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国内で初めて氷河認定?立山の御前沢雪渓、2年連続の流動観測!

2011年11月16日 | 地学

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 立山の氷河、国内初の認定か?
 富山県の北アルプス・立山連峰で氷河が現存することが国内で初めて確認される可能性が出てきた。立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町)の研究チームが、雪渓内の氷塊が流動しているのを観測し、11月15日、東京都立川市で開かれた極域気水圏シンポジウム(国立極地研究所主催)で発表した。

 氷河は、一年中解けず、重みで長期間、流動する氷の塊。日本雪氷学会から認定されれば、極東アジアでは、ロシアのカムチャツカ半島とされる氷河の南限が一気に下ることになる。

 研究チームが調査した氷塊は、立山の主峰・雄山(おやま)(3003メートル)の東側斜面にある御前沢(ごぜんざわ)雪渓と、剱岳(2999メートル)北方稜線(りょうせん)の東側にある三ノ窓雪渓と小窓雪渓の計3か所。御前沢の氷塊は長さ700~800メートル、幅が最大250メートル、厚さ最大30メートル。三ノ窓は長さ約1キロ、幅100メートル以上、厚さ30メートル以上で、小窓は長さ約1キロ、幅150メートル以上、厚さ20~30メートルだった。(2011年11月15日  読売新聞)

 昨年に引き続き、移動を確認
 同博物館は昨年8月下旬~10月、御前沢雪渓で目印となるポールを氷塊に埋め込み、全地球測位システム(GPS)で動きを測定した。1か月あたり6~30センチ動いているとの結果が得られたが、学会から「観測期間が短く、誤差の範囲内では」との異論が出て認定は見送られた。

 今年は9~10月に三つの雪渓で測定。動かない岩盤上にGPSのポイントを設定して誤差も計測した。その結果、三ノ窓雪渓の2地点では約1か月でそれぞれ24センチ、31センチ、小窓雪渓の2地点では17センチ、32センチと、測定誤差(約4センチ)を大幅に上回る流動が観測された。

 御前沢では6地点のうち3地点で52日間に7~9センチと、2年連続で流動が確認された。同所の誤差は約1センチだった。カメラによる連続撮影でも、三ノ窓でクレバスが広がっていく様子や、御前沢でポールが下流側に移動していく様子が確認できた。

 同博物館の福井幸太郎学芸員(38)によると、観測した時期は氷塊を覆う雪が解けて荷重が少なくなるため、流動速度が1年のうちで最も遅い。福井学芸員は「最も遅い時期にこれだけ動いていれば、年間を通して動いているのは間違いない」としている。三ノ窓、小窓の年間の流動速度は少なくとも4メートル程度と推定されるという。

 日本雪氷学会の元会長、藤井理行(よしゆき)さんは「今年は誤差をはるかに超えた観測値で、実際に動いていることがはっきりした。学会に氷河と認められる可能性は非常に高い」と評価している。研究チームは今年度中にも論文を同学会に提出する。(2011年11月16日  読売新聞)

 氷河とは何か?
 氷河(glacier)は、山地では重力、平坦な大陸では氷の厚さと高さによる圧力によって流動する、巨大な氷の塊である。氷河は、山がちな、または傾斜した地形に、複数年にわたって氷や雪が堆積し、万年雪が圧縮されることでできる。下部には過去の氷期にできたものが融けずに残っている。氷河は侵食、堆積を活発に行い、独特な氷河地形を生む。

 地球の気温と氷河は密接な関係があり、海進、海退の原因となる。現在陸上に見られる氷河は、南極氷床、グリーンランド氷床を最大級として、総計1,633万km²に及び、陸地面積の約11%を覆う。近年は地球温暖化の影響でその縮小が激しく、問題となっている。 

 日本に氷河は残っているか?
 氷河でできる地形としては、立山連峰で、1905年(明治38年)に日本で最初に発見され学術的に記載された圏谷「山崎カール」がある。以後、多くの圏谷を含む氷河地形が国内で発見・調査され、日本に氷河時代が存在したことが証明された。

 これまで、氷河が過去にあったことを証明する地形は発見されたが、氷河自体は日本には発見されておらず、極東アジアの南限はカムチャツカ半島とされていた。

 ところが、立山の「御前沢カール」に、氷河の可能性のある「氷体」が発表された。2009年9月に北海道大で開かれた日本雪氷学会で、立山カルデラ砂防博物館の福井幸太郎学芸員(36)が発表。話題を呼んでいた。

 「御前沢カール」と呼ばれる雪渓に広がる「氷体」は、長さ700メートル、最大幅200メートル、厚さ30メートルで国内最大級。同博物館は実際に動いていることを確かめるため、10月から全地球測位システム(GPS)を使った測定を開始した。2010年10月には氷河であるかどうか結果が分かるという期待が高まっていた。

 氷河期とは何か?
 氷河期(ice age)は、地球の気候が長期にわたって寒冷化する期間で、極地の氷床や山地の氷河群が拡大する時代である。グリーンランドと南極に氷床が存在する現代、我々は未だ氷河期の中にいることになる。最後の氷河期は1万年前に終了したということになる。科学者の多くは氷河期が終わったのではなく、氷河期の寒い時期「氷期」が終わったとし、現在を氷期と氷期の間の「間氷期」と考えている。  

