まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

夏の終わり

2007-08-31 05:55:32 | ほっと一息。
8月30日(木)。

今日、ようやく最近引っかかっていた問題の解決方法をひらめいて、次のフィールドワークのスケジュールもようやく決まりそうです。もう時間がないのにやることは山積みで、急いで仕事をしてます。

さて、1ヶ月間の夏祭りで賑やかだったエディンバラも、あちこちで会場の解体が始まり、すっかり静かになりました。我が家の裏にも野外パブがあって、朝方3時頃まで音楽がかかっていたりして、早く祭りが終わらないかなと思っていましたが、実際に終わると、とても寂しいものです。

3年目にもなると、毎年の行事として慣れ親しんでくるのでなおさらです。でも、今年も忙しくて、結局あまり観に行けませんでした。

日本とは違う季節の移り変わりですが、季節も、3年住むとだんだん分かってきて、今年は、ああ、秋だなあと心から感じます。これから秋らしい季節ですが、2ヶ月弱はウガンダで過ごします。

大学からの帰りに、丘の上からエディンバラの街と、入り江になった海、そして山が見えるとても美しいところをバスが走って行くのですが、今日はここで、この美しいエディンバラの秋も、もう最後かも知れないなあ、としみじみとした想いに耽りました。

今、ウガンダへの準備と同時に、卒業後の進路探しにも時間を割いています。エディンバラに残るのも一つの選択肢ですが、他にも働きたいところがあるので、移る可能性も大いにあります。

全く、来年の今頃は、一体どこで何をやっているんでしょうねぇ?先の読めない人生ですが、やってみるとそんなに悪くはないものです。旧友となかなか会えなくなってしまったということはありますが、出会いは多いですから。

さてさて、まずは目先の準備に集中しなければね。明日は重要なミーティングです。

筑前琵琶

2007-08-28 17:13:39 | 音楽は心の泉
8月27日(月)。

夜7時から、家族で筑前琵琶のコンサートに行って来ました。

コンサートは、琵琶の前に、2台の竪琴を二人の女性が弾き語りする、とても美しい演奏で始まりました。ケルトの音楽は、竪琴にとても良く似合います。

次は琵琶の演奏。平家物語から。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
 おごれる人も久しからず。
 唯春の夜の夢のごとし。
 たけき者も遂には滅びぬ。
 偏(ひとへ)に風の前の塵に同じ。」

初めて、生で琵琶の弾き語りを聴きました。琵琶法師の語りとは、このようなものであったかと聴き入りました。

琵琶の音は、意外と聴き覚えのある音でした。NHKの歴史物や教育番組でよく使われていますからね。しかし、絶妙なタイミングと、恐ろしささえ感じるような独特の雰囲気は、さすが千年も保存されるだけのことはある、迫力のあるものでした。

と、僕と妻は感動していたのですが、子供には全く興味がなし。すぐにじっとしていられなくなったので、残念ですが、琵琶の演奏を2曲と、中国人の木琴とスコットランド人のアルトサックスによる、中国風の曲の演奏を1曲聴いて、途中で連れて帰ったのでした・・・

エディンバラに住んでいると、日本では機会の少ない日本の伝統芸を観る機会が、逆に多くあるように思えます。知り合いのインド人に今朝この話をしましたが、インドでも同じだそうです。インドで観れないものを、エディンバラでは簡単に観ることが出来る。

もっと、日本国内でも、日本文化を味わう機会が増えるといいですね。
天馬にも、日本文化に触れる機会を積極的に作ってやりたいと思います。今回は飽きてしまったけど、どこか記憶の片隅に残ってくれることを、ほのかに期待してます。

合気道

2007-08-27 17:32:00 | 健康は大切よ。
8月26日(日)。

このところ天馬は、毎週日曜日合気道の稽古に参加しています。
今は夏休み期間中なので、子供クラスは2人か3人。

この日も、エディンバラの師範の娘さんの桃ちゃんと二人きりでした。
天馬は、先生の教え方も上手なため、合気道が大好きです。といっても、まだ準備運動に毛が生えたようなものですが。

僕の方は、ここ3週間空手には行けてません。夏休み期間中で、週の中で体が一番疲れている金曜の夜にしかないのと、フランスに行っていたため。テッコンドーから空手に転向してから2年以上過ぎましたが、年を取ってきたせいか、最近はもっと平和なことに時間を使いたいと考えることが増えてきました。

その点、合気道は「協調性」を主題にしているのでいいような気がします。ま、武道である以上、格闘を目的として成り立っているので、突き詰めていけば生死のやり取りの厳しさに辿り着く訳ですが。

合気道の帰り、バスの中で、空手部で一緒に稽古してきたアシュレイという女学生にばったり会いました。もう卒業で、アバディーン大学で修士課程を学ぶため、来週引っ越すということでした。彼女に会って、この2年間、空手部に在籍して楽しかった記憶がぱっと蘇りました。

