ThinkPadイズムを継承した8インチWindows 8.1 Pro搭載タブレット
ZIGSOWのほうでもレビューはしているのですが、こちらのほうでも改めて紹介しておきたいと思います。
ZIGSOWの「Microsoft Office 365 MidSize Business」のプレミアムレビュー商品としていただいた「Lenovo ThinkPad 8」は今年の1月に開催されたMWC 2014で発表された8インチWindowsタブレット。個人でも購入できるものの位置づけとしては企業向けタブレットに位置するモデルになり、個人向けにはThinkブランドではない「Lenovo Miix 2 8」が安価な価格で販売されています。
CPUは最新のBayTrail-T(Silvermount)プラットフォームの最上位CPU、Atom Z3770を採用。BayTrail-Tでは前世代のAtomであるCloverTrail(Atom Z2xxx)と比較するとプロセッサのクアッドコア化(ただしBayTrailでも2コアのモデルは存在する)、マイクロアーキテクチャの変更による処理性能の向上、余裕があるときはCPUをクロックアップして処理速度をより高速化するIntel Burst Technology 2.0の対応、内臓GPUをPowerVR SGX 544から自社製の第7世代Intel HD Graphicsに変更するなど大幅に機能強化・高速化がなされており、少なくともAtomがリリースされたころの「低電圧だけど処理速度は初期Pentium 4程度」なAtom N270とは全くの別物になっています。性能としてはIntel Core 2 Duo P8xxxと同程度の性能になっているようです。もちろんAtomの特徴である低電圧でバッテリーの持ちがいいという利点は受け継いでいますので、ThinkPad 8も最大8時間程度バッテリーが持つのでモバイル運用でも安心です。
同社のMiix 2 8も含めたほかのWindows 8.1搭載タブレットと比較すると一番安価なSSD 64GB+Office 2013 Home And Businessプリインストールモデルと比較すると実売価格が6万程度とかなり高めの設定になっていますが、その分前述のとおり搭載CPUがBayTrail-Tの最上位モデルAtom Z3770(ほかのWindows 8.1タブレットはAtom Z3740)になっているほか
搭載OSがドメイン参加やBitLocker暗号化などもサポートしたWindows 8.1 Pro(構成によってはWindows 8.1も選択可能)
液晶解像度がFullHD(1920x1200、10ポイントマルチタッチ対応)。一般的なWindows 8.1搭載8インチタブは1280x800
microUSBポートがUSB 2.0ではなくより高速化したUSB 3.0に対応(ただしOTGケーブルは付属していないのでUSB 3.0に対応したOTGケーブルを別途用意する必要あり。ただしUSB 2.0対応OTGケーブルも当然USB 2.0機器にしか対応しないものの利用可能)
といった差別化がなされています。逆に個人向けMiix 2 8にあるGPSがなぜか搭載されていないのはちょっと気になる部分だったりしますが…
気になるグラフィック性能は
Atom Z3770に内蔵されているGPUは前述のとおりIntel HD Graphics。これは第3世代CoreであるIvy Bridgeや現在のHaswellに搭載されているものと同じもので、これがかつてのIntel GMAとは別物ともいえる進化を遂げているという話だったのでちょっと期待していたのですが、消費電力との兼ね合いもあって実行ユニットが4つに、動作クロックが最大667Mhzまで落とされているということもあってだいぶGPUとしての性能は落とされているようです。
今回Windows Store版3DMarkとビジュアルアーツ製Sigrus Engineのベンチマークソフトである「ちはやローリング WE」、フロントウィングの3Dエロゲ「タイムリープ」のベンチマークソフトを回してみたのでその結果を張っておきます。3DMarkは参考までにNexus 7(2013)、先日までお借りしていたペリトラ君、搭載CPUのアーキテクチャは違うものの同じWindows (RT)8,1を搭載しているVivoTab RTのベンチ結果も張っておきます。
3DMark(Windows Store App)
Ice Storm:8815(N7:Maxed Out!!/SOL24:Maxed Out!!/Vivotab RT:3733)
Ice Storm Extream:3908(N7:6954/SOL24:Maxed Out!!/Vivotab RT:2075)
Ice Storm Unlimited:7715(N7:10007/SOL24:17135/Vivotab RT:3266 )
ちはやローリング WE 1.01
ランクD スコア 705154m
タイムリープ ぶーとべんち
平均12~15fps程度(800x600 Windowモード アンチエイリアスOFF 各種エフェクトON)
見た感じGPUとしての性能は「Tegra3に搭載されているGeForce ULP以上、SnapDragon S4 Pro(中身はSnapDragon 600)搭載Adreno 320未満)」という性能みたいです。Windows Storeの3Dゲームや軽めのClassic UI用アプリなら普通に動作すると思いますが、最新の3Dゲームはまず低解像度設定でも厳しい部分があるかもしれません。
艦これタブとして最適
プロセッサの処理能力が高い分、「艦これ」専用タブとしては最適な環境だと思います。
iPad miniはFlashが使えず、Androidタブレットもブラウザ上で動くネイティブなFlashはセキュリティアップデートも含めて開発が終了しており、あまり利用するのは推奨できない状況の中、WindowsタブレットはWindowsそのものであるがゆえにFlashもJavaもバリバリ普通に動作するのは最大の魅力だと思います。
艦これに関してもほぼストレスなく快適にプレイ可能でした。
デザインもThinkPad”らしさ”はしっかり継承しており、Windowsタブレットとしては程よいサイズのThinkPad 8。値段は高めですが、その分得られるものはほかのWindowsタブレットよりも大きくなっている完成度の高いタブレットになっていると感じました。