KTM・ファンティックの茨城県正規代理店 モトビルド神原

国内4メーカー・輸入車取扱。ワンメークパーツご相談を。オフコース有り。*当分毎週火・水曜日休みます

2010年ダカールラリー ダイジェストその2

2010-01-25 10:19:38 | KTM FAN ROOM
2010年ダカールラリー8日目:デプレとコマがステージ7でも総合でも1-2

ステージ7の総走行距離は641km。だが、リエゾン(非計時区間)は41km、残りの600kmがスペシャルステージ(計時区間)である。アタカマ砂漠は荒涼として、大自然の脅威を感じさせる。ここを終えると待望のレストデイ。
デプレ、コマ、ともに序盤で順位を落としたものの、残り150km時点から反撃開始。プライドが真っ向からぶつかり合い、残り20kmはエキサイティングな1対1のバトルを展開した。
デプレは総合リードを1時間6分50秒に拡大。コマはこのステージ終了時点で総合2位にポジションを上げた。
デプレ「150km地点で大きな穴に前輪を落としてしまった。ショックアブソーバーがボトムアウトして、オイルが噴き出した。その後はスプリングだけに頼らざるを得なかったので、手首や腕、首にかなりの衝撃を感じた。タイヤのクオリティには自信があったし、それ以外はノートラブルだった。このマシンのおかげで乗り切れた」



2010年ダカールラリー10日目:マルク・コマ ステージ8を2位、シリル・デプレはリード拡大

9日目のレストデイを終え、ラリーは、再び極限まで乾燥したアタカマ砂漠に。ステージ8は、96kmのリエゾン(非計時区間)で霧が出やすい区間を通過し、クリアな視界の下で、岩と砂が支配する472kmのスペシャルステージ(SS:計時区間)に挑む。
デプレは、岩にホイールをヒットしてふたつに裂けるトラブルに見舞われたが、堅実に走行し5位でフィニッシュ、総合リードを1時間20分31秒に広げた。
デプレ「とんでもない1日だった。途中で2個の岩にヒット、1個はフロント、もう1個はリアだった。245km地点で確認した時は、フロント、リアともに問題はないように思えた。でも、突然まっぷたつに裂けて、粉々に砕け散った!(レッドブルのナンバー2の)ルーベンが来てくれてラッキーだった。リアは何とかもつだろうと思い、彼のフロントと交換することにした。それからはできるかぎり岩を裂けて、リアを労って走行した。ダカールでは何が起こっても不思議ではない。とにかくリスクを冒さないことを心がけ、給油ポイントでは、15分くらいロスしていたと思う。ルーベンも2~3分遅れでついてきてくれたから、ホッとしたよ。本当に信じられない1日だった」。
一方コマはレストデイのタイヤ交換が規則に違反するとして、2度目のタイムペナルティを課された。これによって、再び順位を落としたものの、ステージ8を2位完走。総合順位は12位である。なお、タイヤ交換に関するペナルティは、1月9日夕刻に突然発表された。
コマは、精神的に厳しい1日だったことを認める。「いつもどおり走ろうと言い聞かせた。序盤は岩が多かったね。給油ポイントまでペースを一定に保って、それから前に出た。リズムもナビゲーションも良かった。走りには満足できる」。



2010年ダカールラリー11日目:今度はマルク・コマ1位、シリル・デプレ2位

11日目ステージ9でまたしても1-2フィニッシュ。制したのはマルク・コマだ。しかし、ふたりの差はわずか4秒。
朝方、太平洋岸が濃霧との予報が出たため、主催者は開始を遅らせ、下位ライダーのビバーク到着が深夜にずれ込まないよう、スペシャルステージ(計時区間)距離を短縮した。また、新たなスタート方式が採用され、20名のライダーが1グループとなり、横一線に並んで一斉にスタートした。
短縮の結果、濃密な戦いになった、とデプレ。「スタートでは、若干タイミングが遅れてしまったが、序盤の70kmは激しい首位争いを演じた。最初はマルクがトップに立ち、私もやり返し おそらく15回は順位が入れ替わったと思う。フィニッシュラインでは、ふたつのルートがあった。それぞれ別のルートを選択し、フィニッシュはほぼ同時だった。お互いの名誉を賭けて全力で戦った」。
横一線のスタートに不思議な感覚を覚えた、とコマ。「ものすごいスタートだった。みんな前に出ようと必死だった。序盤は砂丘も多かったし、ナビゲーションも複雑で、なかなか面白かった。タイヤは最後まで新品のようだった」。コマは、62km地点でナビゲーションミスを犯して5kmも多く走行する羽目になったが、見事に挽回してステージウィンを勝ち取った。今年のダカールでは、不運続きで優勝圏外になってしまったが、昨日は2位、今日はステージを制した。



