こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

ふしだらな! 「修多羅」の語源

2015年09月30日 | 仏教

お坊さんの背中から垂れ下がっている紐。見られたことございますか?
これ、「修多羅(しゅたら)」といいます。

お経さんのことを、もとは「スートラ」というんですが、その音をとって、「修多羅(しゅたら)」。

スートラは、「縦の糸」を意味します。貝葉に書き記したお経を一枚一枚綴じる時、

縦に糸を通してまとめます。その縦の糸からスートラという言葉が生まれたんだということを

聞いたことがあります。要するに、お坊さんは、背中にお経さんを背負ってるわけです。

西域記や西遊記でご存じの玄奘三蔵さん。背中に大量のお経さんを背負って

天竺から唐の国まで歩かれました。往復14年間!この三蔵法師の偉大な功績を

シンボライズした装飾品ということもいえるようです。

また、この修多羅は、葬儀の時、棺の上蓋に載せてあるのをご存じでしょうか?

お葬式は、言い換えれば「出家受戒」のための儀式です。ということは、故人は、

お葬式をすることで、仏教の修行者となられます。だから、棺の上には金襴の袈裟と、

「修多羅」が飾られるんですね。

余談ですけど、この「スートラ」が「しーだら」に訛って、「不」で否定したのが、

「ふしだら」、なんですって。お経さんに背いた行為は、ふしだらな行いなんですよ。

さらに、「だらしない」っていう言葉もこれが語源であるとか。

お寺出身の植木等さんのヒット曲「スーダラ節」も、これをもじって生まれた曲らしく。

おもしろいですね。

 

 

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