大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

行政との連携

2014年06月24日 | 労働者福祉
「フードバンク」や「フードドライブ」事業の提案に対してそれぞれの地区で活発な議論が始まっています。
県レベルでの検討会議でも出されましたが、各地区で出される意見に次のようなものがあります。
「そういう事業は行政の仕事ではないのか?」

今日、静岡市議会において連合推薦議員の佐藤成子氏が「フードバンク事業等の民間との連携について」という質問をしてくれました。
久しぶりに議会傍聴に行ってきました。

まだ発足間もない「フードバンクふじのくに」ですが、こうした応援団の存在もありがたいものです。
残念ながら期待するような答弁は得られませんでしたが、県議会や他の市議会でも積極的な応援がいただければ嬉しいですね。
まずは「フードバンクふじのくに」の認知度を高めることが急務です。

たしかに生活困窮者の問題も行政が担ってくれればそれに越したことはありません。
しかしそこにも自ずと限界があります。
生活保護を受ければ行政の世話になりますが、そうならないように必死に頑張る人々を私たちは応援しています。
ある母子家庭の母親は、生活保護を受けると子どもの将来に傷がつくからと話してくれました。
虐待を受けている女性もいますし、家族に見捨てられた高齢者もいます。
生活保護の申請すらできない障がい者の方もいます。
なかには刺青者や怠け者もいたりするかもしれませんが、そんな人は社協や支援団体が指導したうえで支援をしていきます。
助けられるところにいる人々が、困った人々を助けられないような社会はあまりに寂しいと私は思います。
おそらく私もあなたも「生活困窮者」ではないはずです。
「生活保護者」は行政がサポートしますから、その手前で頑張っている人々を私たちで支えてあげましょう。

伝えることの難しさ

2014年06月23日 | 労働者福祉
21日には県教組研修会で「労働者自主福祉運動」について講演をさせていただきました。
誰にでもわかりやすい言葉で伝えることはほんとうに難しいものです。
その講演で「連帯と協同」の理念をこんなふうに伝えました。

「連帯と協同」とはすなわち「助け合い・支え合い」である。
助け合いとは、助け、助けられる関係である。
支え合いとは、支え、支えられる関係である。
人はつながって生きている。
困った時には、SOSを出して助けてもらい、支えてもらう。
困っていない時は、困っている人を助ける、支える。
私の人生を振り返ってもそうである。
助けられたことが縁になり、労働運動に飛び込んだ。
「連帯と協同」とはすなわち「助け合い・支え合い」である。


伝えることの難しさ、本意が伝わらなくてご迷惑をおかけしていることもあります。
6月17日に「地区労福協代表者会議」を開催しました。
その際に各地区労福協の総会時に「フードドライブ」の取り組みをお願いしました。
加えて緊急告知で、「お米一合」づつの提供も呼びかけました。
「フードバンクふじのくに」の設立をマスコミで知った各種団体や生活困窮者からの食料を求めるSOSが重なったためです。
まずは主食であるお米があれば助かるので緊急要請とさせていただきました。

ところがその背景が組織の隅々まで伝わらないままに「お米一合」運動だけが走ったために何人かのみなさんからお叱りを受けました。
「本来のフードドライブとは、家庭で余った食品などの提供であるはずだ」とのご意見です。
確かにその通りでありますから、言葉足らずのところはお詫び申し上げます。
そのうえでご協力いただける方々にはどうぞよろしくお願いいたします。

特別な日

2014年06月21日 | 労働者福祉
今日6月21日は私にとって特別な日です。
15年前の今日、単組委員長をしていた会社で死亡労災事故を発生させてしまいました。
そこは前々から気になっていた職場で、狭くて作業性の悪いレイアウトでした。
労使協議会などでは時々指摘をしておりましたが、もっと激しく改善を求めておけば…などとと悔やんだことを今でも思い出します。

あれから15年。
もう現役を離れましたが、あの教訓は活かされているでしょうか?
6月21日を風化させてはいないでしょうか?
安全最優先の誓いを忘れてはいないでしょうか?

