戦略コンサルティングの本質

戦略コンサルの本質 What's Strategic Consulting?  一戦略コンサルの個人的見解・徒然日記

Mid-term SC:Power of Paper

2005-01-31 | case
2月初めの中間報告に向け、スライドを作成し始める。
先週末はこの作業にかかりきりであった。
今週の月曜、または火曜日に先方と内容について「握る」ためである。

作成の方法は一枚一枚作成していきながら考えるのではない。
実は、だいたいのスライドイメージ並びに各スライドで伝えるべきメッセージについては、
先週の初めに既に完成させていた。
漫画家が出版社の担当と「ネームを決める」というコマ割作業とふきだしを確定する
作業に似ているかもしれない。
これも一気に書き上げた。
ストーリーがはっきりしていると書きやすいのかもしれない。

先々週の連日のWGで作成した資料がある程度使えることもわかっていたため、
あとはその頁間をつなぐスライドを数枚書くことで良いこともわかっていた。

あとは、重い腰を上げるだけ。(実際にスライドを作成する作業である。)

よく、「戦コンは紙を残して実行支援を行わず」が揶揄され、
それが悪いことであるかのように、「実行支援」をうたい文句にする戦コンもあるが、
私は必ずしも実行支援はしなくても良いと考えている。
クライアント自らが実行できなければ、あとあと問題が残る。
「自分ではできない」と。
確かに、実行支援によって売上を挙げることは可能であるが、
主体たるクライアントにやってもらいたい、
というのが私の願い。
「実行支援」もその定義次第である。

逆に、「紙」だけで相手をうならせる、納得させることに
深い大きな価値を私は見出している。
それこそがプロではないのだろうか。無論ケースバイケースではあろうが。
見栄えよく、理路整然と簡素明白にスライドをストーリーとして
まとめることは難しいし、それに価値を見出してくれるクライアントも居るのだ。

絵やイメージの多用、文章が長く、所狭しと文字が並んでいる報告書は多い。
メッセージがないスライドも多い。何を伝えたいのか、言いたいのかわからないスライド。
「○○は次の通りです」という説明もメッセージではない。
本当は、「○○はXXである」のように、
「次」に書かれていることが要約されていなくてはならないのだ。

要約内容は、
必然性、効果、実現性に関連していることが多い。
(プロフェッショナルプレゼンテーションより)

New Business Strategy

2005-01-27 | strategy
以前から付き合いの合った組織体より、新規事業戦略策定の依頼をいただく。

私のところに話が来た裏も気になるところではあるが、
前回の提言資料の担当したパートが良かったのだろうと考えることにする。
まあ、SDもやっているから当然と言えば当然なのであるが。

新規事業戦略というが、戦略策定というよりは
パイロットケースを作り上げると言った方が良いかもしれない。
市場規模や競合状況を調査し戦略オプションを作るというよりは、
アライアンス先を選定し、同時かつ協業してビジネスを早期に立ち上げる
ことになるのではないだろうか。

いづれにせよ、私を含めた社のマネジメントメンバーと協議することにする。

Quantitative or Qualitative

2005-01-25 | case
前半作業終了に向けて。

先週が定量的な分析作業の下地準備だとしたら、
今週は、定性的な検証作業に当たる。

検証に数字が全て必要かと言ったらそうではない。
定性的な事実(場合によってはスケールポイントなどのメジャメントを使い定量化は可能であるが)で事足りることもある。
ずるいかもしれないが、時間(期限)との兼ね合いで、
次フェーズにおける詳細検証と逃げる場合もある。

要は何を最低限述べれば、ある程度論理が成り立つか、証明できるかということ。
「マッキンゼー流仕事術」で「海の水を全て沸かすことはできない」や
BCGでよく言う「闇夜の鉄砲でもなく」である。

今回もゼロベースであれば、大きなインパクトを成果や効果として残すことはできたが、
経営判断を伴う大きな前提を持ってこなければ、成果は出ない
という風に落ち着けた。
そこまで経営陣がやるのか、やる気なのかということを問うたわけである。

Mr. Incredible

2005-01-21 | qol
ケースのヤマを乗り切り、前半の大方の作業を終了した週末、
仕事場近くのCinema Complexで話題(?)のMr.インクレディブルを観に行った。
Stress Controlでもあり、いわば前半を一人で乗り切った自分へのご褒美とでも言おうか。

