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アジとコイが泳ぐ「好適環境水」とは何?森のマグロ・プロジェクト進行中!

2011年11月23日 | テクノロジー

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 アジとコイ、仲良く泳ぐ水槽
 「初めて見た。すごいね」2010年ノーベル化学賞を受賞した鈴木章氏が感想を述べた。それもそのはず、水槽の中を、コイとアジと一緒に泳ぐ姿を目の当たりにしたからだ。

 11月19日、岡山理科大学(岡山市)で、アジやエイといった海水魚と、ニシキゴイ、アロワナなどの淡水魚が一緒に泳ぎ回る不思議な水槽が完成した。12種約20匹が同居している。

 工学部の山本俊政准教授が、海水の約60の成分を調べ、海水魚に欠かせない最低限の成分や濃度を解明。淡水に、ナトリウムやカリウムなど数種類をわずかに加えることで、海水魚も生息できるように工夫した。

 お披露目には、同大学特別栄誉教授でノーベル化学賞受賞者の鈴木章さんも出席。興味深そうに見つめ、感心していた。(2011年11月19日  読売新聞)

 「好適環境水」は、どんな水か?
 好適環境水は10Lの水に魔法の白い粉10gを混ぜて、完成する。その成分は何だろう?山本俊政准教授いわく、「企業秘密」だとか。

 好適環境水とは、魚類の代謝に最低限必要な物質を含んだ水だ。山本准教授は、魚の浸透圧調整に深く関わるナトリウムやカリウムを含む一部の電解質を特定した。わずかな濃度の電解質を真水に加えるだけで魚類の代謝に最低限必要な物質を含む水「好適環境水」(特許出願中)を開発した。 

 好適環境水を開発するきっかけは何だろう?山本 研究室は海から35キロも離れている。その場所で、ディズニー映画「ファインディング・ニモ」で一躍脚光を浴びたカクレクマノミの大量繁殖に2005年、日本で初めて成功した。しかし、汚れた海水を浄化・再生などは常に悩みの種だった。

 そんな時、ある学生が「海産のプランクトンを純淡水で育てたい」と大まじめな顔で相談に来た。できないことを証明する体験をしてもらおうとゴーサインを出したのですが、その一週間後、彼が笑顔で「できました」と走って報告に来ました。

 「そんなバカな」。その後の実験ではまったく再現できなかったが、原因は海水タンクの洗い方が不完全で、ごく微量の海水が残っていたためと判明した。この時に「プランクトンは超低濃度の水でも、ある一定のミネラルが支配していれば生きられるのでは…」と気づいた。さらに「海水不足で苦労している専門学校での魚類の飼育にも応用できるかもしれない」と考えた。

 天然海水は60種以上の成分を含み、人工海水にも20種以上の成分が必要とされる。山本 メーカーはいかに成分を増やし、他社との差別化を図るかが開発の歴史でした。その発想を大転換した。成分を増やすのではなく、必要な成分は強化するが不必要な成分は徹底して減らす。濃度や組成間のモル比をダイナミックに変えた何百もの水槽で実験を続けた。

 最終的に、わずか数種類の成分だけで魚を飼育できる好適環境水に到達。現在では、海水魚を飼育する上で必須とされる主要成分さえも削った「究極の好適環境水」へと進化を遂げている。

 海水の養殖との違い
 好適環境水で飼育した魚の方が代謝が良く、海水養殖より短期間で成長する。また、海での養殖には魚病や寄生虫に対応した抗生物質やワクチンが欠かせないが、好適環境水ではこうしたリスクが皆無。この施設には抗菌剤や薬の類は一切置かず、安心安全な養殖を実現している。

 海での養殖も色々問題がある。まず、薬品使用の問題が挙げられる。塩水の中にズーッとつけたままの囲い網に貝類が付着しないように、また網自体が長持ちするように、薬品が使用されている。

 その薬品が、養殖をされた魚や、海に悪影響を与えるという指摘がある。例えば、はまちの養殖で、薬の影響などで背が曲がったはまちが、魚市場で安く取引されているということも言われている。そしてその、背曲がりのはまちが、スーパーの切り身や、弁当に使われていると言う事も・・・。その点、この好適環境水での養殖は、薬不使用なので、今までの養殖からすると安全性は高い。

