大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

もがき苦しみ・・・今がある

2014年06月05日 | 労働者福祉
「近年社会保障や福祉問題に対する関心が急速に高まってきています。
それは合理化や失業の暗い谷間から抜け出そうとする私たち労働者の欲求の高まりであり、一面では歴史的にみた今日の労働運動のもっている弱い部分に対する政府や資本の攻撃に対処して助け合いや、具体的な共通指標を捉えた結びつきを通じ、お互いに生活を守り高めようと努力する私たち労働者本来の姿が発揚されてきているのだと理解することができます。…」

いま読んでもなんら古さを感じないこの文章は、静岡県労福協設立総会議案書の基本方針の一節です。
昭和39年度ですから50年前のことです。
運動論もみっちりと謳われているし、かなり闘争的な文章にも刺激を受けますが、政治的課題もきちんと整理されていることに感心しました。

具体的な活動方針では事業団体の強化発展に向けて明確に目標を示しています。
《労働金庫の強化発展》
(1)「1か月分の賃金を労金に」(組合員1人当たり30,000円を労金に常時保有)を積極果敢なる猛運動の推進
(2)夏季および年末における一斉積立(1人2,000円預金)の長期化運動の推進
(3)目的預金(住宅、結婚、進学、火災)の実施
(4)労組資金、社内預金の振替、健保組合、共済組合の資金を労金へ集中の運動
(5)地方自治体の預託の獲得と増強
(6)住宅貸付額の増額や貸付期間の延長の実現
《労済の拡大強化》
(1)労金と一体となって実施する一斉積立運動の柱である組織共済の目標加入組合50組合、加入口数14,000名の達成
(2)安い掛け金で有利な保障が約束されている火災共済の目標加入者37,000名、加入口数150,000口の実現
(3)長期一斉積立運動の強力な武器としての生命共済の目標加入人員13,000名、加入口数18,000口運動の完遂


2012年12月開催の「静岡県労働者自主福祉シンポジウム」を皮切りに、同様のシンポジウムを県内西部(13年11月)東部(14年2月15日)中部(14年2月22日)と一巡してきました。
これは県労福協に加盟する全組織に対する「2020年ビジョン」の周知徹底と併せて、社会運動としての「労働者自主福祉運動」を進めようとするものです。
労働者自主福祉運動の原点ともいえる労金・労済運動の現状はどうであるか…50年前と比較するとどうであるか…事業と運動のバランスやいかに…課題はいくつも見えてきます。

「労働者自主福祉運動の理念と歴史」から何を学び、今後の活動にどう活かしていくか。
そのためには「労働者自主福祉運動の理念と歴史」を語れる“語り部”を1人でも多く育てなければなりません。
下準備のために諸先輩の話を聞いたり、労働史や議案書をひも解いていますが、やはり創業時の先人たちの苦労は半端じゃありません!
「連合未来塾」や「語り部PJ」どころではなくて、政治・経済・労働・教養・討論など延べ181時間の授業がある「静岡県労働学院」を無料で通年開講していました。
労働組合の努力や啓蒙活動も凄いが、事業団職員の努力も傾聴に値します。
双方に創業の原点が色濃く表れています。

その原点とは

労金も労済も生みの親は労働組合であり
単なる業者と客の関係ではなく
ともに運動する主体である
その運動とは
支え合い・助け合い(連帯・協同)の実現である


50年が経過しどうなったか?
労金はどうなったか?
労済はどうなったか?
労働組合はどうなったか?
そして運動の中心にいるはずの労働者はどうなっているか?

道ははるか遠くにあるようで少し心細くなってきました。