6月21日は私にとって特別な日です。
二度とそんな“特別な日”は来ないように祈るばかりです。

イラク国民の憂うつ

2014年06月20日 | 政治
イラク情勢がますますきな臭くなってきた。
単純化して歴史を眺めてみよう。
(「中近東問題の行方」(2011.2.24)と「中東世界で起きている何か」(2011.9.1)も参照下さると有りがたい)

2001年9月11日、アメリカNY同時多発テロが発生した。
米政府の調査により、犯人はイスラム系過激組織アルカイダと判明、ビン・ラディンを主犯格として指名手配した。
当時のイラクはイスラム教スンニ派のフセイン政権下にありアルカイダとの関係も強く、湾岸戦争(1991年)以降米国とは敵対関係にあった。
ブッシュ大統領は、イラクを大量破壊兵器を保有するテロ国家と指定した。
同時多発テロの復讐をすべく米国ブッシュ政権は、2003年国連決議なしでイラク攻撃に踏み切った。
イラク戦争の勃発だ。
結局大量破壊兵器は見つからなかったが、旧体制は崩壊しフセイン大統領は処刑された。
フセイン亡き後の政権は、マリキ政権に移るが、新体制はスンニ派に虐げられていたシーア派であった。
2011年、米国オバマ政権の判断でイラクから米軍は完全撤退した。

イラクには複雑な対立が残されていた。
シーア派とスンニ派の宗派対立。
イラク人とクルド人の民族対立。
そして地下に潜っていたアルカイダの存在である。

アルカイダのなかでもより過激で戦闘的な組織がある。
「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)という武装組織集団だ。
この集団はバグダッドの大学で15年前に修士の学生だった若者が始めた武装勢力で、アラブ人だけでなく米欧中露の出身者を含み、ブロンドイスラム主義者とも言われている。
あまりに過激すぎるためアルカイダも離反していき、その武装勢力がイラクシーア派に猛攻撃をかけている。
後ろ盾となっているのがシリアのアサド政権で、この政権もまたスンニ派であり、アサド政権の後ろにはロシアの影がちらついているという複雑さだ。
いつの世も泣かされるのは国民だ。
憎しみが憎しみを生み、略奪が略奪を、殺し合いが殺し合いを生んでいる。
ああ、やんぬるかな…。

不条理に立ち向かう

2014年06月19日 | 労働者福祉
安倍総理が強い。
強いなんてもんじゃなくて不条理であってもブルトーザーのようにごり押ししていく感じがする。
ごり押ししているものがいいものか悪いものかの判断もつかぬまま、国民はその強さに引っ張られている。
正直怖い…。

労働者は弱い。
弱いから不条理には立ち向かえないかというとそんなことは決してない。
「連合評価委員会」にはこう書かれている。
弱い立場にあるものが、協力、連帯してこそ不条理に立ち向かえる。

そしてこう続く。
「弱い者の連帯の組織である労働組合が担う労働運動の根本的な使命は、社会の不条理に対して異議を申し立てることにある。
不条理に対して闘う姿勢を持ち、行動することが労働組合という組織の使命なのである。

残業代ゼロ法案も押し切られようとしている。
野党は、なぜ現場の実態を強く主張しないのか、なぜその実態を盾にして闘わないのか、歯がゆくてならない。
労基法36条では、時間外労働や休日労働に際しては、労働組合との協定を必要条件としている。
そしてその延長時間が適正なものとなるよう厚労省は基準を定めている。
(労働省通達基準 年360時間)
しかしその基準を超えても特別条項を定めれば青天井で働かせることができる。
恥ずかしい話だが労働組合があっても、年1000時間を超える特別協定がゴロゴロ存在する。
過労死基準をはるかに超える協定だ。
(過労死基準 月80×12=年960時間)

労働組合も、36協定を健全化させるという闘い方があるはずだ。
健全化のレベルは連合が定めればいい。
このまま押し切られたとしたら労働組合の敗北だ。
あの労働者派遣法を導入させてしまったことで日本の雇用環境は一変してしまった。
二の舞を演じてはならない。