こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『裁く眼』我孫子武丸

2016-11-20 19:35:00 | 読書感想
漫画家デビューはしたものの長年売れなかった袴田鉄雄は、姪のすすめもあって週二回、浅草で似顔絵描きをしていた。

しかし、カップルの女性を描いて連れの男にクレームをつけられた日に、FXTVというテレビ局の人間から、法廷画の仕事を依頼される。
何でも、いつも頼んでいた絵描きさんが、急に倒れたらしいのだ。

裁判の被告は、二人の男を騙して貢がせたあげく、殺したという疑いがかかっている女性だった。
鉄雄は、公正な視点から描いたつもりだったが、裁判所からの帰途、ブロックで殴られてしまった。
また、裁判中に隣の席で同じように法廷画を描いていた女性は、殺されてしまったらしい。

裁判の判決は?また、鉄雄たちは、誰に、どんな理由で襲われたのか?

鉄雄は、ありのままに描いているだけなのに、違って見える人間もいるということは、知らず知らず対象者の内面まで描いてしまっているのでしょうか?
ところで結末は、判決も、鉄雄たちを襲った犯人も明らかにしているのに、もう少し先まで書いて欲しいと思ってしまうものでした。
もしかして、我孫子さんの策略?
まあ、それがなくても、鉄雄が今後、法廷画家を続けるというのなら、ぜひ、続編を!と思う面白さではありました。
コメント
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