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将棋の上達には?

2008年10月04日 | 将棋
NEC将棋部の活動は大体週1回。玉川、田町での事業場単位の例会、下北沢での全社将棋部の例会、それと社団戦。
しかし、いくらNEC将棋部と言っても、例会にS級のメンバが頻繁に顔を出すわけではない。
部活に参加するのは、師範の瀬川四段とアマ三段くらいまでの気の良いおじさん達、女流棋士好きのKさん、Yさん、それと将棋以外でもつるんでいるFくん、Tくん。それとゲストのAちゃん、他の方々など。

そういう人たちと接していると、例会の何回かに1回くらいは「どうしたら強くなれるのですか」と聞かれることがある。
「良い盤と駒を買いなさい」
「棋譜を並べましょう」
「ライバルを見つけてバンバン指す」
「日頃から詰将棋をやるといいですよ」
最初の盤駒の話は、大山名人の言葉
それ以外は、一般によく聞く内容。瀬川四段も受け答えもこの中のどれかだったと思う。
しかし、どれも質問に対する本質の回答ではない
この質問は、初段前後の方が、県代表予備群のような三段階レベルアップを見据えてのものだと思う。
それに対して、勉強法の1つを示すのは意味がない。だって勉強すればちょっと強くなるのは当然っちゃぁ~当然だもん。
本質の回答は、どうやって将棋に接するべきかだと思うのです。
なので、この中で、一番本質に近いのは大山名人の言葉ではないだろうか。

さて、私は、「将棋は憧れで強くなる」と思っている。
羽生のようにカッコよく指したい、渡辺明のように力強さを身につけたい、千駄ヶ谷の受け師になりたい、森安秀光のように粘着力が凄い・・・などなど。
NHK杯で将棋を観る→カッコイイなぁ~→雑誌を買う→将棋の情報が頭に増える→指す→憧れの対象のように上手くいかない→仲間と語る→時々うまく行く→勝った棋譜に酔いしれる・・・

結局のところ、どれだけ将棋に時間を費やすかで、その推進力が「憧れ」だと思う。
「時間を費やす」と書いたけど、単純に何時間?というだけではない。
密度や頭の中に将棋が占める割合などなど、濃さも当然関係してくる。
若くして強くなる人は、費やした時間に濃さがあるのだろう。短時間だからというのは、必ずしも当てはまらない。

最初に戻って「どうしたら強くなれるのですか」と聞かれた時、その時々によって受け答えは違っている。
「近代将棋や週刊将棋買って読んでる?」
「いえ」
「強くなりたいんだよね。ほとんど唯一の情報誌だよ。何故買わないの?」

「今日、ここまでどうやって来たの?」
「電車です」
「電車の中で何してた?」
「ボーっとしてました」
「何で詰将棋解かないの?強くなりたいんでしょ。時間勿体ないじゃん」

「この1週間で何時間ぐらい将棋のことを考えていましたか?」
「○時間ぐらいかな?」
「じゃあ、それをプラス2時間多くするところから始めてみませんか?」

「あなたはどうしたら強くなれると思いますか」
「将棋をたくさん指すことでしょうか」
「それいいじゃないですか!やってみましょうよ」

「将棋に漬かることかな」
「将棋の上達は一定のペースでなく、ある日突然強くなったりするんです」
「今までバラバラな点だったのが、ある日、突然、線になってつながり、急激に強くなったりする」
「だから、バラバラな点はたくさんある方がいい。それには将棋に日頃から接していないと」

などなど。
1、2つ目は、調布将棋センターに通っていた頃、ロンゲのチャラいニーチャンに聞かれた時の受け答え。
真面目に答えているんだけど、今読み返すと、取りつくシマがない(笑)
3、4つ目は、NEC将棋部のある部員さんに聞かれた時の受け答え。
面倒くささも多少入っていると思う。
方法論を聞くならまだしも、「どうしたら強くなれる」という質問は、自分で考えることを放棄しているような気がして、(実は)あまり好きじゃない。
答えたところで、この手の質問をする人は、実践しそうにないし。
5つ目は、割と親しい部員さんと飲み屋で話した時の内容。この時は、質問はされなかった。
でも、前述のプロが良く言う内容に比べれば、まだ親切かな。ありきたりな内容だけど。

最近よくやる受け答えは、
「自分の拠り所となるような、ほれぼれする棋譜を見つけてみよう」
「見つけたら、その棋譜を定期的に並べてみる」
というもの。
これは、Aちゃんにも言ったことがある。
私にとってのほれぼれする棋譜は、江戸時代の棋譜、森安秀光、谷川浩司が多い。
いくつかは、このブログでも紹介しています。
・棋聖天野宗歩の端攻め
・桂の乱舞~奔放柳雪の香落ち
・位を捌く~看寿の角落ち下手
・強い人にイビアナされるのは歓迎~鈴木大介のイビアナ退治
・御城将棋~宗桂-看寿戦
・森安だるま流のオクトパスホールド
・一瞬を駆け抜けた羽生の寄せ

ところで、上達にはいくつかの要素があると思う。詰将棋とか棋譜並べとか、そういう次元じゃなく。
以前の日記でも書いたけど、2008年バージョンを考えてみた。

上達=(熱中+学習+努力)×熱意

熱中:のめり込むこと。知らずに知らずのうちに自分自身で負荷がかかっていること。
学習:教材に記されている内容を、身につけようとすること。
努力:成功するための方法論を自分で考え、実践すること。
熱意:モチベーションや憧れ。上達のための推進力となる自分の意識。

熱意というのは、何もしなかったら落ちる
だから、リフレッシュや、リライト(上書き/書き直し)が必要になる。
道場に行って刺激を受けたり、好きな女流棋士のイベントに通ったり、新聞、雑誌で記事を読んだりは毎日のようにやる方がいい。
しかし、毎日のようにやっていても、刺激を受けて、心が揺り動かなければ意味がない。これがマンネリってやつ。
なお、前述の憧れの棋譜を繰り返し並べるというのは、勉強方法でなく、熱意(憧れ)のリライトに当たります。

今度、「どうしたら強くなれますか」と聞かれたら、「あなたは刺激を受けていますか」と聞いてみようかな。この公式とともに。

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