まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

ワキソ郡の協力体制

2007-10-23 01:02:22 | 学業
10月22日(月)。

風邪もすっかり良くなりました。皆さん、応援有難うございます。
先週から、最後のワキソ郡での検査が始まり、順調にやっております。

この最後の郡では、最初にミーティングを持ち、このブルセラ病の検査は、本来ウガンダ政府がやるべきであること、仕事が終わったら帰ってしまう外国人の仕事と思わないで、自分の仕事として頑張って欲しいということをしつこく説明しました。

その成果があってか、お金は要求されないし、職員のモチベーションは非常に高い状態です。
現場で同行の郡獣医師を説教する場面もありましたが、何と僕の言葉に彼女は、
「私達と2,3年一緒に働いてください。」
と請いました。全く素晴らしい人材がいるものです。

最後の検査をこのワキソ郡にして、本当に良かったと思います。あと約2週間で牛の採血は終わります。本当に、短いながらも仕事に対する意識が、継続的な形で彼らに残り、自分達の力でいい仕事をしていけるようになるように、心から祈ります。

山場?

2007-10-15 21:29:54 | 学業
10月15日(月)。

風邪をひいてしまいました。
疲労ですかね。雨や、前日夜に急に決まったイディというラマダン明けの祭りのため、平日に牛の採血を断念した変わりに、土日も仕事しているのです。
土曜の夜から具合が悪く、38度くらいの熱があります。

それに加えて、プロジェクトの車が北部ウガンダでの仕事に取られてしまい、17年前に購入のトヨタランドクルーザーを使ってます。
この車、手動ステアリングで、4WDと前輪の両ブレーキ、ワイパーが壊れています。これが途上国の現状です。学生の身分から解放されない限り、こういう現状でやっていくしかありません。幸い、車は今週末に戻ります。

昨日は、ブレーキを掛けたら車体がスライドし、車と人に衝突しそうになりました。とりあえず早く風邪が治ってほしい。明日は最後の郡、ワキソ郡で会議。調査のセットアップとブルセラ病の制圧について話し合います。途上国では、そう簡単には解決できませんが。日本でも擬似患畜が出たようですね。

都会の獣医官と酪農農家

2007-10-08 01:28:37 | 学業
10月7日(日)。

とても大変な一週間でした。
牛の採血が始まったのだけれど、カンパラの都市部はかなり仕事がしにくいのです。

獣医官は忙しいからと言ってあまり協力的でないし、村長たちは、どこでも協力料を要求する。大体、参加したコミュニティにとっても、この検査によって受ける利益は少なくないのに、そういう目で物事を見ない。

都会はいつも金以外の価値になかなか目を向けられない。これも現実です。

やる気のある酪農家は、自分のことなので、積極的に協力してくれます。質問もどんどんしてくるし、こういう人と仕事すると楽しいです。牛の扱いも採血も、体が覚えていてくれて助かった。農家も、「なるほど、経験豊かそうですね。」と声を掛けてくれる。現場は、どこの国にも共通したやりとりがあります。

火曜日くらいに、VISAカードでお金を引き出して生活しているのだけれど、検査器材をウガンダで揃えたため出費がかさみ、キャッシングを止められてしまいました。これにはさすがに堪えました。どっと疲れた。結局、日本のVISAに電話をして事情を説明すると、2日後にはブロックを解除してくれました。

インターネットも一週間に一度しかアクセスできないし、大変です。しかし、学生でフィールド調査をするのは、これが最後。あと一ヶ月と10日、大変でも、一日一日大切に仕事をして行きたいと思います。