2010年ダカールラリー12日目:マルク・コマ、連続ステージ制覇

アタカマ砂漠とはまったく性質が異なる路面にアタックするステージ10。高速~超高速路面が連続する214kmのリエゾン(非計時区間)と238kmのスペシャルステージ(計時区間)でスリリングに構成される。
コマは、昨日に続く連続ステージ制覇。3つ目のステージウィンを達成した。優勝のチャンスはほとんどないが、全力を尽くし総合順位を16位に上げた。当初からこのステージを狙っていたという。「今日はエンデューロ(耐久イベント)のようだった。かなりスライドしたが、テクニカルなセクションが多くて楽しかった。スタート順がトップだったから、誰も走っていないルートを走行することになった。トップ走行というのは、実は一番難しいかもしれない。遅れを取り戻すのも容易ではないが、このステージでその両方ができたことが嬉しい。」。
近年のリザルトではシリル・デプレとマルク・コマが交互に総合優勝しており、昨年はコマが制している。今回は 1時間22分49秒のマージンを持つデプレが制覇に近づきつつある。しかし9,000kmの長丁場を走破する2010年ダカール。ラリーを熟知するデプレは、フィニッシュラインを通過するまで戦いは終わらない、とコメントする。「このラリーは、簡単に首位から脱落するリスクが数多く存在する。今日のテーマは首位を守ることだった。」ステージ10は滑りやすい区間が多いだけでなく、逆バンクのついたコーナーや、岩がちの路面など数々のリスクがライダーを待ち受ける。「全開でアタックする必要はない。これからは路面が硬くなり(砂漠エリアとは)全く異なった対応をすることが必要である。」



2010年ダカールラリー13日目:シリル・デプレ、総合首位を堅持

チリに別れを告げ、一路アルゼンチンへむかうステージ11は、211kmのリエゾン(非計時区間)の後、220kmのスペシャルステージ(計時区間)を挟み、再び3kmのリエゾンを走行する。途中のアンデス越えでは、標高6,859メートルの南米最高峰アコンカグアを望む風光明媚な区間もある。
バラエティに富んだステージに臨んだデプレは、楽しみすぎてペースコントロールを忘れてしまった、と笑顔を見せる。「序盤13km地点にルート変更を指示するバナーが出ていた。80メートルほどそのまま進んでしまったが、ふと振り返るとコマが向きを変えて、別のライダーも彼に追随していた。それからは集団で走行した。それ以外は、とにかく楽しかった。220kmのSSもアッという間だった。」
ステージ11を2位で完走したのは、KTMライダージョナ・ストリート。わずか3秒差でステージ優勝を逃した。3位にもKTMのアラン・デュカロ。多少のトラブルもありデュカロは「今日はそれほどいい戦いができたわけではなかったが、終わりよければすべてよし。」とコメント
パル・ウレバルセターは、4位でフィニッシュ、表彰台圏内を狙う。
マルク・コマは、当初集団をリードしたが、13km地点でナビゲーションミス。正式ルートに戻るまで3kmも余分に走行することになった。トップから5分強遅れの9位フィニッシュ。



2010年ダカールラリー14日目:シリル・デプレ、総合リード維持。マルク・コマはステージ11のウィナーに

サンファンとサンラファエルを結ぶステージ12は、スペシャルステージ(計時区間)中に自然保護区があるため、競技者は一度一般路に入ってこれを迂回し、再びSSにアタックする特異なレイアウト。
路面特性から、軽量の450ccマシンが有利。デプレとコマは、KTM 690 Rally(リストリクター装着)に乗っているが堅実に走行。デプレは、8位で完走し総合首位を守った。
さまざまな路面が現れたステージ12を4位で走ったコマは、「非常にタフなステージだった。前半と後半のキャラクターがまったく違ってかなりのスキルが必要だった。暑さでマシンにちょっとしたトラブルが発生し、後半は若干ペースを落とした。ただし、ステージとしては素晴らしかったし、大勢のファンが来てくれて嬉しかった」。その後、前日のステージ11でマーキングミスがあったとして、コマがステージ11のウィナーである旨が主催者から発表され コマはこれにより4つのステージウィンを得た。
修正後もシリル・デプレの首位は代わらず、KTMライダーパル・ウレバルセターはフランシスコ・ロペスと2位タイに並んだ。ラリーは終盤を迎え、スタート時点では160名だったライダーも90名強まで減ってしまった。残すところ2区間、まだ何が起こるか分からない。



