『スープの国のお姫様』樋口直哉

料理人の「僕」は、尊敬していたシェフが亡くなったため、その店をやめ、知り合いがやっているコンサルティングの仕事を手伝うようになった。
新しい仕事も悪くはなかったが、以前のような満足感が得られず、気が滅入るようになった。
当時付き合っていた彼女ともうまくいかなくなっていたが、別れのディナーの席で彼女が紹介してくれた次の仕事は、ある屋敷のマダムのために夕飯としてスープを作ることだった。

屋敷で出会う少女と主人公は、親を失っているということと、それぞれのスープを探しているということで共感したのかもしれません。
また、執事のキサキが遠回りにしろ導いてくれたおかげで、二人して前に進むことができました。
つまり、スープを探すミステリであり、成長の物語でもあるのだと思いました。