大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

歴史的事実と教訓

2014年06月27日 | 労働者福祉
今年の新春賀詞交歓会で宣言したように、私の挨拶はどこへ行っても「私たちの原点は“連帯と協同”です」の大安売り。
同席している仲間はもう耳にタコができるころかもしれません。
そんな私にある方が1冊の本を提供してくれました。

この本はもう絶版になっているかもしれない貴重なもの(らしい)です。
22年前に日本生協連(全労済やコープ生協の上部団体)が出版したこの「バークレー生協はなぜ倒産したか」を読みながら背筋がぞっとしてきました。

バークレー生協はアメリカの生協運動のけん引役でもあり、日本の生協も多くのことを学んだ教師役でした。
それがなぜ倒産したのか、当時の関係者が率直に語り、失敗の原因を探った傷心の書です。
関係者18人の手による執筆であり、18人の証言書でもあります。
執筆者のひとりジョージ・ヤスコーチはこの本の目的を、「他の生協が同じ過ちを犯さないように、歴史的事実と教訓を提供することにある」としています。
崩壊した生協はアメリカだけではありません。

アメリカ消費者運動のリーダーであるラルフ・ネーダーの書いた序文にはこうありました。
「…『Making Change?』は、ヨーロッパの生協が成功したものの、なぜ活力を失い崩壊するに至ったかを分析しているが、そこでも、組合員教育制度の中に生協の哲学教育が欠けていたため、多くの組合員が離反し、競争相手に同化してしまった、と結論している」
『Making Change?』とは、1985年に出版された「ヨーロッパの生協から学ぶ(邦訳)」という本です。

「バークレー生協はなぜ倒産したか」は、21世紀に向けて協同組合の役割を考えるのに必要な多くの問題が提起されておりました。
この本を読んで当時のリーダーたちはなにを感じたでしょうか?

「私たちの原点は“連帯と協同”です」
そして「理念ある行動」のみが時代を立て直してくれます。
今からでもきっと遅くない!と私は思いますが、カギを握るのはそれぞれの運動体のリーダーたちです。
“連帯と協同”の理念を強く持ってリーダー自らが実践しよう!!