一つの問題は、インターネットで座席を予約したのだが、
実は、翌日のものだった。
無理を承知で窓口と交渉してみれば、OKとのこと。
ラッキーである。
時刻も時刻なのか、場所柄なのか、意外と空いていた。
ストーリーは単純と言えば単純なのだが、家族愛がテーマ。
あのモンスターズインクやファインディングニモで脚光を浴びた
PIXERが作成したデジタル画像はすごいと思った。

他人が言う「泣ける」という場面はなかったが、
家族が協力し合ったり、理解し合ったり、信じあったり、
そしてハッピーエンドという内容を見て、
コンサルタントにも、家族愛を!と思う自分であった。
独身の職業とも言われ、離婚率も高いと言われたが、
現在は変わってきているのであろうか・・・。

「一人チーム」

2005-01-19 | case
コンサルにもいろいろあって、チームの規模も異なる。
人数が多ければいいというわけでもないし、
一人でやったほうが作業効率が良いこともある。

如何せん、Botuiqueファーム、それも創業期の場合、
一人で全てをこなすこともあり。
今回のケースは、
先般の「人為的な欠員」のため、全て一人でやるハメになってしまった。
WGのファシリテート、議事録、次回WGの資料作成、コンセプト固め、作業指示、WGスケジューリング。
その分、売上(人工x単価ですから、この世界)も落ちるハメに。

なんだかなぁーという感じです。

とりあえず、途中までやってきたのはいいんだけど、
ちょっと悩みました。
この先どうするか。
うーん、案が浮かばん・・・。

こんな時どうするか?
私の場合、次の通りです。
・気分転換する
・考えずに寝る
・考え抜く
・考える場所を変える(帰宅中の電車で考える、風呂で考える、食事中に考える、寝ながら考える→寝てしまう)

人によりけりでしょうが、一番、アイデアが浮かぶのは布団に入ってからです。
ただ、今回はWG当日、通勤途中の電車の中で名案が浮かびました。
そして、WGは午後からだから午前中にWGの資料を作り上げた。
今回はこれで乗り切りました。

私の場合、経験則からして一番の方法は、
公私の区別なく常に考える、または考える状態に持っていく
ということだと思われます。
あとは、「右脳」を使うことでしょうか。
常人な私は、こんなことでもしないと追いつけないのです・・・

知力・体力・気力

2005-01-14 | workstyle
例の動かないケースがスタートすることになったのもつかの間、
というより、このバタバタした一週間に別の悩みの種、というか事件が勃発した。
内輪の問題である。

詳しくは書かぬが、「いい加減にしておくれ」という感じ。

前職でも経験したが、「何故、自分の不甲斐なさや力のなさを人のせいにするのか?」
全くもって謎である。
恐らく、プライドや自信が邪魔をし、自らを客観的に見れないからであろう。

かの和田秀樹氏も言っているように、認知科学は重要だ。
私も同感。
自らの成長のために、乗り越えるべき「壁」が「見えない壁」になっているのだ。
その壁が見えないのは、特に戦コンのキャリアとして問題外だが、
見えたら、「どうやって乗り越えるべきか」を考えてもらいたい。
それが、後々のスキルアップや力となるのだ。(と私は信じている。)

力という言葉が出たが、分解すると次のようになる。
・知力(Intelligence):いわゆる地頭やIQというヤツ
・体力(Power):コンサルは体力勝負ってヤツ
・気力(Mindset):プロ意識、価値観、信念、礼儀など。

このblogで再三強調してきたのは三つ目。
これが「どんなときも」乗り越える力の源泉ではなかろうか。
他人のせいにするのではなく、
プロとして何をすべきか、どうすれば自分は自分の給与分、お客へ、そして、ケースメンバーへ価値を提供できるのかを常々考えてもらいたい。

まあ、実際はこんな高尚な話ではなく、
三つとも不充分だったので、リリースした話なんですけど。
友人に話したら、当然と言ってました。
知力は訓練次第だし、体力は自分で健康管理(最近では精神面もね。打たれ弱い人多いので。)する話。
Mindsetばかりは、一番変わりにくいんですけど。
一人で仕事をするのであれば、自由にやってもらっても構わないけど、
他への迷惑は考え、わきまえるように。

