こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

・・・ナイシホウカイ ビョウドウリヤク、ウヤマッテモオスゥ~

2013年10月10日 | 仏教

乃至法界平等利益

 乃至法界平等利益(ないしほうかいびょうどうりやく)。
漢字ばかりが並んでますがイヤにならないでくださいね。
これは、ご法事やいろんな法要の中でお坊さんが読み上げる「願文」とか「回向文」とかの
最後によく出てくる言葉です。(・・・ナイシホウカイ ビョウドウリヤク、ウヤマッテモオスゥ~)って、
聴かれたことありません?
ともあれ、「このおつとめの功徳は、この世のすべての人たちの幸せにつながっていきますように。」っていう
強い願いのこもった言葉なんです。他人の心を自分の心として、人が悲しめば自分も悲しみ、人が喜べば自分も喜ぶ、といったとても崇高な境地です。
 しかし、これは言葉で言うほど簡単ではありません。テレビのニュースに流れる事件や災いを聞きながら、
私たちは、一時的には悲しみを共感する心を持っています。しかし、所詮は他人事。ニュースを聞いて幾ばくも経過しないうちに、夕餉の団欒を楽しく平和に過ごすことができます。これが、少しでもご縁のある関係者だったら、ご飯も喉を通らないはずです。
  私たちはどうしても自己中心的な生き物です。
だからこそ、この「乃至法界平等利益」という言葉があえて必要になってくるのだと思います。

どうぞみなさん、心のこもったお唱えを心しましょう。

コメント
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