私たちの家にホームステーした子供は日本式で言うと小学校5年生、少し丸い顔をして
長い黒髪のキュートな女子だ。彼女はシンガポール生まれの中国系だから顔立ちは日
本人だと言っても疑われることのないほど、私たちと変わりない容姿をしている。
ところが話をすると私とは英語で話すが友人たちとのお喋りは、英語で話していたかと思
うと急に中国語の切り替わり、何が何だか訳の分からない世界に引きずり込まれる。
彼女たちは中国伝統の歌劇を学校で伝承しており、それを披露するために国際演劇祭
に参加したのだ。その衣装はすごく煌びやか、舞台用の化粧をしているから、本人が何処
にいるのか分からないほど変身していた。小学校5年生だから幼いと思っていたら、『お父
さん、PC貸して』と言ってきた。何を始めるのか聞いたらゲームをしたいからアカウントを作
たいとヘルプを求めてきた。自分で探していたゲームサイトを開いてLog IDとパスワードを
設定してやったら、そそくさとゲームを始め一人で楽しんでいた。2008年11月のこと。
流石にIT先進国、この頃は既に小5の子がPCを自在に扱い、自国ではface bookを開設し
バリバリとやっていた。
今はもうすっかりとヤングレディーになりボーイフレンドもいるのかもしれない。最初のシンガ
ポール訪問時はべリンダと再会したが、2度目は弔事続きでもあったから会うことはしなかっ
た。Face bookを覗けばアクティブな彼女を見ることができるので、それで十分だ。