岸田るり子さんの『ランボー・クラブ』を読みました。
不登校中学生の菊巳は、フランス語を習ったことが一度も無いのに、単語の意味が分かり、
正しい発音で読むことができた。
彼の五歳以前の記憶は、夢と現実がごちゃ混ぜになっていて区別がつかない。
そのあたりの記憶を探っているうちに、教室で笑っている自分は偽りの自分だと感じてしまった。
そして、ある朝起きてみると、学校へ行けなくなっていたのだ。
記憶と違う本当の父親、何かを隠している母と義父。
菊巳はいったい誰なのか?誰を信じたらいいのか?
自我が根底から揺さぶられる恐怖。
色覚障害の少年をめぐるミステリは、恐るべき結末を見せてくれました。