小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

キキオン再び

2005年10月28日 | 日記

 四谷のアウトブレイクというライブハウスに行く。お目当てはもちろんキキオン。
 キキオンのCDを出しているポセイドンのイベントに出演。
 このライブの後、1年休養する由。
 ブログで読んだが十時さんはどうやらオメデタらしい。「お腹のなかにいる人」とは彼女らしい表現だ。

 今回はポセイドン・フェスティバルとのことで2グループとのジョイントライブ。
トップは「ジプシーポット」というバンド。フェドル、ブズーキ、エレキフラメンコギター、多彩な民族楽器を使ったパーカッションの編成。妖艶な女性のベリーダンスも登場。
 次は「FLAT122」というプログレバンド。ベースなし。現代音楽に影響を受けているらしいが、懐かしいカンタベリー系のプログレ。ハットフィールド・ノース、ナショナル・ヘルスを彷彿とさせる。テクニックは凄い。日本人もここまで来たかと思う。しかし、この手の音楽を聴く人はいま少ないだろう。60、70年代もマイナーだった。でも耳の肥えたロックファンは、ほとんどプログレ嗜好だった。カミサンの秘蔵レコードは大体がこの手のもの。ヘンリー・カウはいまでも新鮮だが・・。私はこの時代はニュージャズ嗜好だったが、プログレも少しかじった。音楽は気持ちの良さが基本だが、そこにオリジナリティーとメッセージ性が求められる。そういう点では、ロバート・ワイアットは色褪せないミュージシャンだ。

 脱線した。
 今回のキキオンはリズム・クノムバスとのジョイント。
 この編成でのライブは2回目。夜のハープから始まる。CDを聴いているせいか、別の音楽といった印象がある。
 この日は十時さんのヴォーカルが力強い。まさに2人分のエネルギーを感じる。
 透明感のある繊細さは後退し、お腹の底から太い声が響いてくるようだ。ベースの梶山シュウの中近東風ヴォイスもなかなかだが、
 十時さんの声も負けない。素晴らしい。小熊さんのギターのストロークもエネルギッシュだ。イシスという女性のオリエンタルダンスも登場。創作風ベリーダンスといった雰囲気で、演奏にのって艶かしく踊る。目と目が離れている女性はあっちの方がお好きという定説がある。笑顔をみせ、男を誘うような目つきがたまらん。観客席の中央に分け入って、後ろまで踊っていく。私の視線はついそれを追っていく。

 しかし、なんと。ほとんどの人、いや男どもはステージを注目する。イシスさんの踊りにはまっているのはほんの数名。多くの人は「キキオンだけを見に来たのだ」という頑な感じだ。若い男どもはひたすら禁欲的にイシスさんを見まいという態度がありありだ。という私も隣に最愛の妻がいる。露骨に見てはならないと変な抑制がはたらく。

 私は佐々木さんを中心にキキオンの演奏を楽しもうと思っていたのだ。その目論見が見事に砂上の楼閣のように崩れ去った。なんか佐々木さんの目線が「あなたは助平なのね」と嘲笑するかのように感じた。セットリストを作ろうと思ったが挫折してしまった。この哀れな男を許したまえ。
 1年後はキキオンだけの演奏をみたい。

 

▼吉祥寺の曼荼羅のライブを発見。(2016.5.25追記)

https://www.youtube.com/watch?v=Spac7NqPVZM






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