隣の部屋に何かいる
世にも奇天烈な鳴き声がする
扉の音じゃあない
ない
あれは動物、それとも鳥か、
はたまた唐突か
奥深くに潜むのは
そういう類いのものじゃなく
美しき孤独の生業
孤高は飛んで遥か遠く
芥子粒ほどの爽快さ
一つの存在はみるものも危うく
頼りなく
姿形の存在意義は手の平で包めてしまう
奇声はユメユメ夜に来る
たまに真昼にもやって来る
震えているのはなぜだろう
おいしいご飯はどこだろう
どこかで手をつなげた
寄り添えられた
流るる血潮の帰る場所
涙でにじんで見えなくなる
うれしさみしの尊さよ
気品に濡れる花いちりん
赤い月のウサギ
目覚めた直後のうるけた時間
窓から射し込む日光の時間
たとえば花が花でいられる
もしもは
犬を抱いている