KTM・ファンティックの茨城県正規代理店 モトビルド神原

国内4メーカー・輸入車取扱。ワンメークパーツご相談を。オフコース有り。*当分毎週火・水曜日休みます

2010年ダカールラリー ダイジェストその1

2010-01-23 20:53:16 | KTM FAN ROOM
*詳しくは KTMジャパンHPをご覧ください


2010年ダカールラリー初日:世界一過酷なラリー

シリル・デプレとマルク・コマは、ともにダカール優勝経験を持つスターライダー。今年もKTMのファクトリーサポートを受けて、新たなチャレンジを迎える
初日はほぼセレモニー。モト、クアッド、オート、カミオンの4クラスに出場する競技者にブエノスアイレス市街に大挙したラリーファンが熱い声援を送った。
今年のダカールには、全14カ所のスペシャルステージ(SS:計時区間)が設定されているが、とりわけ注目はアタカマ砂漠である。アタカマ砂漠では、測候所が設置されて以来、過去一度も降雨がない。
今年のKTMは、ファクトリーチームによる参戦はしないものの、シリル・デプレとマルク・コマにKTMファクトリーがサポートする690 Rallyを提供する。2009年夏にいきなり施行された新規則により、450ccマシンがダカールの主流に設定されると同時に、大排気量マシンには、パフォーマンスを規制するリストリクターの装着が義務づけられた。



2010年ダカールラリー2日目:シリル・デプレとマルク・コマ、好位置

ステージ1は、シリル・デプレ、マルク・コマ、ダビデ・カストーの3名がトップグループを形成し、互いに激しく牽制しあった。首位はダビデ・カストーに譲ったものの、シリル・デプレは3秒差、マルク・コマは12秒差でそれぞれ2位、3位を確保。「今日のステージは、450ccマシン有利に設定されていたものの、我々のライダーは堅実に走行してくれた。マルクとシリルは、すぐにロードブックを理解し、うまくリズムに乗ったようだ。ふたりとも絶好のポジションに着けている。」と、KTMのステファン・フーバー。
スタート前、コース上にスタンディングウォーターが存在することを理由に距離が短縮され、調整のためスタート時刻が遅延された。各ライダーは、乾いた大地を走行。こうした路面に対処するには、注意深いアプローチと経験に培われたスキルが必要である。マルク・コマは、「非常にテクニカルなSSだったが、勘を取り戻すにはちょうど良かった。距離は短縮されたが、気温が上がったのでタフなことに変わりはなかった」とコメント。
09世界ラリーチャンピオンで、08年ダカールウィナーのシリル・デプレは、今年初のステージということもあって若干ナーバスだったが、「タイムは悪くなかったし、ノートラブルでSSを走破できた。昨年の最高速度は185km/hだったが、今年は166km/h。この差は大きいが、ラリーが進むにつれて、方法も見つかるだろう」。



2010年ダカールラリー3日目:シリル・デプレ総合2位維持。マルク・コマはペナルティ

ステージ2は、超高速セクションと狭いワインディングが交互に訪れる。加えて、スタート時点と競技中に土砂降りに見舞われ、非常に危険な場面も存在した。また、コルドバの気温は18℃だったが、フィニッシュ地点のラ・リオハは35℃と温度差も激しかった。
「コマは昨夜、市街地の速度制限を超過したとして、22分のタイムペナルティを課された」と、ステファン・フーバー。3位だったマルク・コマは、一気に14位まで順位を落とした。
一方シリル・デプレは「いかにリスクを冒さずに走り切るか、それが今日のテーマだった。路面はマッディ(泥濘)で、エンデューロ向きだった。コースにとどまるだけでかなり苦労させられた。軽量の450ccの方がずっと有利だったと思う」。シリル・デプレとマルク・コマは、リストリクターが装着されたKTM 690 Rallyに乗っている。



2010年ダカールラリー4日目:シリル・デプレ総合首位へ

2010年ダカールラリーは、いよいよ真の姿を現した。ステージ3は、アンデス山脈に挑む山岳ルート。硬く踏み固められた路面と砂がちの路面を走破し、標高2,000メートルまで駆け上がる。順位が大きく動いた。
08ダカールウィナーのシリル・デプレは、このSSだけで2位のエルダー・ロドリゲスに大差をつけ、総合順位でもトップに浮上した。シリル・デプレは、複数のダカール優勝経験の持ち主。4日目のルートは、アフリカルートに近く、水を得た魚のように活き活きとマシンを操った。「走り始めてすぐに、180km/hか!なぁにイージーだ、ビバークまで駆け抜けよう、と気合いが入った。たった3時間の走行だったが、アフリカのような過酷さがあった。ソフトな砂の砂丘を走破しながら、マシンを労る必要もあった。さまざまな要素が絡む、複雑なステージだったね」とシリル・デプレ。
前日、タイムペナルティを課され、14位まで後退したマルク・コマは、このステージでマイナーなメカニカルトラブルがあったが早くも反撃、ステージ終了時点で総合8位まで回復した。
また、KTMライダーのジョルディ・ビジャドムス(スペイン)は、70km地点で転倒。重篤な負傷はないものの、要観察のため、彼のチャレンジはここで終了することになった。



