戦略コンサルティングの本質

戦略コンサルの本質 What's Strategic Consulting?  一戦略コンサルの個人的見解・徒然日記

game wars

2006-11-13 | case
次世代ゲーム機の戦い始まる。

11月初め、
Sony(SCE:ソニーコンピュータエンターテイメント):PlayStation3、
Nintendo:Wii
など、次世代ゲーム機器の販売が開始された。
各社の戦略と勝算如何に。


1.ソニーと任天堂には明らかに戦略の差が見られる。

 ソニー:

 高精細な画質を売りにしていることは明らか。
 PS3には、次世代MPU CELL(セル)が搭載されている。
 Super Computer on Chipとも言われ、IBM、東芝と共に共同開発した。
 開発費用は、3社合計1兆円以上とも言われ、単純計算したとしても、
 3、4,000億円ととてつもない額。
 それなりの販売台数を確保しないと回収できない。

 これに対し、
 ソニーのCFOや証券会社のアナリストは、
 PS2の累計台数約1億台を販売できれば、
 充分に回収可能としている。

 この論理に問題はないだろうか?
 
 高画質の売りをベースに
 PS3は当初価格を発表後、
 Wiiの価格設定を受けてか、値下げをしている。
 この価格差分の吸収も今後していかねばならない。 

 いずれにせよ、
 PS3は、マニアックなユーザーを対象にしているような気がする。


 任天堂:

 使いやすさを訴求。
 
 同社では、ゲーム機の高機能化やソフトの複雑化により
 ゲーム離れを引き起こしたとしている。
 Game Cubeで大敗をきした同社は、
 これまで以外の需要なり顧客を取り込まない限り、
 市場の活性化はない、と認識。
 
 携帯ゲーム機Nintendo DSでは、
 脳内活性化やアンチエージングを唄った
 大人のDSなど教養、クイズ形式のソフトを導入した。
 ゲーム機器の性能ではなく、ソフトによる新たな分野を開拓した、
 とも言えるのではないだろうか。


2.ゲーム人口は減少している?

 青少年に悪影響を与える過激な内容に対する批判もあった。
 学習時間を減少させる、視力を弱くする、という懸念から、
 子供にゲームをさせない保護者もいる。
 アーケードゲームも明らかに衰退している。
 新たな需要を創出するために、
 SEGAではムシキングのような幼児向けのゲームを作った。

 任天堂の戦略と
 以上の市場動向から察するに、
 これまでのゲームソフトでは問題ありではなかろうか。


3.どんなソフトが求められているのか?

 これまでのゲームユーザー以外に開拓しない限りは
 市場は伸びないのでは。
 日本の人口も2006年をピークに、減少傾向とも言われている。 

 既存のユーザー以外で言うと・・・。

 女性:
 一般の大人:
 老齢者:
 子供:

 が主だったセグメント。

 例えば、こんなソフトができれば。
 
 女性: 健康やダイエットに効果あり、など
 一般の大人: メタボリック症候群、うつ防止、健康管理
        仕事上のスキルアップ、など
 老齢者: ぼけ防止。趣味を増やす、趣味の知識を補う、など
 子供: 遊びながら、学習力アップ。所謂、Edutainment。
     または、いじめ防止、神経的に強くなるもの、など

 単なるエンターテイメントではなく、
 より、本能的に訴えるものや、社会問題解決に資する内容でないと
 だめではないのか?

 この点で言うと、ソニーよりも任天堂が一歩リードか?