開幕を迎えた「東京五輪2020」は、連日に亘る選手らの活躍により、感動ストーリーが報じられています。
ところが、です。
そんな祝賀ムードに水を差すことになっている愚行が、悪しき話題を呈することになっていることが 併せ報じられています。
アスリートに対し、SNS(インターネット交流サイト)を使った「誹謗中傷」が横行しているそうなのです。
報道等によると、かかる誹謗中傷は(SNSのシステム上)「匿名」で書き込むことが可能となっており、暴言を吐く連中は いわば覆面をした状態で、自らの正体のみを隠し 相手(この場合はアスリート)に対して〝言いたい放題〟の蛮行に至っているとのこと。
が 故に、その(書き込み)内容は 陰湿かつ苛烈を極めており、この日(五輪)まで苦節に耐えて努力を重ねてきたアスリートを「言葉の暴力」でいたぶり、ときに アスリートの心を折るほどの深い傷を負わせることにもなっているとのことです。
特に トップアスリートになればなるほど、非常に研ぎ澄まされ 心身共にナーバスな環境で時間を過ごしている中、外部の それも見ず知らずの者からいきなり殴られたような〝言葉の暴力〟には、メンタルに大きなダメージを与えられるところでありましょう。
五輪が開幕して一週間しか経っていないのに、複数のアスリートがSNSによる被害を訴えており、その(被害)状況は もはや看過できないことを示しています。
この悪しき状況について JOC(日本オリンピック委員会)は、誹謗中傷への監視チームを設置し、悪質な場合は捜査機関(警察庁)への通報も想定しているとのことでありました。
今回のオリンピックは、コロナ禍の影響で1年延期され、これまでの経緯や また大会運営そのものも非常にレア(特殊・特別)な状況を余儀なくされていますが、私自身、そんな中にあって アスリートに対する誹謗中傷も、今まで以上に過激かつ陰湿なものが増えていることが報道(懸念)されていることを気がかりに思う者の一人です。
かかるSNS上の誹謗中傷については、今回のオリンピックはもとより 社会の悪しき風潮として問題視されているのはご案内のとおりです。
ときに ほんの気まぐれ、ときに相手をとことんまで追い詰めてやろうとの悪意をもって発せられる SNSを悪用しての誹謗中傷は、前掲のとおり 図らずも受信した人の心に言いようの無い深手を負わせ、極端な場合は 被害者(受信者)を自死に追い込むまでの いわば〝凶器〟と化することも決して少なくはありません。
さらに厄介なのは、加害者の輩は 被害者が嘆き悲しむことで満足感を得るところです。
被害者が その窮状を吐露するのを見て、反省するどころか 自分の言葉の暴力の威力にほくそ笑むところが、悪質の極みと言えるところであります。
その悪質さを助長しているのが「匿名」でありましょう。
自分の正体を明かさないまま、もっと言えば 自分だけは物陰に隠れておきながら、相手に対して石を投げ 傷つく様を喜ぶ行為は、卑怯千万 とても許すことなどできません。
関係機関(警察庁)によれば、一見的には匿名での投稿であっても 然るべき捜査手法によって個人(犯人)は特定することができるとのことですので、今回のアスリートに対する誹謗中傷についても、場合によっては発信者(犯人)を特定し イイ意味で見せしめにすることも止むを得ないのかもしれません。
この SNSによる誹謗中傷は、昨今の「いじめ問題」にも共通しているものではないかとも思わされます。
特定のターゲットを定めて、それを標的に徹底的に個人攻撃する。
その悪しきエネルギーは、多方面から罵詈雑言が集まるほどに増幅(エスカレート)し、それを受けた人がどう思おうと もっと言えばどうなろうと関係ないという“残酷な構図”ができ上がってしまう… まさに「顔を隠した卑怯な悪行(あくぎょう)」と申せましょう。
・・・・・。
実は私も、過去に このブログの中で誹謗中傷めいたコメントを寄せられたことがありました。
そのことについては 私自身に原因があったものであり、今回の五輪での誹謗中傷問題とは質が全く違うところではありますが、こと〝言葉の暴力で受ける(心の)痛み〟については、私としても実感として共有できるところであります。
〝言葉の暴力〟は、ときに 実際に殴られるより痛く、また その〝痛み〟は、実際に殴られた傷は時間と共に癒えたとしても、言葉の暴力による痛みは 長い間…場合によっては生涯に亘って心に残り続けるものであることを 声を大にして伝えたいところであります。
今は「コロナ禍」の只中、多くの人々が 大きなストレスの中での社会生活を余儀なくされています。
そのことについては大いに共感するところでありますが、それを 外…とりわけ見ず知らずの人に対して八つ当たりのようにぶつけ発散するような行為に及ぶことは 筋が違うと言わざるを得ません。
そんな愚行で屈折した満足感を覚える者たちにおいては、どうか考えを改め 公序良俗に則った社会行動を行なってもらいたいと念じると同時に、一方で こんな(主にコロナ禍による)ストレス社会が解消されることを願うところであります。
⭐お知らせ⭐
開幕から熱戦が繰り広げられている「東京五輪2020」は、30日から陸上競技が始まりました。
既に本ブログでもご紹介しておりますが、かかる陸上競技の「女子5000m」に、長野県長野東高校出身の 萩谷楓(はぎたにかえで)選手が日本代表として出走します。
その模様は、本日午後8時から地上波テレビで放映されるとのことですので、読者のみなさんにおかれましては、あくまで「ステイ・ホーム」で熱い声援を送ってくださいますようご案内申し上げる次第であります。
純粋な気持ちで不断の努力を重ねるアスリートたち、その努力の発表の場でもある五輪大会においては、応援する私たちも純粋な応援の心をもって、心からなるエールを送りたいものであります。