動かない人々

2005-01-13 | case
昨年から懸案になっていて、全く動かない
大手企業における機能再生プロジェクトともいうべきこのケース。

やっと年明けそれも第二週に連絡が取れた。

で、その後も二、三日膠着状態となってしまった。
しまいには先方と口論になり、欠席裁判のようにも。

結局、
「『主体』は、あくまで『(クライアント名)さん』であり、
我々はそれを支援する立場にしかなありません。その点を誤解しないでいただきたく。
絶対とは言いませんが、貴主張を他ステークホルダーへ論理的に言わせしめ
通すには絶対必要なストーリーであり、論点、検証方法です。
この方法を受け入れられないならば、我々も支援を辞退させていただきます。」
を言い切った。

その後も、いわゆる「権威」の登場により、
それまでの膠着状態が嘘のように、スムーズなプロジェクトスタートの合意に至った。

いやだね~。大手企業って、権威にはヘコヘコするんだ、わかっちゃいたけど。

Role Model

2005-01-05 | workplace
正月を無事終え、仕事初め。
といってもこの業界に仕事初めもクソもない。

ところがどっこい、流石、普通らしからぬウチの会社、
初詣に行きました。
厄払いという噂も。

いやーっ、そしたら会ってしまいました。
新年から、こりゃ縁起が悪い。

で、話は飛びますが、「ロールモデル」という言葉がある。
一見すると、「責任」や「職責」と同じような感触を受けるが、
実は、「規範」という意味がある。

これから推測されることは、
「責任」が自分から見た遂行事項というイメージに対し、
「規範」とは、周りから見てお手本というイメージが湧く。
すなわち、「Respectされる存在であるかどうか」が後者。

堀江モンも、彼の著書で書いていたが、
やはり、VBの創業期は金もなく、名声もないため、仲間内で仕事を始めるしかない。
しかし、成長してくると、企業ブランドもでき優秀な人材が揃ってくる。
そこで、創業メンバーと「第二世代」メンバーとの間に軋轢や支障が生まれてくるという。
ウチも同じ状態かも。
「オレはちゃんとやってる」じゃないでしょ。
判断は周りがするもの。誰も「やってる」なんてみてないよ。
やはり、「やってないことをやろうというのは非常に大変なこと」
できないなら、「できない」と
もっと潔さや誠意を見せて欲しいんだけどね。

Stress Control

2005-01-01 | qol
恐らく、Strategy Consultantが生き延びるとしたら、
1)物事を全く気にしない(落ち込まない、でも「出来る」)
か、
2)発散させるのが上手い(落ち込んでもすぐ忘れる、ガス抜きが上手い)
に尽きるのではないか。

かく言う私もストレス耐性はめちゃ高い。
ウチのファームは、前にblogでも述べたように、
EQや価値観を重んじる。
てな訳で、入社後、EQのテストやHayのテストを受けたわけだが、
相対的にも絶対的にも高めのスコアが出ていた。

かと言って、この平穏無事な新年で何をするわけでもない。
私の癒しは、ぼーっとすること。
何もしないことがここち良い。
普段、頭を使い過ぎている(無論、個人的に見てだが)
お金もあれば、芸能人の如く、正月はハワイ、またはリゾート地で優雅に
ということもしたいが。

で、脈絡はないが、CATVにてアリー・マイラブ(原題Ally McBeal?)をぶっ続けで見てしまった。
いや、実におもしろい。前からおもしろそうだとは思っていたのだが。
ヒロインのアリーは、HarvardのLaw Schoolを出た秀才。
元々、幼馴染の恋人を追いかけての入学ではあったが、振られてしまう。
卒業後、法律事務所に入るが、そこで上司にセクハラに合い、裁判を起こす。
その経過で、Law Schoolの同級生に会い、彼が共同経営する別の法律事務所へ移籍。
そこには、元カレがおり、続けてカレの嫁さんも入所してくることになる。
仕事に恋に生きる自由奔放な彼女(役として、ありがちな妄想癖あり)
コメディ・ロマンス。
下ネタもあり。(この辺が、日本のドラマと違いWitに富んでいるというのか。
職位や性別にかかわらず、皆性欲はあるってことか。)

うーん、やはり、ドラマの定番は○師や○○士と「し」がつくものでないとダメのよう。
日本でも、ドラマのエリート役は大手商社とか、昔から。
やはり、「コン」はペテン師なのか・・・