戦略コンサルティングの本質

戦略コンサルの本質 What's Strategic Consulting?  一戦略コンサルの個人的見解・徒然日記

ケース・スタディの功罪

2008-01-24 | strategy
Case Study。
直訳すると、事例研究とか判例研究。

元々、法律の世界、
ロースクール(法律専門大学院)において
過去の判例から法の解釈と知識としての引き出しを増やすために
使う勉強法。

ただ、ビジネススクール(経営大学院)では、
知識を増やすというよりは、
実業の訓練に近い。

どのビジネススクールでも取り入れているが、
開発しているスクールはごく一部。
ケース企業への支払等、金銭的にも厳しいためらしい。

 ・ハーバード(米)
 ・ウェスタン・オンタリオ(カナダ)
 ・ダーデン(バージニア、米)
 ・スタンフォード(米)
 ・INSEAD(仏)
 ・IMD(スイス)
 ・慶應(KBS、日本)など。

コンサルのトレーニングでもこれを取り入れた
プログラムを開発している場合がある。

メリットは、

 ・疑似体験
 ・訓練のみに集中できる効率さ

だろう。

だけど、それほど実業やコンサルに役立つというかと言えば、
あまりない。

それは、
 
 ・これほどコンパクトに情報はまとまってない
 → 実際に見つけ出すのが大変

 ・情報量が充分ではない
 → 断片情報をつなぎ、行間を読み、ストーリを作り、
   その上で検証する

 ・変数が無限
 → ケーススタディの大原則は、ケースに書かれていることのみで判断

と、現実社会とかけ離れている点も多いから。


とは言え、
この勉強方法を広めると言うNPOがある。
日本ケースセンター

上記の点を理解した上で、トレーニングして欲しいものである。


こんなのも見つけた。
MBA道場
ボランティアのコミュニティのようだが、
ケースディスカッションのセミナーをやったりしている模様。
人材不足は日本社会の課題の一つ。
その一助になってくれると良いのだが。

MBAの集まりと言えば、
90年代の第二MBA留学ブームに設立された
MBA友の会がある。
こちらはどちらかというと
最近、サークルっぽくなってしまってるようだし、
独自のランキングに力を入れるなど、
近年、本旨から離れてしまってるような・・・。
せっかくホルダーが集まるのだから、
社会のために還元して欲しい。