こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

戦争という悲劇は、言葉巧みな為政者の「ホラ」にだまされる国民から始まる

2014年06月15日 | 仏教

 法螺が手に入る。木製の吹き口で、ソフトな音色が出る。厳かな音色が里山に響く。
森羅万象が、私の吹く法螺の音色に感激しうっとりと聞き入っている。・・・
  

などと言った虚言を吐くことを「大ほらを吹く」といいます。
法螺は正しくは「ほうら」。『法華経』には「大法螺を吹き、大法鼓を撃ち」といい、
『心地観経』には「大法螺を吹いて衆生を覚悟して仏道を成ぜしむ
(おおぼらをふいてしゅじょうをかくごしてぶつどうをじょうぜしむ)」とあります。
このように「法螺を吹く」というのは、仏さまの説法、のことなんです。
貝殻の音が遠くまで響き渡るから、それで仏の説法に喩えるといわれています。

 ですから、元来は「法螺を吹く」のは仏さまなんですが、
悟ってもいない人が仏さんの説法を真似て立派なことを語っても、
所詮は実行がともなっていない。そこでそんな人の演説が「ホラ」になり、
「ウソ」ということになったもの。因みに「演説」という言葉もまた元は仏教語なんですと。


 戦争という悲劇は、言葉巧みな為政者の「ホラ」から始まるのが歴史的事実。
気をつけましょう。

コメント (3)
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