過去わずらい

2018-03-06 18:42:05 | 戯言
Mくんが勤務していたM病院は、うちからわりと近いのだけれど、
私の行動範囲とはちょっと違う。

時々行くスーパーの帰り道に、病院の駐車場の一部が見える道を通る。
今でも、Mくんの車を探してしまいそうになる。
でも、今の私は、Mくんがもうこの病院とは関係のない人だと知っている。
もしもMくんと連絡が取れるようになっていなかったなら、
あの日の「またM病院に戻るかもしれない」と言ったMくんの言葉を頼りに、
遠回りをしてM病院の近くを通って、Mくんの車を探しただろう。

仕事でよく通る道から、M病院が見える。
暗くなると、病院名に明りがともって、遠くからでもよく見える。
その明りをみて、いつも胸をキュンキュンさせていた。
今は虚しく光っているだけ。

町中で、よくM病院の車を見かける。
今でも、見かけるたびに運転している人を確認してしまう。

病気だなあ…。

今も、Mくんの口先だけの言葉を心の拠り所にしている。

Mくんは、今は自宅から、M病院とは反対方向に、
多分、M病院に通っていたのと同じくらいの時間をかけて通勤しているらしい。
その町は、奇しくもかつてTくんが住んでいた町だ。
MくんにそっくりだったTくんだけれど、
今はそのことに何の意味も思い当たらない。

Mくんはもう、この町とは縁のない人になってしまって、
私が見つけた時々Mくんの写真が載っていたHPにも、もう写真が載ることはないのだろう。
M病院でやっていた健康教室は続けるのだろうか?
M病院の同僚さんたちとは仲が良かったみたいなので、しばらくは続けるのかもしれない。

もう何も繋がりは無くなってしまったのかなあ?

それでも、今もMくんの口先だけの言葉を心の拠り所にしている。