 エサを100%管理できるため、天然魚で問題となる水銀もほぼゼロ。しかも好適環境水は、人工海水に比べて60分の1の低コストですむ。

 また、養殖魚は市場価格の大幅な乱高下には対応できない。朝から晩まで家族で懸命に養殖に携わっているのに報われないこともある。これはおかしい。こうした水産業の現状を打破するために、好適環境水で「漁業革命」を実現したい。プラント型の養殖場を増やし、いつも安心安全な魚が天候に左右されずに安定供給できる次世代養殖が確立すれば、水産業は復活する。

 「森のマグロ」プロジェクトで町おこし
 学生の「好適環境水によるマグロの養殖に挑戦したい」との提案をきっかけに動き出した「森のマグロ」プロジェクト。陸上の閉鎖環境下で、海水を使わないクロマグロ養殖は、世界で誰も考えたことすらない画期的な挑戦であり、大胆不敵な事業だ。140トン水槽で好適環境水による飼育を始め、経過は順調。また、クエ、トラフグは商用運用を視野に、生産性の検証段階に入った。

 内陸部でのマグロ養殖のメリットは?「場所を選ばない養殖」だ。好適環境水を用いれば、どんな場所でも魚を養殖できるので、「山村を漁村」にできます。限界集落と呼ばれる地域にも産業を起こし、雇用を確保すれば、若者を呼び戻せる。廃坑や地熱、温泉水などを利用すれば、低コストでのプラント運営も可能だ。「長野マグロ」や「奈良ヒラメ」も夢じゃない。中山間部に新規事業を生み起こすためのアイテムにしたい。

 研究室に入った学生たちの目は輝いている。自分たちの研究が未来の漁業を変えるかもしれない、漁業革命へつながる実験をこの手で取り組んでいるんだ…という実感がある。山本准教授も「君たちがトップの技術者になって、海外からも高い報酬で招かれるよう、今、頑張れ」と励まし、実現させるべく指導している。

 そもそも海水とは何か?
 海水は、海に蓄積される水。水を主成分とし、3.5%程度の塩(えん)、微量金属から構成される。海洋の塩分は地球上の観測場所により3.1%から3.8%のばらつきがあり、海洋において一様ではない。とくに河口や氷河の崩落する地域では汽水化されている。最も塩分が高い外洋は紅海であり、海水の蒸発量の多さ、降水の少なさ、河川の流入、地形により海水の攪拌が少ないことなどが影響している。死海など孤立している水域においては塩分が極端に高い場合がある。

 海水の塩分濃度は測定の位置により一様ではないが、塩分の構成についてはほぼ一定である。水 96.6%、塩分 3.4%である。この内、塩分は、塩化ナトリウム 77.9%、塩化マグネシウム 9.6%、硫酸マグネシウム 6.1%、硫酸カルシウム 4%、塩化カリウム 2.1%、「その他」…となっている。

 「その他」とは、主成分の塩素、ナトリウム、硫黄 、マグネシウム 、カルシウム 、カリウム以外の物質で、炭素 、臭素 、ストロンチウム、 ホウ素 、フッ素 、リチウム 、べリリウム 、アルミニウム 、スカンジム 、チタン 、バナジウム 、クロム、 マンガン、鉄 、コバルト、ニッケル、銅 、亜鉛 、ガリリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ルビジウム、 イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、銀、カドミウム、インジウム、錫・・など、合計60種類以上もある。

 希少な微量金属(リチウム、コバルト、チタン、ウランなど)を含有しているため、現在海水からそれらを回収する技術が開発途上にあるが、極めて微量であるため、現在の所採算性のある手法は発明されていない。

 また、生体の塩分濃度は約0.9%であり、海水の塩分濃度は生体よりもかなり高い。大量に飲まない限り害はないが、塩分が多く浸透圧が高すぎるため飲用には適さない。また、体質によりマグネシウムイオンに対して敏感な場合は下痢の原因となる。(Wikipedia)

ゴートゥスクール.com 魔法の水・好適環境水が誕生 好適環境水・森のマグロプロジェクト

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