武道の稽古を続けて行けるのは、仲間がいるから、ということも大きいと思います。みんなで上達していくのは楽しいものです。今週の金曜日も予定が入っていて稽古には行けませんが、次の週には参加したいと思います。

ウガンダでは、極真会の先生がいるし、卒業までは続けようと思いました。

野いちご

2007-08-27 11:52:40 | 家族
8月25日(土)。

大学のあるイースターブッシュに、家族で行って来ました。
先週、ストレスを発散しようと、昼休みに隣接のスコティッシュ・アグリカルチャー・カレッジ内を散策していたら、いい感じの森を発見したので、是非家族を連れて来ようと考えたのです。

森には小川も流れているし、鹿や狐もいます。
普段都会に住んでいる息子には、特に自然を知ってもらいたいと思っています。

この日は、大きなナメクジをたくさん見たのと、野いちごの摘み方と味を楽しんでもらいました。彼もはまってしまって、お腹を壊さないか心配なくらいイチゴを食べてました。

ようやくウガンダへ

2007-08-25 08:08:58 | 学業
8月24日(金)。

フランスから帰って、すぐに取り掛かり始めた質的リスク分析というのがなんとか今日終わったため、次のウガンダで必要な作業が、ようやくまとまりました。指導教官たちの反応もなかなか良かったです。

長かった・・・。

しかし、研究で学んだことをすぐに生かせたので、すごく良かったと思います。全て一人でやったので、初めはどうしようかと思いましたが、モデルが組み上がってくると、とても楽しいものです。これで研修の成果が認められれば、文句なしでフランスへの旅費や参加費も払ってもらえるでしょう。

調査に必要な診断抗原を、アメリカ政府から買う予定なのですが、これにはウガンダ政府の輸入許可証が必要で、普通のプロセスだと、いつもらえるか分かりません(第一僕は今スコットランドにいるしね)。

うちの教室の学生も丁度今、誰もウガンダにいないので、まだお会いしたことのないJICAの専門家にメールでお願いして、昨日申請書を出してもらいました。先生のプッシュが効いたのか、なんと翌日の今日には許可証が発行され、スキャンしたものがもう送られてきました。これで間違いなく調査を始められるというわけです。

いやぁ、もうすぐだなあ。9月10日頃にはウガンダに行く予定です。実りある調査になりますように。

先輩を迎えて

2007-08-23 08:20:46 | いろんな人がいるよ。
8月20日(月)。

3年前の8月、僕はまだ生活の安定した地方公務員で、難関の奨学金と二つの大学院の試験に受ってしまって、退職するか大学院を諦めるか最後の選択に迫られていました。

大変多くの友人、家族、そして先輩方に相談した訳ですが、大学を選んだ後、最後に具体的なことを教えていただいたのが、I大学のO先生でした。

O先生は、僕と同じく青年海外協力隊に参加後、数年を経て、同じ奨学金に受かり、そして同じくエディンバラ大学で熱帯獣医学修士課程を学び、1997年に卒業されました。

3年前にアドバイスを頂き、それからは数回メールのやり取りがあっただけでしたが、とにかく一生懸命やって、国際学会で発表したり、結果を残すこと、という具体的なアドバイスも頂きました。僕は、それらを忠実にこなして来ました。すると、気が付かないうちに、割と良い結果を残して来られたのです。

今回、10年前にエディンバラで生まれたお子さんと先生ご夫婦で久し振りの観光に来られました。O先生御一行が日本に帰国される前日でしたが、僕もフランスから帰り、何とか我が家に招待することが出来ました。

先生の奥様も、うちの妻と同じ先生に英語を習っていたことが分かったり、10年前の風景がどうだったか知ることが出来てとても面白かったです。先生のお子さんを見ていると、数年後にはうちの子もあんなにしっかりするんだなあ、と感慨深くなりました。

エディンバラ城から、毎日午後1時に空砲が鳴らされるらしいのですが、これを両家族の奥様方は知っているのに、両亭主は知らなかったのも笑えました。O先生は、10年以上知らなかったわけです。僕も、もう3年も住んでいるのに、こんな毎日の慣習に気付かなかったとは、危ないところでした。

楽しい時間はあっという間に過ぎて、最後にまたアドバイスを頂いてしまいました。

「大志を抱いて、それに向って頑張ってください。」

僕には、志の大きい、小さいという区別はあまりないのですが、今感じる、考えていることを実行に移してみたいと思っていたので、なんだか追い風のようなものを受けたように感じます。

日本を遠く離れてしまって久しいですが、こうして、忘れることなくアドバイスを下さる数少ない先輩、恩師は、本当に有難いものです。

これからも、今を大切に、世界の人々を大切に、頑張って行きたいと思います。

モンペリエ

2007-08-22 07:10:39 | 学業
8月19日(日)。

15日に出発し、16日から3日間の研修を終えて、19日に帰ってきました。

研修は、「リスク分析」。最近、世界中の様々な分野で大変重要視されている分野です。

初め、研修に着いて行けるか心配でしたが、蓋を開けてみると、すごく面白かったです。講師は、ロンドン大学のRoyal Veterinary Collegeと、フランスの農業研究機関CIRADの職員および大学院生。特にロンドン大学のレベルの高さを垣間見ることが出来ました。