2010年ダカールラリー5日目:マルク・ コマがステージ4ウィナー

ラリー5日目のステージ4。アルゼンチン側、標高4,000m超に達するアンデス越えの山岳ルート。国境を越えてチリに入ると、ルートは下りに変わるとともに、砂漠に戻る。アタカマ砂漠は、主催者自ら“完璧な砂漠スペシャル”と呼ぶ過酷極まりないエリアだ。
前日、総合首位に立ったシリル・デプレは、ステージ4でも3位でSSを走り切り、首位を維持している。
「ついにKTM向きの路面に辿り着いた。風を感じながら走るのはやはりいいものだ。ルートはトリッキーだが、攻略するのも面白い。小さな砂丘にアタックして、キャメルグラスの間をすり抜け、ついに砂漠にやってきた!」と、興奮気味。
マルク・コマはペナルティを課されて順位を落としていたが、ステージ4を制して総合6位まで回復した。「このポジションに戻れたことが嬉しい。フィニッシュまで攻め続けるだけでなく、守るべき時にはしっかりとガードを固めたい」。
ダカールラリーとは、つねに順位が大きく変わる可能性と危険性が秘められたイベント。現在首位のシリル・デプレでさえ、SS4にアタックする直前は、「ほんの一瞬でヒーローからいきなりゼロに落とされる可能性さえある」と緊張の面持ちを見せていた。
前日のステージで一部の競技者の到着が遅れたため、スタート時間を1時間半遅延、SS距離も短縮された。「ナビゲーションは容易ではなかった」と、KTMファクトリーサポートライダーに随行するステファン・フーバー。「山岳区間も砂がちの区間も風景が似ていて、ずっと同じところにいるような錯覚に囚われた」。



2010年ダカールラリー6日目:シリル・デプレ、ステージ5は1位、リードを拡大

ステージ5は、総走行距離668km。このうち483kmがアタカマ砂漠および周辺の過酷なスペシャルステージ(SS:計時区間)である。2番目の長さを持つだけでなく 高速のセクション、巨礫が散乱する危険なセクション、岩がちなオフロードセクション、“グアダル”と呼ばれるこの地方特有の柔らかい砂丘セクションまで存在する難関ステージ。ライダーの集中力とスタミナを試す場所として、イベント前から注目されていた。
マルク・コマは、第3チェックポイントを首位で通過。2番手のシリル・デプレに大差をつけていたが、ここで大きなドラマに見舞われる。タイヤにダメージを受けて、一気に1時間半のロスを被ってしまったのだ。同じKTMを駆るルカ・マンカが、自らの走行を犠牲にしてタイヤを譲った。おかげでマルク・コマはフィニッシュに辿り着いた。2ステージ連続ウィンまであとわずかに迫りながら、大きなタイムロスを被ったマルク・コマは、「今年は僕の年ではないのかもしれない。でも、とにかくポジティブにトライする。このラリーは何が起こるかわからない、まだ諦めるつもりはない」と前を見据えた。
反面、他のKTM勢はこのSSで台頭。ルーベン・ファリアとパル・ウレバルセターが4位、5位でフィニッシュし、一気に順位を上げた。ウレバルセターは総合5位、さらにアラン・デュカロが総合4位に浮上してきた。
また、これまで総合2位につけ、シリル・デプレの最大のライバルと目されていたダビデ・カストーがクラッシュ。脚を骨折し、ヘリコプターで病院に搬送された。



2010年ダカールラリー7日目:マルク・コマ、ステージ6を制す。シリル・デプレも2位

ステージ6は、アントファガスタからチリ太平洋岸のイクィキに至り、なだらかなカーブが連続しながら、急峻な砂丘の上りも点在、攻略が難しい。
マルク・コマ(スペイン)は、2度目のステージウィンを達成し、総合成績でも4位にジャンプアップ。
最後まで諦めないという強い決意を表した。ライバルをまったく寄せ付けずステージウィン。「29km地点にシークレットチェックポイントがあった。途中、かなりのライダーをオーバーテイクしたが、その都度ダストが激しく、トリッキーだった。ノートラブルでフィニッシュできたことが嬉しい。ここまで不運に見舞われているので、目の前のSSに全力で挑んで、勝負を楽しみたい。」
一方、総合首位をキープするシリル・デプレは、リード拡大をテーマに堅実にマルク・コマに次ぐ2位で完走した。
前日、マルク・コマに自らのタイヤを提供したKTMのルカ・マンカは、SSスタート後10km地点で激しく転倒、ただちに病院に搬送された。前日終了時点で総合9位に着けていたが、ここでラリーから離れることになった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。