2010年ダカールラリー15日目:KTMライダー、ステージ13で1-2-3フィニッシュ

この日はパル・ウレバルセターとシリル・デプレが集団を率いた。シエラネバダ山脈からパンパを通過するSSは、高速セクションの連続で息をつく暇もない。ステージウィナーのパル・ウレバルセターは、「素晴らしいステージだった。3位でスタートして、40km地点でトップに立った。今日のルートはビッグマシン向きだった。最後の数時間は全力以上の力で最高速度も160km/hを超えていた。自分として、完璧な走りだった」。総合も2位とポジションを上げた。
デプレもこのステージ2位で自身のライディングに満足と語っている。前日のステージでハチに手首を刺され、ステージ終盤は痛みがあったものの「砂丘は20kmほどだが、ひとつひとつ色やかたちがある。ブッシュも点在していた。こういうところを走ると、クロスカントリーライダー冥利に尽きるね。リエゾンは誰もが冷静だったが、SSが始まるといきなりヒートアップした。今日のようにある程度のスピードで走った方が集中力が維持しやすい。」3位にはマルク・コマが入りKTMの1-2-3フィニッシュとなった。



2010年ダカールラリー最終日:シリル・デプレ3度目の栄冠 KTMは10年連続の栄冠

ステージ14は、206kmのスペシャルステージ(計時区間)で超高速セクションが続く。超高速セクションは、一瞬のナビゲーションミスが大きなタイムロスにつながる。が高速走行能力・高精度ナビゲーションこそ KTMライダー全員の強みだ。
同ステージを制したのは、シリル・デプレのチームメイト、KTMルビン・ファリアである。
一方デプレはこのステージを6位で終え、2010年チャンピオンの座に就いた。05、07年に続く3度目の栄冠を勝ち取ったデプレは、アタカマ砂漠の4ステージを含む全14ステージでライバルを圧倒、「勝利とはつねに素晴らしいものだが、今回はひと際。驚異的な能力を持つスペシャリストチームは私を含めても9名と小所帯だが 素晴らしい、そのひと言に尽きる。さまざまな感情が入り交じっている」。序盤から首位に立ったものの、3度目のダカール制覇は決して簡単な道のりではなかった。若干のメカニカルトラブル、負傷、そして僚友であり最大のライバル マルク・コマとのバトル。ともに意地とプライドをぶつけ合い、スプリントレースのような激しさを見せた。インタビュー中、デプレの頬を涙が伝う場面もあった。「私もひとりの人間だ。KTMのマシンに跨り、15日間も競技を続けてきて、もはやほとんど何もできないほど憔悴しているが、涙を流す体力だけは残されていたようだ。この勝利において、KTMが果たした役割は非常に大きい。」
キャリア8度目のダカール挑戦となったパル・ウレバルセターは、昨日、ステージウィンを記録し、SS14も2位、総合2位で完走した。「今回のダカールは、ノートラブルのうえにクラッシュもなくマシンの調子も良かった。自分は最速ライダーではないにしろ、経験はあり今回は特にリラックスしていた。25年間、ずっとトレーニングを重ねてきた成果がようやく出た!」
なお、トップ10 のうち6名がKTMライダーだった。
デプレとは永遠のライバル、コマは、2度のペナルティなどにより不本意な15位で完走した。しかし、4つのステージで優勝を飾り、純粋な走行タイムだけの比較ならばシリル・デプレと同等である。
ふたりのマシンはKTM 690 Rally。昨年半ばの規則改訂により、性能を抑制するリストリクターの装着がされたが 今回もKTMは力を見せつけた。KTMは、2001年にダカールを初制覇して以来、一度もタイトルを手放していない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。