大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

腑に落ちた嫌な話

2014年06月04日 | 経済
4月の消費者物価指数が前年同月比3.4%となり、日銀黒田総裁の目標であった2%を大きく上回った。
気がかりがふたつある。

ひとつはお金の価値が下がるからと国民は消費に回るだろうか?ということ。
これは1月にアルーフトップセミナーで聞いた伊藤元重氏の講演を思い出しての気がかり。
(ブログ「潮目が変わったら」参照)
個人消費が伸びていけば経済が好転していくが、そうならないと高齢者や低所得者の生活に大きなダメージを与える。

もうひとつの気がかりは国家の財政問題。
これも大塚耕平参院議員の講演を先月聞いたことから急に膨れ上がってきた気がかりだ。
(ブログ「異次元の顛末」参照)
現在の日本は深刻な、そして慢性的な歳入不足。
平成26年度の一般会計予算を例にとると、歳出が95.9兆円に対して歳入は50兆円だ。
その歳入不足を一手に引き受けてきたのが、国債発行という手段だ。
国債とはいわゆる国の借金で、償還期限が来れば返さなくてはならない。
1000兆円にまで膨れ上がった借金を慢性的な歳入不足の国がどうして返せようか?そう私が思っても不思議ではない。
最後はどうなるんだろうか…その疑問が解けなくて悶々としていた。

そして見つけたのが「60年償還」というルールだ。

財務省のHPにあったこの「60年償還ルール」とは実に巧妙につくられた借金返済の抜け道だった。
たとえば10年物国債を600億円発行したとしよう。
10年後には600億円返済しなければならないから、普通だったら10年後に備えて積み立てておく。
しかし「60年償還ルール」により60年で償還すればいいので100億円だけ返済すればよくて、残りの500億円分はまた新規の借換国債を発行して調達する。
その国債の償還時期がきたらまた100億円だけ返済し、不足分はまた400億円の借換国債を発行して調達する。
延々とそんなことを繰り返していくのである。
なんのことはないすべて後世へのツケの先送りだ。
一般国民の常識は政府にとっては非常識…しかしこんな安易なルールはいつか身を滅ぼす元となるだろう。

謎は解けたが、気がかりはますます大きくなってしまった。