とても良い小説と作家さんに出会えました。たまたま思い出した千利休に感謝です。
物語は前に紹介した通り、死の直前から過去へ過去へへと遡る形で進んでいきます。まるで階段を一つ降りてくるりと物語を見て、また一つ下の段に降りていくような感じです。
とても不思議な進行形式ですが、実は「タラレバ」の歴史にはぴったしだと気付きました。初めのうちはなんとか助からないものかという気持ちで歴史の分かれ道を眺めている気分になります。
そのうち、利休の聡さとその智力の深さに引き込まれて行きます。遠縁が徐々に剥けてくる感覚を持ちます。
白い手 -あめや長次郎- という切腹から六年前 聚楽第完成間近の章が私にはこの物語の頂点に感じました。
瓦屋の長次郎に利休(宗益)は茶碗を焼いて欲しいと頼みに来るのです。
掌(て)に寄り添うような茶碗を轆轤(ろくろ)などを使わずに作って欲しいと頼みにきて、初めの作品を扱き下ろします。
世辞を云えないのでと断った上で、あざとい、賢しら(さかしら)、作者のゆがみが形を成してしまったと嘆き、掌に寄り添うというのをあなたは掌に媚びてしまったとピシャリと言い放つ場面が圧巻です。
凄い作家さんに巡り会えたものだと感心し、利休を深くいくことを一旦休んで、この作家さん(山本兼一)の前の作品 火天の城という安土城を造った大工の話に飛び移ることにしました。
月曜日の帰りから読み始めて木曜日の朝に読み終わる。
最近の読書は時間がある分、速度が速くなりました。
物語は前に紹介した通り、死の直前から過去へ過去へへと遡る形で進んでいきます。まるで階段を一つ降りてくるりと物語を見て、また一つ下の段に降りていくような感じです。
とても不思議な進行形式ですが、実は「タラレバ」の歴史にはぴったしだと気付きました。初めのうちはなんとか助からないものかという気持ちで歴史の分かれ道を眺めている気分になります。
そのうち、利休の聡さとその智力の深さに引き込まれて行きます。遠縁が徐々に剥けてくる感覚を持ちます。
白い手 -あめや長次郎- という切腹から六年前 聚楽第完成間近の章が私にはこの物語の頂点に感じました。
瓦屋の長次郎に利休(宗益)は茶碗を焼いて欲しいと頼みに来るのです。
掌(て)に寄り添うような茶碗を轆轤(ろくろ)などを使わずに作って欲しいと頼みにきて、初めの作品を扱き下ろします。
世辞を云えないのでと断った上で、あざとい、賢しら(さかしら)、作者のゆがみが形を成してしまったと嘆き、掌に寄り添うというのをあなたは掌に媚びてしまったとピシャリと言い放つ場面が圧巻です。
凄い作家さんに巡り会えたものだと感心し、利休を深くいくことを一旦休んで、この作家さん(山本兼一)の前の作品 火天の城という安土城を造った大工の話に飛び移ることにしました。
月曜日の帰りから読み始めて木曜日の朝に読み終わる。
最近の読書は時間がある分、速度が速くなりました。