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絶滅種865種!絶滅危惧種19,570種?IUCN「レッドリスト2011年版」

2011年11月15日 | 人類学

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 IUCN2011年版レッドリスト
 今年4月、ベトナムのカティエン国立公園内で、ジャワサイ1頭の死体が見つかり、遺伝子調査の結果、これまで見つかっていたふん全てがこのジャワサイのもであることが分かった。殺されたのはベトナムで生き残っていた最後のジャワサイだとWWFは判断した。これにより、ベトナムのジャワサイは絶滅した。

 今年11月に発表された、国際自然保護連合(IUCN)の、「レッドリスト」2011年版によると、何と865種が絶滅したことを発表している。人類は70億人を超えたが、野生生物は確実にその数を減らしている。

 IUCNが、調査した6万1914種の生物のうち、32%にあたる1万9570種が絶滅の危惧があるとされた。そのうち、3879種は、3段階で最高ランクの「絶滅の危険性が極めて高い」とされた。また、865種が「絶滅した」あるいは「野生では絶滅した」に分類された。(2011年11月12日  読売新聞)

 国際自然保護連合(IUCN = International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)は、1948年に創設された、国際的な自然保護団体である。国家、政府機関、NGOなどを会員とする。本部はスイスのグランにある。日本は1978年に環境庁が日本の政府機関として初めて加盟、1995年に国家会員として加盟した。また、日本国内の18団体(NGOなど)が加盟している。1993年には、旭硝子財団よりブループラネット賞が贈られた。

 レッドリストでは、生物の保全状況を、 絶滅(EX)、野生絶滅(EW)、絶滅危惧、絶滅寸前(CR)、絶滅危惧(EN)、危急(VU)、低リスク 保全対策依存(CD)、準絶滅危惧(NT)、軽度懸念(LC)、データ不足(DD)、未評価(NE)に分けて評価している。

 クロサイ激減
 IUCNレッドリストの最新版が公表された。調査対象は61900種にのぼる。今回の特徴はどんなところにあるのだろうか?

 レッドリストにあげられたことで、各国は集中して保全活動にあたることになっている。だが、哺乳類の25%が現在、絶滅の危険にさらされている。例えば、西部アフリカの黒サイの亜種、西黒サイ(longipes)は、公式に絶滅が宣言されている。中部アフリカのシロサイの亜種は、北のシロサイ(cottoni)、絶滅危惧(CR)から、野生絶滅(EW)となった。また、ベトナムのジャワのサイは、2010年4月に密猟により絶滅した。

 これで、ジャワサイすべてが絶滅したわけではないが、サイをターゲットとし、サイの角や商業密猟のための違法な需要を増加させる国際的な犯罪組織があり、サイにとって、直面する脅威となっている。"人間は地球環境を共有する多くの生物種を保護する責任があります、"と、サイモンスチュアート(IUCNの種の保存委員会)の議長はいう。

 サイの角は薬用になると信じられていたり、イエメン北部などではジャンビーヤ(短剣)の柄に用いられる。 角目的の乱獲により生息数は激減している。1996年における生息数は2,408頭と推定されている。地域別ではジンバブエでの1980年代における生息数は1,400-1,754頭、1990年における生息数は1,700、1993年における生息数は381頭、1996年における生息数は315頭と推定されている。またタンザニアでの1980-1984年における生息数は3,130-3,795頭、1996年における生息数は32頭と推定されている。 国際サイ基金によると、クロサイの数は徐々に戻っており、2003年には3610頭、2007年には4180頭となった。 世界中の動物園等の飼育施設では、飼育下での繁殖によって個体数を増やす努力が続けられている。(Wikipedia)

 マダガスカルの爬虫類激減
 爬虫類は、世界中の乾燥した島々で、生物多様性の重要な一翼をになっている。近年では、マダガスカル島に、より多くの爬虫類の種が発見されている。しかし、現在のレッドリストでは、マダガスカルの陸上爬虫類のうち、40%の生存が脅かされていることが明らかになった。

 マダガスカルには、爬虫類の保護地域がある。昨年そこに、新種は体長13センチで、ウロコに覆われた絶滅寸​前種、「ターザンカメレオン」が発見された。

 名前には2つの理由がある。1つは、このカメレオンの生息地が地元で“ターザン・フォレスト(ターザンの森)”と呼ばれる場所にあり、その近くにあるアンボディメロカ村が過去に“ターザンビル”という名前だったこと。もう1つの理由は、つるにつかまって密林を移動する“類猿人”ターザンにちなんだ名前をつければ、「新種とその生息地である森の保護への意識が高まるかもしれない」と研究チームが考えたからだ。

 「ターザンという名前は、森を守るために闘うジャングルのヒーローを表している」。 “ターザンカメレオン”は、アフリカ大陸の東の沖にあるマダガスカル島の東部で2009年に行われた夜間調査で発見された。ゲーリング氏によれば、吻(ふん、口先の部分)が平たいスペードのような形をしていることから、ほかのカメレオンと異なる種であることがすぐに判断できたという。

 生息数は定かでないが、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストで絶滅危惧IA類に指定された。マダガスカルでは2009年の政治危機以降、全土で大規模な森林伐採が加速しており、ターザンカメレオンの生息地も分断され、森の断片のパッチワークのように変わってしまった。サッカー場程度の面積しかない森もあり、断片を寄せ集めても10平方キロにしかならないとゲーリング氏は話す。

