地上を旅する教会

私たちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。
でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

【主が来られるまで】「笑顔」の一時…緩和ケア 希望かなえ 淀川キリスト教病院 こどもホスピス

2014-09-23 21:47:03 | 今日の御言葉


兄弟たち、主が来られるときまで忍耐しなさい。
農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、
大地の尊い実りを待つのです。

「ヤコブの手紙」/ 05章 07節
新共同訳 新約聖書


私たちのすることは
大海のたった一滴の水にすぎないかも
しれません。
でもその一滴の水があつまって
大海となるのです。

マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)



★患者・家族に「笑顔」の一時…緩和ケア 希望かなえ
淀川キリスト教病院 こどもホスピス(上)

◆読売新聞 2014年9月21日 yomiDr.

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=105246&from=ytop_ymag

小児がんなど難病の子どもの看取みとりにも対応できる日本初の施設として、2012年に開設された淀川キリスト教病院の「こどもホスピス」(大阪市東淀川区)。医師や看護師らは、治療中心ではない観点から、重い病気の子どもらに向き合う。何よりも重視しているのは、子どもらが家族や仲間と過ごす時間だ。

■ □



▲盛況だった「あやかふぇ」。終了後に
「お客さんいっぱい来たね」と声をかけられ、
綾香さん(左から2人目)が笑顔を見せた
(4日、大阪市東淀川区で)
=若杉和希撮影


4日午後。入所中の子どもや保護者、看護師らが、キッチンやテーブルのある「おうち」と呼ぶスペースに次々と集まった。小児がん患者の森山綾香さん(26)が開く「あやかふぇ」が目当てだ。

「ジュースください」

子どもたちからオモチャの通貨を渡されると、綾香さんが飲み物を手渡す。笑い声に包まれ、穏やかな1時間が過ぎた。

綾香さんは9歳で脳腫瘍が見つかり、一度は完治したが再発した。今も大阪大病院(大阪府吹田市)で治療を受けている。こどもホスピスには今年5月から、月に1週間ほど滞在している。

緩和ケアでは、難病患者の「生活の質(QOL)」の向上とともに、家族支援にも焦点を当てる。患者や親の希望をかなえることは重要な仕事の一つだ。

「夢企画」と呼んでいるプログラムでは、屋上で水遊びや花火をしたり、たこ焼きパーティーを開いたりしている。水族館などに出かけたい家族には、患者の体調を見極めたうえで、看護師が付き添う。

ホスピス・こどもホスピス病院長の鍋谷まことさん(52)は「緩和ケアといえば、死を想定する人が多い。でも私たちは、積極的な人生を送るためのものととらえている」と話す。

■ □

綾香さんのように、治療の合間に訪れる患者もいれば、治療法が尽き、残された時間を過ごすために滞在する患者もいる。

痛みを和らげる薬だけでなく、抗がん剤の服用も認めるが、治すことを最優先にしない。だから時には、医療の「常識」との間で難しい決断を迫られる。

「好物だったアイスクリームを食べさせてあげたい」

昨年の初夏、治療先の病院からこどもホスピスに移った2歳男児の両親が、医師らに告げた。男児は脳腫瘍が進行し、放射線や抗がん剤といった治療が効かなくなったために転院。気管切開して人工呼吸器を着けていた。

通常なら、受け入れがたい要請だ。気管切開した患者はうまくのみ込めないので、食べ物が気管に入り、肺炎になる可能性が高い。医師らは悩んだ末に、可能な範囲で両親の思いに応えることにした。

アイスクリームをスプーンで口に運び、すぐに吸引器で吸い取る。男児は不思議そうな顔をしながらも、口に広がる味を確かめていたという。男児は昨秋、こどもホスピスで亡くなった。

「終末期の患者が、意識があって、笑っている時間は限られる。その時間を大切にするため、医療者は家族に寄り添い、選択を尊重すべきだと思っている」。患者と家族がいい時間を過ごせる緩和ケアのあり方を求め、鍋谷さんらの模索が続く。(新井清美)



小児専門施設 全国に1か所

がんなどの患者と家族を対象に、医師や看護師、薬剤師による専門のチームが、痛みの緩和とともに、安らぎや癒やしの提供といった精神的な支援を行うのが、緩和ケアだ。

専門施設としては「ホスピス」や「緩和ケア病棟」がある。医療保険制度で承認された施設では健康保険が適用される。非営利団体「日本ホスピス緩和ケア協会」によると、6月1日現在で全国308施設が承認されている。小児の施設は淀川キリスト教病院のみ。

(2014年9月21日 読売新聞)




★=世界のトビラ=(20) 
子どもたちにモノ作り伝える

◆佐賀新聞 2014年09月21日 11時03分

http://www.saga-s.co.jp/sp/news/saga/10105/106521


▲ビサレセカンダリースクールの生徒たち
=新名さん提供



【ソロモン諸島(上)】 新名真明さん(28)

ソロモン諸島最大の島、ガダルカナル島。島の北西部に位置する首都ホニアラ市の西約40キロに、ビサレ村はある。2008年9月、この村のビサレセカンダリースクールで、機械工学専攻の大学院生、新名真明さん(当時23歳)=鹿島市在住=は、技術科の指導にあたっていた。

幼いころからモノ作りに関心があった新名さん。大学でも機械工学を学んでいたが、海外の学生との交流を通じて「視野を広げたい」と一念発起。大学院進学後すぐに休学し、協力隊の活動に参加した。赴任したセカンダリースクールでは、13~17歳の男女200人が学んでいた。キリスト教の学校で、カリキュラムには宗教学などの授業もある。ここで、木工や製図の仕方、金属加工を生徒たちに教えた。

もっとも、赴任当初は思うように授業ができたわけではない。現地で使われる英語を簡略化した言語「ビジン」が話せなかったからだ。その結果、折り紙を披露したり、自動車の資料を見せたり。生徒とコミュニケーションをとることに終始した。生徒に質問されても答えられず、翌日までに調べてなんとか回答する。こうしたもどかしい状態が、2~3カ月続いた。

もちろん、手をこまねいてはいなかった。「子どもたちにモノ作りのおもしろさを伝えたい」-。活動前からそう考えていた新名さんは、さまざまな道具を製作して、生徒に披露した。

例えば、数学科教師が指導時に使用する大きな三角定規などの教材を作った。授業で教材が活用され、興味を持ってもらえると手応えを感じた。また、海岸沿いに暮らす現地の人々は、日ごろから魚を採る。この習慣に着想を得てオリジナルの銛(もり)も作った。トリガーを引けば銛が飛び出す仕掛けを施した。

心がけたのは、製作に取り組む姿を見せることだ。生徒たちが投げかける質問には、しっかりと向き合おうと努めた。「自分が楽しまないと、モノ作りが楽しく見えない」-。作業に熱中していると、自然と周囲には生徒が集まっていた。



南太平洋のメラネシアにあり、主要6島と周辺の約1000の島で構成される。面積は岩手県の約2倍の2万8900平方メートル、人口56万1200人(2013年)。19世紀から英国領だったが、1978年に独立した。主要産業は農業、漁業。国民の95%以上がキリスト教徒。

(佐賀新聞 2014年09月21日 11時03分)

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