目的はこれら病気の調査なのだけれど、彼らには、「食品流通調査」という目的で来たと自己紹介する。彼らと親しくしている獣医官から正式に紹介されることで、彼らもしぶしぶ受け入れてくれたようだ。この日は人工衛星を使った、GPS(全地球地位システム)で位置を入力するだけ。

衛生状態は、最悪とは行かないまでも、まあひどいものだ。豚のと畜場などは、壁のない屋外で処理している。

大学に帰ってコンピューターに入力しようとするが、上手く行かない。夜中に、付属のCDでインストールが必要なことに気が付いた。

パイロット調査

2005-09-22 18:54:47 | 学業
9月21日(水)。

朝7時半にドライバーとホテルを出て、80km弱東のジンジャに着いたのが9時前。
さっそく郡選挙事務所に、調査する村を決めるために、村の数と名前を調べに立ち寄る。

選挙事務所に寄る、という方法は、郡事務所の対応の遅さ、情報の不管理で遅れていたときに、たまたま気が付いて発見した方法。郡事務所職員が、選挙区が発表された時の古新聞を持っていて、それに村など行政区の名前が書かれていたのだ。

しかしジンジャはさらに管理が悪く、右往左往していて2時間ほど失ってしまった。結局、郡事務所職員を一人お借りして、都市化度合いの異なる村を案内してもらった。

初めて調査のためにアフリカの村に入った。村役場、と彼らが呼ぶのは、かやぶき屋根に柱が4本立っているだけの小さな集会場だった。しかも周りには土壁の集落が立ち並び、バナナがそこら辺に生えているような場所だった。
村長、庶務、警備、という役職の3人に自己紹介し、インタビューを始める。彼らは、意外と受け入れてくれていた。
第一回目というだけあって、質問には一時間かかり、村人達も後半はあくびしていた。
しかし面白い結果が出た。上述の村落、という景観にも関わらず、ジンジャの中心部に近いこともあって、この村は、全世帯の95%以上が勤務先を持っていて、商業規模の酪農家がいる、都市周辺部の性格を示した。法律に反して、家畜は、獣医師の検査なしにと畜、食用に回されていた。これらも村人は隠すはず、と想定していたので、以外に簡単に聞きだすことが出来た。

二つ目の村は、ジンジャ中心部に近く、高級住宅街だった。当然のことながら、都市部の性格を示す。彼らが殺菌消毒のされていない牛乳を入手し、冷蔵庫で冷やしてあれば安心して飲んでしまうことがあることが分かった。かならず煮沸するよう指導する。

三つ目は村落部の性格を示した。一つ目の村と、中心部からの距離は大して変わらないように思えるのに、村人はほとんどが雇用されておらず、自給自足に近い暮らしをしていた。インタビューもこつが掴め、30分で終了する。ここで夕方4時。

当初計画していた5村以上というノルマは果たせなかったが、質問票の改善点が掴め、最初に職員を確保する戦略、挨拶、アフリカ式握手の仕方など、必要なコツをかなり掴むことが出来た。濃い一日だった。

調査本番は9月23日(金)から。

インターネット開通

2005-09-20 22:51:23 | 学業
9月20日(火)。

今日、ようやくマケレレ大学の自分の部屋から、インターネットが使えるようになった。スピードもまあまあ速く、メールも無事対応できるようになった。

前回のユガンダ訪問とは違い、今回は、週毎の細かいスケジュールを組んでいるので、まだあまり楽しんでいる余裕がない。逆に言うと、スケジュールがあるために、最初からかなりのペースで仕事が出来ている。

机上の計画を、発展途上国で実際にこなして行くのは、とても難しい。停電、人の動かし方、頻繁な行政区分、内容などの変更もある。

今回大きなタスクである、首都カンパラ周辺の、都市化区分のパイロット調査(試しに他の地域でやってみる)が、とうとう明日に迫った。
たった今、コピー屋さんが、刷りたてほやほやの質問票を持ってきてくれたところ。

とうとうです。明日は朝7時半出発で、ビクトリア湖からナイル川が流れ始めるジンジャという町で調査をやってきます。

メール一本がこんなに大変とは!!

2005-09-15 23:07:55 | 異文化
9月15日(木)。

みなさん元気ですか?
ええ、私は元気ですよ。なかなか仕事も順調に動き出しました。

しかーし!なんじゃこのインターネットの遅さは!メールもまともに送れない!