 それでも、研究チームは1カ所の断片だけで最大60匹のカメレオンを発見した。これは、ほかの森の断片でもこの新種が生き残っている可能性を示している。カメレオンのターザンは、今後もつるにぶら下がって次々に躍り出てくるかもしれない。 この研究は「Salamandra」誌2010年8月20日号に掲載されている。(National Geographic)

 植物にも絶滅危惧種
 植物は人類のとっても不可欠な資源であり、野生生物の生息地のためにも重要な構成要素である。植物は動物に比べ、IUCNレッドリストでは過小評価されている。今回、すべての針葉樹の見直しが行われた。結果、これまで心配していたことがはっきりした。中国の水松(スイショウ)(Glyptostrobus pensilis)は、絶滅寸​​前種とされた。

 スイショウは、中国の南東部が原産。日本へは明治時代の末期に渡来した。水辺などによく生え、高さは20~30メートルになる。下部の枝は水平または下垂して伸び、上部の枝は直立する。葉は針形で、秋には褐色に黄葉する。3月から4月ごろ、枝先に目立たない花を咲かせ、秋には小さな球果となる。中国では福利をもたらすとの言い伝えがあり、水田の畔などに植栽されている。

 減少の主な原因は、集約農業を拡大するために生息地の喪失であり、中国に残された野生の植物はない。ラオスで最近発見された中国スイショウのグループは、新しく建設された水力発電所のために水没し激減した。

 別の例では、イチイという植物がある。太平洋イチイの葉からは、タキソールという抗ガン剤がとれる。このため乱獲されており、絶滅危惧種に指定された。この他にも多くの熱帯植物の種が危険にさらされている。

 花崗岩の島、セイシェル諸島には、固有種の顕花植物が多い。この大部分を見直してみると、79の固有種で、77%が絶滅の危険にさらされていることがわかった。その1つが、ココ・デ・メール(Lodoicea maldivica)であり、絶滅危惧種にされた。

 ココ・デ・メールの日本名は「双子ヤシ」。木は20~30mの高さに黒々とした実を付けている。雌の木にだけなる実の中に不思議な形をしたヤシの実が存在する。実を付けるのには15年から20年の年月を有する。

 雄株の花房は細長い棒状のような形で男性のシンボルを思わせる。雌株は女性の臀部にそっくりなのを見て身を乗り出す。
持ってみるとずっしりと20kgほどの重さである。ユーモラスな男女のシンボルは昔からの伝説があるらしい。

 ココ・デ・メールは、また媚薬がとれることで知られている。そのため、違法伐採の脅威に直面している。現在、その種のすべての採取、および販売は厳しく規制されているが、大幅な闇市場の取引があると考えられている。

 オニイトマキエイもランクアップ
 IUCNレッドリストでは、最近まで、1種だとされた、マンタ(オニイトマキエイ)が、2種あることを明らかにした。リーフオニイトマキエイと、ジャイアントマンタレイ(最大で7メートルに達する)である。マンタは乱獲のため減少しており、どちらも、脆弱種として分類されている。

 ダイバーの間では非常に高い人気を誇る。性格はおとなしく、好奇心が旺盛で人なつこい。オニイトマキエイを飼うにはかなりの広いスペースが必要だが、水族館の大型水槽展示が普及するにつれ、オニイトマキエイを飼育・展示することも可能になってきている。沖縄美ら海水族館、海遊館などは大型水槽設備が充実しており、世界最大の魚ジンベエザメと一緒の展示が目立つ。

 フィリピン、メキシコ、モザンビーク、マダガスカル、インド、スリランカ、ブラジル、タンザニア、インドネシアでは漁獲されており、主に地元でひれ、皮、肝臓、肉、鰓弁が消費されているが、近年東洋医学の薬剤として乾燥したオニイトマキエイの鰓弁の需要が高まっており、東南アジアと東アフリカにおける漁の性質が自給から商業ベースに変化してきている。

 本種の漁獲が行われている南シナ海、フィリピン海、スールー海、メキシコの西海岸、スリランカ、インド、インドネシアでは、個体数の減少が報告されている。

 一回の産仔数が少なく繁殖力が弱いことから、一度個体群数が下落すると回復には時間がかかると推測される。ハワイ諸島やヤップ島付近に生息する個体群は生息域から遠くに移動しないことがわかっており、局地的に絶滅の危機に陥った場合、別の個体群からの個体の移入によって個体群が自然に復活することは難しいと考えられる。

 マグロの8種のうち5つは絶滅または近絶滅のカテゴリにある。例えば、ミナミマグロ(クロマグロmaccoyii)は、絶滅寸​​前に、大西洋クロマグロ(T. thynnus)は、絶滅のおそれに、メバチマグロ(T. obesus)は脆弱種に、キハダ(T. albacares)は準絶滅危惧種)に、、ビンナガ(T. alalunga)は絶滅に近い種にされた。この情報は、政府が、これらの種を保全するうえで貴重な資料になるだろう。

 このほかには、紅鮭が新たに、要注意とされた。両生類では、ヤドクガエルの仲間、ブレスド毒ガエル(Ranitomeya)、サマーズ毒ガエル(Ranitomeya summersiは)などがリストアップされた。両方とも、国際的なペットの貿易のため乱獲の脅威にさらされている。

 参考HP IUCN レッドリスト2011年版 地球の島巡りセーシェル諸島 プララン島、ココ・デ・メール

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