シンガポールは中国系が70%を占め、マレー系、インド系などが残りを占めるから言葉も英
語を主としながら中国語が混じる新語Singlish(Singapore English)シングリッシュと言われる
所以だ。庶民の胃袋を満たすスーパーは興味深い。魚や魚介の中には日本ではお目にか
かれない種類のものも多くあり、結構グロテスクなものもあった。相変わらず中国系住民の食
卓は私たちの度胆を抜く。ゲージが置かれてあり中には、小さい生きたカエルが犇(ひし)め
いている。
すぐ隣には大きな食用ガエルが紐に繋がれ、招き猫のように座っていた。違う店に行くと種
類の違うカエルが並べられている。
チャイナタウンの珍しいものを見てマーライオンへ、ガイドの説明
『世界の3大がっかりはマーライオン、コペンハーゲンの人魚、ブリュセルの小便小僧』とやり
だした。確かに訳の分からないライオンが水を吐いている、現地の人はライオンがゲロしてい
ると言っていた。私たちが行った時は建国記念日に合わせて清掃、お色直し中で足場を掛
けられていた。それでなくても、3大がっかりなのに、檻に入れられたライオンでは更にがっか
りだ。私が興味を抱いていたのはホーカーでの食事だ。今では日本でもフードコートと呼ば
れる色々な店がファーストフードを提供するようになった。ホーカーはシンガポールのフード
コート、美味しいものが安いのが魅力だ。
シンガポールでは家庭で料理を作るよりホーカーで摂る食事の方が多いと言われている。住
宅は集合住宅が基本だからベッドタウンのような街にはホーカーが付き物になっている。
事前にリサーチしておいた『フッケンミー』なる麺料理を食べたかったが、似たようなものしか探
せなかった。ここでは中華、イタリアン、インド、和食とバラエティーに富んだメニューがあり、席
も数百近い大きなホーカーだった。食後のジュースは果物を直接絞って作る生ジュースだから、
新鮮でとても美味しい。マンゴー、パパイヤ、メロンなど様々な味が楽しめる。それにしても安い。
量はたっぷりあるジュースは日本円で200円もしない。ホーカーに満足した後は免税店で解散と
なった。
大きな店でブランド品に目のない人や新しいファッションに興味のある人には、何時間居ても飽
き足らないほどの店がある。私たちには退屈至極な一時。午後からEさんとホテルで会うことにし
ていたので、私たちはタクシーを待っていたら急にスコールがやってきて、タクシーが来なくなっ
てしまい暫く待たされる結果になった。