まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

卒業祝いパーティー

2007-09-30 22:31:50 | 異文化
9月30日(日)。

昨日は、ウガンダ政府情報省事務次官の息子さん、娘さんの卒業祝いパーティーに招待されて、イガンガという町に行ってきました。

このお宅、お子さんが11人もいます。
昨年、ご長男の卒業祝いパーティーにも出席しましたが、兄弟が仲良く、家族愛がとてもしっかりしています。

ネパールでも、ウガンダでも、発展途上国というのは、家族愛や人間愛に溢れています。そういう家庭が外国人でも受け入れてくれるからなのかも知れません。北部の紛争地域では、少年兵の問題が今でも続き、それどころではないという現状も、ウガンダにはあります。

パーティーにはバソガ族の優秀な成功者が多く出席していて、僕もすっかりこの仲間の一員になりました。有難いことです。

家族、親戚付き合いは面倒くさいとかいろいろ難しいこともありますが、やはり親戚、友人が集まれる環境というのは、とっても大切なものだと心から思いました。

それにしても、卒業祝いパーティーを家族でやるなんて羨ましい。僕も強引に頼もうかな。ああ、早く卒業もしたい。

解決策の発見

2007-09-30 22:05:43 | 学業
9月30日(日)。

これまでの2週間の調査で、ウガンダの首都カンパラからブルセラ病を減らす解決策を発見出来たと思います。

カンパラの牛乳屋さんで売られている牛乳のほとんどは、ンバララという牛乳生産地帯から送られていて、殺菌処理は全く行われておりません。

昨年と違うのは、ンバララからの牛乳の輸送に、保冷トラックが導入され、水の混入を防ぐために、各牛乳屋で牛乳検査が導入されたことです。

カンパラとその周辺部では、乳牛の飼育が奨励されており、これらの地域からは、移動牛乳屋が自転車に50リットルのミルクを積んで、都市部の居住区に牛乳配達をしています。牛乳は未殺菌で、各家庭にミルク缶から牛乳をすくっては売っています。

つまり、ンバララとカンパラに援助を使ってでも牛乳の殺菌センターを建設し、牛乳が必ず処理されてから売られるようにすればいいわけです。

昨日、ウガンダ酪農新興事業団の理事長と話をしましたが、調査で発見した流通経路は理事長の把握しているものと一致し、解決方法にも理解が示されました。

こうやってまとめて書いてしまうと、至極簡単なことのように受け取れますが、その過程は結構大変なのです。

さて、来週は、実際都市部と都市周辺部の牛が、実際どの程度ブルセラ病に感染しているのか、その調査が始まります。

ここ一週間ちょっと

2007-09-23 23:51:09 | Weblog
9月23日(日)。

検査キットは、無事ウガンダに着いて、なんとか必要な温度(4℃と-20℃)に保存することが出来ました。

住んでいるのは、今回は高級住宅街にある友人のアパートに間借りしています。この友人は、2004年から2005年にエディンバラ大学に留学していた人で、現在はJICA職員です。エディンバラでもウガンダでも一緒なんてすごい偶然ですが、お陰で非常に助かってます。前回スラム街近くに住んだのも楽しかったけど、やはり今の方が快適ですね。

ここ一週間は、研究に必要な資材の調達と、牛乳屋へのインタビューおよびサンプリングで終わりました。考えていたよりも時間がかかっているので、イギリス帰国もちょっと延びることになりそうです。

昼間は、やはりすごく暑いです。やっぱり赤道直下の日光は厳しいですね。でも夜は、とても気持ちの良い風が吹きます。

ウガンダ西部と北部では、アフリカ大陸を横断している大洪水のお陰で、道路は寸断され、物資調達もままならず、国連食糧計画(WFP)によるヘリでの食糧輸送が始まったんだかこれから始まるんだかというところです。農作物収穫の時期だったので、今後6ヶ月分の食糧にあたる作物が流されてしまいました。

僕のいるカンパラは、断水になるくらいで、洪水は起きていませんのでご心配なく。

そんなところです。友人宅からはインターネットが使えないのし、普段は朝から晩までフィールドにいるので、やはり週末に一回ゆっくりインターネットカフェでブログも更新出来ればいいなというところです。

ま、元気でやっておりますので。



繋げる気持ち

2007-09-14 08:44:02 | 学業
9月13日(木)。

明日ウガンダに持って行くエライザという検査キットが、イギリスの獣医学研究所からやっと届きました。
ぎりぎりまで計画を綿密に立てていたので、キットを無駄にしないように買うと、ぎりぎりになってしまったのです。

全く毎日ブログを書く余裕がないほど作業は多く、2週間後に使うもう一つの抗原の代金がアメリカの獣医学研究所に届いていないため、まだウガンダに発送されていません。それでも、もう期日が来てしまったので、とにかくウガンダに行きます。

バスでやっと届いたエライザキットを、帰りの停留所から歩いて持って帰っている時、ちゃんと保冷が保たれている状態でウガンダに着き、ちゃんと検査が出来ますようにと、全く祈る想いでした。

一つの病気がコントロールされていく過程では、非常に多くの人の、こういう祈るような気持ちがとても長い線をたどって行って、それが上手く繋がってやっと達成されるわけです。

