人生はベルトコンベアー

こう毎日暑いと昼間は家から出られない
昭和の時代はこんなことはなかった

自分たちが小学校のころは夏休みになったら
からだが燃えて家の中でじっとしてることなんかなかった
日中でも山に蝉取りにいったり川に水遊びにいったり
親にせがんで海に泳ぎにつれて行ってもらったりした
小学校高学年になったら子供だけでバスに乗って
海まで泳ぎに行ったなぁ

でも田舎に帰ると一緒に遊んだ友達はもうだれもいない
蝉取りをした山は半分崩されて住宅地になってるし
水遊びをした川の岸辺もコンクリートだらけ
みんなで泳いだ海水浴場は
いつの間にか普通の海岸になってだれも泳いでなんかいない
「誰もいない海」とはこのことだったのかもしれない

愛媛県の高齢化率が33.8％だと発表があった
3人に一人が高齢者か
自分もその一人なので偉そうなことは言えないが
どんなに努力しても頑張ってもお金があっても貧乏でも
みんな必ず年を取ってゆく
人生って時間というベルトコンベアーに乗せられているようなものだ
ゆっくりゆっくりだが決してとまってくれない
若いときはその行きつく先が遠くて見えないが

高齢者になるとその先がぼんやりとわかるんだよな

今日病院に行った
月一回の経過観察の日だ
患者さんは全員高齢者
次から次と来院する人もまた同じ高齢者
皆さん動作がまるでスローモーションだ
呼ばれて反応するのも、立ち上がるのも、診察室に移動するのも
椅子や手すりをたよりのスローモーションだ
～出会いはースローモーション～という中森明菜の歌があったが
～病院はースローモーション～だ
自分もいずれそうなるのかと思うと

今見てる光景はまさに未来の自分の姿に見えてくる
自分がランニングをしているのは
人生のベルトコンベアーを少しでも逆走したいのかもしれない