3日間では短過ぎるのだけれど、他のリスク分析コースに比べて格安なため、値段から見ると、内容は濃くて、満足できました。優秀な講師に習うと、こちらの頭の回転も速くなって、驚くほどたくさんのことを吸収することが出来ます。相手も、学ぶ側が熱心だと喜んで教えてくれる。最高でした。

また、毎日の昼食を、CIRADの食堂で摂るのだけれど、これがフランスレストランなみに美味しい!のです。最終日は、山の中の小さな町へ行き、そこでランチ。嗚呼、南フランス!地中海の温暖な気候と美しい自然、最高の料理とワイン、全く素晴らしいところです。

帰って、早速学んだリスク分析の手法を使い始めました。さてさて、どういう風に研究を組み立てて行こうか、とても楽しみになって来ました。

写真は、モンペリエの中心部、コメディという広場にて、他の参加者達と。

投稿完了

2007-08-15 04:38:26 | 学業
8月14日(火)。

今日午後5時、ようやく初めての学術誌への投稿が終わった。
大体原稿が固まってから、意外と時間がかかった。いろんな人のアドバイス、指導教官の意見を取り入れるのは、大変だったけど、とてもいい経験だったと思う。

研究者の名前の順番も、学問の世界では非常に重要になるので、とても気を使う。しかし、僕のペーパーでそれだけ一生懸命になって名前の順番を主張してくれるのだから、どうでもいい、という態度よりは全然いい。

なんだか気を使って疲れる作業だったが、もうそれは置いておいて、明日からフランス、モンペリエだ。短期間のコースなので、タフな5日間になると思うが、楽しんで来たい。

お祭り

2007-08-14 17:47:26 | エディンバラの見どころ
8月12日(日)。

家から歩いて3分ほどのメドウズで、フリー・イベントがたくさんやっていたので、観に行ってきました。

コンサート、大道芸、音楽、舞踏、パフォーマンスを4箇所くらいのステージでやっていました。

うちは、小さめのステージで、粘って粘って一番前まで移動し、かなり楽しめました。写真は、フラメンコのライヴ。かっこ良かったです。祭りらしい一日でした。
みんな大満足。

映画前にカフェインはいけません

2007-08-13 02:19:00 | イベント
8月11日(土)。

今、エディンバラ・フェスティバルだからなのかどうか知りませんが、日本の「ゲド戦記」が来てます。夕方に、家族3人でそれに行ってきました。

映画は約5年振り。妻のお腹が大きくなって、「千と千尋の神隠し」を観に行って以来です。前回の映画が宮崎(父)監督によるものだったのも、偶然です。

午後3時に、パブで合気道のエリックとフランス語の会話練習をした時に、エスプレッソを飲んでしまったのが、まず間違いの始まりでした。

この時点では、夜はチリ人の友人宅にお呼ばれする予定だったので、何も気に掛けていなかったのです。4時過ぎに家に帰ってくると、夕食の予定がキャンセルになっていたので、妻と話し合って「ゲド戦記」を観に行くことにしました。そこでさらにお茶を飲んでしまったのがアホでした。

6時に映画館に着き、子供ははしゃいでポップコーンを買い、僕はコーラを注文し、席に着きました。随分小さい上映室で、その上ガラガラだったので、何も気にせずコーラをたくさん飲んでしまいました。あまりにも映画が久し振りだったので、鉄則を忘れていたのです。

映画が始まって15分もしないうちに、なんとなくトイレに行きたくなりました。しかも、小さい上映室なので、通路が片側にしかなく、端っこに座っていたので、出るに出られません。

そのうち、だんだんたまらなくなってきて、体に力が入りだしました。4歳児の息子は、静まり返った会場の中で、
「どうして?どうして?」と繰り返します。怖いシーンで、
「もうお家帰りたい。」と言ったので、これを口実に外に出ようとしました。
しかし、じゃあ出よう、と言うと、まだ観る、と言うのです。作戦失敗です。

時計を何度も確認し、開始から1時間半たった時、ついに朦朧として気分が悪くなってきました。妻にも勧められ、ソーリーソーリーと言いながら、狭い席の間を泳ぐように抜け出し、会場を後にしたのでした。会場は満席だったので、戻ってくる気にもなれませんでした。

一人で映画館を出ると、もう二度と劇場関係には来るもんかと思いました。初めは5年振りの映画ですごくウキウキだったのに、とても悲しい結末。映画自体は、あと20分我慢できたら終わりだったのです。

スクリーンの端にでも、残り時間あと何分とか出てたら我慢出来たかも知れません。でも、終わりがいつか分かってしまう映画なんて、とんでもないですもんね。

また映画館に行きたい。その時はもちろんカフェイン抜きで。