余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

妖ベイベー

2022-05-19 22:52:21 | 天秤の詩
隣の部屋に何かいる
世にも奇天烈な鳴き声がする
扉の音じゃあない
ない
あれは動物、それとも鳥か、
はたまた唐突か
奥深くに潜むのは
そういう類いのものじゃなく
美しき孤独の生業
孤高は飛んで遥か遠く
芥子粒ほどの爽快さ
一つの存在はみるものも危うく
頼りなく
姿形の存在意義は手の平で包めてしまう
奇声はユメユメ夜に来る
たまに真昼にもやって来る
震えているのはなぜだろう
おいしいご飯はどこだろう
どこかで手をつなげた
寄り添えられた
流るる血潮の帰る場所
涙でにじんで見えなくなる
うれしさみしの尊さよ
気品に濡れる花いちりん
赤い月のウサギ
目覚めた直後のうるけた時間
窓から射し込む日光の時間
たとえば花が花でいられる
もしもは
犬を抱いている

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