過去数百万年は、4万年から10万年の周期で多くの氷期が起こり、これについては研究がさかんに行われている。各氷期と間氷期ではそれぞれ平均気温が異なり、最近の氷期では年平均気温で7-8℃以上低下したというデータもあるが、「気温何度から氷期」というわけではない。その間にも小氷期、小間氷期が認められる。ヨーロッパでは「ギュンツ」、「ミンデル」、「リス」、「ウルム」の4氷期に区分されている。

 現在は間氷期?
 最近の氷期が終わったのは、1万年ほど前である。現在は典型的な間氷期が1万2000年ほど続いていると考えられているが、氷床コアデータによる精密な時期の断定は難しく、世界的な寒冷化をもたらす新しい氷期が間もなく始まる可能性もある。今のところ「温室効果ガス」を増加させている人為的な要因の方が、ミランコビッチの軌道周期のどの影響よりも重いだろうと信じられているが、地球軌道要素に対するより最新の研究は、人間活動の影響が無いとしても、現在の間氷期は少なくとも5万年は続くだろうとも示唆している。

 氷期と間氷期の変動に関連して、アメリカ国防総省が専門家に依頼して作成した地球温暖化の影響による大規模な気候変動を想定した安全保障についての報告書(Schwartz, P. and Randall, D. 2003)の存在が2004年に明るみに出て注目を集めた。 それによると、地球温暖化による海流の変化が原因で、北半球では2010年から平均気温が下がり始め、2017年には平均気温が7~8℃下がるという。逆に南半球では、急激に温度が上がり、降水量は減り、旱魃などの自然災害が起こるという。

 氷河期はなぜ起きるか?
 なぜ「氷河期」が起こるのか。これは大きなスケールで起こる氷河期についても、氷河期の中で起こるより小さな氷期/間氷期の繰り返しについても、いまだ議論されている問題である。一般的な総意としては、大気組成(特に二酸化炭素とメタンのフラクション)と、「ミランコビッチ・サイクル(英語版)」として知られる、太陽を回る地球の軌道要素(おそらく銀河系を回る太陽系の軌道も関係する)、太陽活動の減少、の3つの要素が組み合わされたものがその原因とされている。

 3つの要因のうち、最初の「大気組成の変化」は特に最初の氷河期について重要な原因とされている。スノーボールアース仮説では原生代後期の大規模な氷河時代の始まりと終りは、大気中の二酸化炭素濃度の急激な減少と、急激な上昇が原因であると主張している。残りの二つの要素については、現在最も議論が盛んに行われている。

参考HP Wikipedia「氷河」「氷河期」・ とやま雪の文化 氷河を立山で発見か?

ヤマケイ アルペンガイド8 剣・立山連峰 (ヤマケイアルペンガイド)
クリエーター情報なし
山と溪谷社
氷河地形学
クリエーター情報なし
東京大学出版会

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夏時間(サマータイム)は、いいことずくめ?省エネ・健康・経済効果も?

2011年11月16日 | 人類学

科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日3分読むだけで、みるみる科学がわかる!


 夏時間はいいことずくめ?          
 欧米の大部分で夏時間が終わるころ、毎年決まって大西洋の両側から不満の声が沸き上がる。「なぜ時計の針を元に戻すのか?」。夏時間の通年化を支持する人々はエネルギーの節約をうたい文句にしてきた。ところが最近、観光産業の起爆剤という新たな材料が浮上した。夕方の明るい時間が増えれば、公園などに人々が足を運ぶ可能性が高まるという主張だ。

 ツーリズム・アライアンスで方針決定の責任者を務めるカート・ジャンソン氏は、「簡単に言えば、観光産業にとっての端境期、春と秋が長くなる」と説明する。「夕方の明るい時間、人々は出歩き、アトラクションはまだ営業している。有効利用できる時間が増えるのは明白だ」。ツーリズム・アライアンスはイギリスで展開されている夏時間のキャンペーン(Campaign for Daylight Saving)で中心的な役割を果たす組織だ。

 ジャンソン氏は1つの調査結果を引き合いに出す。それによれば、夏時間を恒久的に維持すると、イギリスの観光産業は年間約56億ドルの収入増を見込めるという。

 アメリカ、シアトルにあるワシントン大学の環境経済学者ヘンドリック・ウルフ氏も、理にかなっていると考える。夏時間の間は、テレビ視聴などの体を動かさない気晴らしに使う時間が減り、屋外で活動的に過ごす時間が増えると統計が示しているためだ。

 「ただし、勝者がいれば、その一方で敗者も生まれるはずだ」とウルフ氏は言い添える。「1年通してとなると、映画をはじめとする屋内での娯楽は不利になるかもしれない。一方、ゴルフコースなどの屋外の娯楽施設は恩恵を受けるだろう」。

 サマータイム制度とは何か?
 サマータイムとは、簡単にいうと日の長い夏の間だけ、時計を1時間早く進める制度のことである。 福田元首相は、2008年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で、温暖化対策の一つとして、サマータイム制度の2010年導入を訴えた。

麻生太郎内閣は2009年6月28日の日韓首脳会議後、日韓同時にサマータイムを導入すれば経済効果が高いと認識を示していた。 2009年9月9日に鳩山由紀夫内閣との日韓首脳会議で日韓同時導入を韓国が提案する方向で検討していると発表した。

 何の目的でこんなことをするのであろうか?そのねらいは省エネルギー効果だ。夜は標準時よりも早く寝ることになるため、照明や冷房に使用する電力を節約できる。環境省は、二酸化炭素の排出量を年間120万トン程度、削減できると見込んでいる。

 現在、欧州や北米、南米など世界70か国以上で導入されているが、その目的も省エネルギー効果である。経済協力開発機構(OECD)加盟30か国で見ても導入してない国の方が少ない。日本と韓国、アイスランドぐらいである。

 日本でも戦後の1948〜51年の4年間、サマータイムが導入されたことがある。昭和23(1948)年4月28日、GHK(連合国軍総司令部)の意向によって、サマータイム法が公布され、5月の第1土曜から9月の第2土曜まで、時計を1時間進ませる夏時間が導入された。このときは、寝不足や通勤ラッシュの激化、働く時間が長くなったという指摘もあり、国民の評判はよくなかった。このため、昭和27年に廃止されている。

 アジアでサマータイムを導入している国はない。韓国は1987年、ソウルオリンピックを契機に欧米と歩調を合わせようと導入したが、1989年に廃止した。中国も1989〜1992年に導入した。国土が東西に広いにもかかわらず標準時間が統一されているため、地域によってはサマータイム導入で「朝なのに真っ暗」といった不都合が生じ、廃止された。

 世界がサマータイムを導入する理由
 サマータイムは1916年にイギリスやスウェーデンなど欧州の6か国で始まった。当時は第1次世界大戦の最中で、戦争に必要な燃料を少しでも多く確保するため、夜の照明に使う燃料を減らそうとした。

 導入済みの国で指摘されている効果としては、「省エネルギー」(アイルランド、米国など)、「労働生産性の向上」(イラン、スロベニア)などがある。ほかに「交通事故・犯罪の防止・減少」(カナダ、チリなど)を挙げる国もある。

 また、「他国の制度と調和することで、経済的な結びつきが強まる」(ウクライナ、ルーマニアなど)との声も根強い。欧州で、日本と同程度の緯度に位置する国々にも導入事例が多いのは、経済活動の際に利便性が高いとの理由が大きいようだ。

 北海道ではサマータイムを実験的に取り入れている所もある。その結果、働く時間が長くなったという意見がある。日本全体では2007年以降、景気低迷の長期化でエネルギー消費量が減っているために、「省エネ」の効果が出にくくなっているとの理由から、導入の時期については未定である。

 省エネルギーは幻想?
 シアトルにあるワシントン大学の環境経済学者ヘンドリック・ウルフ氏は自身の研究で、夏時間と省エネは結びつかないと示唆する多数の証拠を挙げている。むしろエネルギー消費量を増やしているかもしれない地域さえあるという。

 ウルフ氏はオーストラリアの電力に関する共同研究で、2000年のシドニー五輪の時期を対象にエネルギーの使用量を比較した。当時、一部の地域では五輪に合わせて夏時間を延長していた。

 研究の結果、「われわれは省エネルギーの仮説を否定した」とウルフ氏は言い切る。同氏によれば、夕方が明るくなって電力の使用量は減ったが、その分、朝が暗くなって電力需要が増え、減少した分が帳消しになったという。

 省エネについての結論はまだ出ていない。少なくとも一部の地域では、夏時間がエネルギーの節約につながるという研究結果も出ている。

 健康を促進?
 夏時間の通年化が一部の支持を得ている理由は、エネルギーの節約と観光業の活性化だけではない。健康上の利点を指摘する者もいる。人々が活発に動き回る時期が増えると予想されるためだ。

 一方、反対派には農業従事者が含まれる。動物や植物にとって時刻の変更は何も関係がない。農作業の多くは太陽の動きに合わせて行われており、早朝の貴重な作業時間が失われてしまう。

 健康上の利点についても評価は容易ではない。ドイツにあるルートビヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンで時間生物学の研究をするティル・ローネバーグ(Till Roenneberg)氏は、24時間周期の体内時計は明暗によって設定されており、明るい時間を朝から夕方に移動させても適応できないという研究結果が出ていると話す。同氏によれば、夕方に明るい時間が増えると疲れがたまったり、病気にかかりやすくなったりするだけだという。

 夏時間の賛成派も反対派も、ある点では意見が一致している。年に2度時計を動かすという現在のやり方は不便で、かなり不自然な調整を強いられるということだ。(Brian Handwerk for National Geographic News November 7, 2011)

参考HP Wikipedia サマータイム National Geographic news 夏時間はいいことずくめ? 

これが正しい温暖化対策
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地域資源を活かす温暖化対策―自立する地域をめざして
和田武,新川達郎,田浦健朗,平岡俊一,豊田陽介,伊与田昌慶
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