100Mbps。

ご自分の動作環境と比べてみなはれ。
大学で小さい部屋がもらえ、ここにケーブルが引かれることになったら、もう少しちゃんと更新します。大学のは、4倍速いです。それでも遅いって。

自分の日記はつけているんだけどね。充実していて、紹介できないのが残念です。

埼玉の養鶏家と獣医師のみなさん、鳥インフルエンザで大変ですがなんとか頑張ってください。
一日も早い終息と復帰を願っています。

明日は遠出だー!頑張るぞー。

カトリーナ・ウォーク

2005-09-13 00:43:57 | 健康は大切よ。
9月11日(日)。

折りしもアメリカで同時多発テロがあったこの日でしたが、ウガンダでは、ハリケーン・カトリーナの被災者のために何かしようと、12kmのウォーキングが行われました。

中心となったのは、宿泊先のホテル(ゲストハウスの小ささ)でした。

暑い中歩いて、もう真っ黒に日焼けしてます。
知り合いもたくさん出来たし、アメリカ大使館の方々も感謝していたし、良かったです。

女子ソフトボールと男子野球チームも一緒に歩きましたが、両グループとも、青年海外協力隊員にコーチされているそうです。頑張ってるね。
後輩達を誇りに思いました。

やっと使えた!

2005-09-10 22:16:57 | 異文化
9月10日(土)。

ユガンダ入国4日目にして、ようやくインターネットに接続できました。ガーデンシティという、4階建ての大きなショッピング・センターのインターネット・カフェからです。
昨日は度重なる停電、その前は忙しく動き回っていたので。

昨日すごく暑かったと思ったら、今日は大雨が。今、雨季の始まりです。

ようやく生活も整い、だんだん貨幣価値も身に付いてきました。それまでは、やはり騙されたりしましたが、そろそろ大丈夫。
ユガンダは2回目であることもあるし、やはりネパールの2年間の経験があるので、大体遭遇することに想像がつき、ストレスも少ないかな。騙されても、授業料と思うし、それも想定済み。

協力隊の初めの方が、よほどストレスが溜まっていたと思います。

体調もいいし、GPSという機械も順調に動き、少しずつ仕事も出来ています。
でも、やはり思いがけない障害は、たくさんありますね。
信じられないことも。

統計局に、ある郡の村の名前と人口を訊きに行ったら、知らないだって。村単位では情報を集めていないんだそうです。よほどややこしいと思うけどなあ。

行ってきまーす!

2005-09-06 15:41:36 | 学業
9月6日(火)。

今、朝7時半。
昨日はユリさんやサムたちが会いに来てくれ、楽しく食事できたし、夜はよく眠れました。
風邪もひいていないし、まあまあ良いスタートではないでしょうか。
昨日食事しているときに間違って噛んでしまった右下唇がちょっと腫れていますが。

気分は、まさに期待と不安が入り混じっております。

今回はPCを持っていくので、たまにブログの更新も出来るでしょう。
今日は15時半のフライトで、アムステルダム、ナイロビを経由して、明日朝9時頃ユガンダ(ウガンダはちなみに正式にはユガンダ)に入ります。
帰国は11月末の予定です。

それではみなさん、行ってきまーす!

論文のストレス

2005-09-04 23:18:56 | ほっと一息。
9月3日(土)。

今日は朝8時から9時までたっぷりテニス。
昼寝もして、一週間の疲れを十分癒すことが出来た。

午後になって電話があり、先週具合が悪くなって僕が家に見舞いに行った日本人学生が、修士課程を終えてガーナのNGOで研修をするので、持って行けない本などを我が家に持ってきた。

彼女は見違えるように元気になって、これからの仕事の希望に満ち溢れていた。

「私、ストレスに弱いのよねー。」
と笑っていたが、その時はコーヒーの飲みすぎと論文のストレスで胃を壊していて、本当に元気のない顔で別人のようだったのだ。

論文のストレス、恐ろしやー。

一年で終わりなんていいなあ。2年後の自分も論文のストレスで苦しむのだろうか?まあ、普段からコツコツ書いていくのが、きっとそうならない秘訣だろう。

直前の集中力

2005-09-04 03:59:42 | 学業
9月2日(金)。

直前の集中力、というものがある。
別にそれまでだらだらと怠けているわけではないのだが、直前にならないと物事は形をなさないものだ。
逆に言えば、大切な用事の直前には、なぜか準備が間に合ってしまう。

ウガンダ政府への研究申請書、研究計画書、大学の指導教官への研究計画書等、様々な準備が急に片付いた。

夜は空手の稽古をし、金曜の夜恒例の、練習後の一杯を先輩達と楽しみ、帰ってきた。

完璧ではない。しかしまあ、本番の研究をスタートさせるには、まずまずの状態だ。あとは最低ウガンダに行っても残った準備は出来るのだから、渡航前に疲れたり風邪をひいたりしないよう、十分気を付けたい。