全く、気が気でなく、よく眠れない日々も続いているわけですが、どうかどうか、必要な全てのキットがウガンダに無事届いて、最後に検査できる状態までたどり着けますように。結果を公表して政府やWHOが病気のコントロールに動き出したとしても、まだそれは始まりで、この長い線は多くの関係者に分散しながら続くのです。それを繋げるには、やはり気持ちが大切なんだと思います。

そういう訳で、14日朝6時の便で、行ってきます。エンテベ空港到着は20時30分の予定です。

入学式シーズン

2007-09-11 07:29:58 | 異文化
9月10日(月)。

1週間ぶりの日記です。
ここ最近、金曜からのウガンダ行きの準備に追われていただけでなく、いくつか送別会やパーティーがあって、忙しくしていました。とりわけ、出来るだけ子供との時間を大切にしたいので、ブログは一番後回しになってしまいがちです。でもお陰で、今までは妻がいないと眠れなかったのに、今日は僕だけで寝かしつけることが出来ました。

さて、今日から1週間は、Fresher's weekと言って、エディンバラ大学の新入生が入学し、慣れるための週です。

キャンパスは、3年前自分がそうだったように、大学の案内図を持った人達で溢れかえっています。何だかこの季節は、自分までそわそわして来ます。人がたくさんいて大変な時期だけど、自分も2ヶ月いなくなるため、事前に学生ビザ延長の手続きのため国際課オフィスに行かなければならなかったり、明日は学部事務所に、今回のフィールド調査の奨学金の申請に行かなければならず、てんやわんやです。

金曜からはウガンダにいるので、さらにインターネットにアクセス出来なくなると思われます。時間がないので、週休一日での作業になるだろうし、朝から夕方まではフィールドで、夜は検査と検体保存、データ入力という作業になるので、ますますブログから遠のきそう。

しかし、久々に牛に触れるのは嬉しいなあ。血液を扱うので、しっかりグローブを使わないと、何をうつされるか分からないなあ。いやあ、楽しみ。

エディンバラ・メラ2007

2007-09-03 08:23:33 | イベント
9月2日(日)。

大学時代の友人で、メラくんという方がいますが、今日のタイトルは、彼のことではありません。

メラというのは、ヒンドゥー語、ネパール語などで、「お祭り」という意味です。
エディンバラには、南アジア人口もかなり多いので、メラが毎年盛大に行われます。

今まで残念ながら参加したことが一度もなかったのですが、今日テスコで買い物をしていたら、友人のサムから電話があったので、急遽行くことにしました。

実は、金曜の夜中から天馬がまた風邪から喘息を起こし、僕も連日のハードワークとうつされた風邪で頭が痛く調子があまり良くなかったのですが、ちょっと仕事から現実逃避をするため行って来たのです。

ヒンドゥー語かウルドゥー語のラップって、初めて聴きました。ちょっとしか聴けなかったけど、独特の太鼓も加わってかっこ良かったです。久し振りにコテコテのヒンドィーダンスも観れて良かったです。

ヒンディーダンスといえば、実はネパールにいた時に、同期隊員みんなで踊ったことがあります。僕はサングラスを掛けて、曲の終わりにそれを投げ捨てる、という役をやりました。サングラスをかけて、投げ捨てるなどという行為は、生まれてこのかた、ただ一度しかやったことがありませんが、気持ちが良かったように記憶しています。多分これから先もやることはないでしょう。ヒンディーダンスには、そのように、日常恥ずかしくって出来っこない仕草が含まれているのですが、ヒンドゥーの文化圏では大受けなのです。

あまり予想していなかったのですが、歩いていたら、
「エー、ぶっだ(僕のネパール名)じ、ナマステ!」
とネパール料理の出店やネパール文化紹介のテント周辺で方々から声がかかり、大忙しでおしゃべりしました。気が付いたら、エディンバラにもこんなにネパール人の知り合いが増えていたのです。

ネパール語を話せるというのは、国際社会において、仕事上ではあまり役に立ちません。何しろネパールだけでしか通用しないわけですから。それよりも、英語、フランス語、スペイン語、アラブ語、中国語のどれか(複数可)を話せると、かなり便利です。

でも、特にちょっと最近疲れ気味だったので、ネパール語を話せるというだけでこんなに優しい人たちと話せて、癒されたのですから、人生に何が得かというのは、全く分からないものです。とにかく癒されました。

息子も、喘息がすっかり治って、今はスースー気持ち良さそうに寝ています。目出度し、目出度しです。




皆で集まるということ

2007-09-03 08:11:46 | ほっと一息。
8月31日(金)。

最近、うちの熱帯獣医学センターの学生で集まる機会がしばらくなくなってしまっていたので、先週皆に、思い切ってミーティングを開かないかとメールしたら、結構反応が良かったので、早速今日午前中にミーティングを開きました。

目的は、情報交換と、他の学生がやっていることを知ることで見聞を広くすること。言い出しっぺなので、僕が5月にアムステルダムの国際学会で発表した内容をもう一度話しました。

最近こういう機会がなかったこともあって、皆食入るように聴いてました。質問もかなり多く、参加者には大変満足してもらえました。次回は3週間後とのこと。僕はウガンダに行っていていないけど、こういう会はあった方がいい。

夜は、エディンバラの大学院生達でパブに集まりました。ほとんどが初めて会う方たちばかりで、こういう機会がないと、エディンバラにいても、会うことがないんだなあと痛感しました。主催者の方に感謝です。こちらも、また定期的な集まりが始まりそうです。人が集まるのって、大切なことですね。