プロ家庭菜園家のやさい畑日記 ~相模原 清水農園~

こちら↓のブログで記事を書いています☆
Rain Note https://green-feve.com/

「顔が見える野菜」実は意味が逆!?

2015年03月20日 | 過去の記事


「顔が見える野菜」、実はもともとの意味が逆なんです。


スーパーの野菜売り場へ行くと「生産者の顔が見える安心野菜」と言う触れ込みで、遠くを見つめるような生産者の写真とともに、その生産者が栽培した野菜が陳列されています。今ではこれが当たり前になっていて、写真を貼っていないスーパーを探すほうが難しいです。

でもこれ、何となく違和感を感じたことありませんか?
「なんで、生産者の写真が貼ってあると安心なんだ?」
「なんで、アイドルでも俳優でもない、おじさん、おばさんの写真が沢山貼ってあるんだ」っていう。
売る側は、生産者の写真が貼ってあるから安心です。と一方的に売り込んでくるだけですから。

この違和感を感じるのは、当然です。
元をたどっていくと、消費者が生産者の顔を見るから安心なのではないんです。

実はその逆で、

生産者の側から消費者の「顔が見える」から、安心なんです。


そもそもの起こりは、スローフード運動。


顔の見える範囲にいる人々に生産したものを食べてもらう。食べる人の顔を想像できるから、生産者はごく自然に良いものを作ろうとする。

身近にいる人に、少しでも良いものを提供したい、と思うのは人間なら自然な心の動きです。
無農薬だ、有機だなどと、しゃっちょこばらなくても、自然に安心なものができるシステムです。

消費者も、顔の見える範囲の人が生産したものを買うことで、安心を得る。
これが、スローフード的な考え方です。


スーパーがやっているのは、生産者を追跡し、法律の網をかけて、怖がらせて取り締まる「顔が見える野菜」。
もともとの、スローフードの本質とはかけ離れたものになっています。

なぜ、こんなことが起こっているんでしょうか?


逆転現象の原因は「ロハス」


80年代に先進国で広がりを見せたスローフード運動。
この運動は簡単に言うと、巨大なシステムや流通に頼らず、地域で自立しようという運動なんですが、これにアメリカの大手スーパーマーケットの巨大企業が危機感を抱き、その対抗策として考え出したのが「ロハス」というイメージ戦略です。

この「ロハス」と言うイメージ戦略の目的は、まだスローフード運動をよく知らない人たちがスローフードの考え方に染まらないように、早く囲い込んでしまおうということです。
「うちのスーパーでもトレーサブルで安心な有機野菜が買えますよ。
わざわざ、スローフードみたいなめんどくさいことしなくても、近くのスーパーで安心な食物が楽チンに手に入りますよ。」
と、こんな感じでしょうか。
そこで、野菜に顔写真を貼って売るということが起こってきました。

この「ロハス」が日本にも上陸し、現在のような状態になっているんですね。
しかも、日本ではロハスとスローフードの意味合いがが一緒になってしまっている感じですよね。対極的なムーブメントなんですが。


スローフードのことを詳しく知りたい方はこちら
スローフードジャパン


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする